みんなと過ごして半年がたった。
そろそろ私の秘密を話さないとだよな。
そう思ってるけど内緒にしてたからみんなの反応が怖くて言えない。
「ごめんなさい。皆」
こんなこと言っても実際には聞こえてないんだから意味無いってわかってる。
あとは私の勇気だけなのに。
自分のこういうところがほんとに嫌い。
気分転換に散歩でも行くか。そう思いドアを開ける。
外に出た瞬間呪霊がよってくる。
「…ひっ」
ザシュッとはらい散歩をしていく。
何分か歩いた。少し疲れたな。
近くには公園があって、夜の街灯に照らされているベンチがあった。
(あそこに座るか…)
夜空を見上げると綺麗な星が見えた。
「…わ」
のばらちゃんにも、ゆうじくんにも、真希先輩にも、狗巻先輩にも、パンダ先輩にも、悟にいにも見せてあげたい。
私もこんな風に思えるようになってたんだ。
そう思っていたら
「あれ?君は…」
びっくりして振り向くと、青く、長い髪をした男の人がたっていた。
その人は少し止まって、私をじっと見たあとニヤリと笑った。
「俺は真人って言うんだ。君は五条るじゅちゃんでしょ?」
「…!?…どうして、私…の名前を?」
真人さんはにっこり笑って私の隣に座った。
「知ってるよ。有名人さんだし!」
え、私って有名人だったの?でも、悟にいのこと知ってる人のはずだから、
呪術界の人?
しばらく真人さんと話す。すると、
「…ごめんね」
と言われ、トンっと首を叩かれる。
そこで私の意識は途切れた。
目を覚ますと海で、
「…え、?」
びっくりして、
「あの世?」
と言ってしまった。
「アッハッハッハッハッ」
笑い声の聞こえた方にむくと真人さんがいて、
「面白いね、君」
と言われた。真人さんがいるということはここはあの世ではない。
そう分かり少しほっとする。
また、だれかが来た。
「あ!夏油ー!」
「…?」
「真人。お客さんかい?」
「そ、!」
夏油と呼ばれた男の人はニコリと笑って
「私は夏油傑だ。よろしくね、るじゅちゃん。」
と言った。少し異様な雰囲気で怖くなってきた。
そう思うと後ろから紐で腕を縛られた。
「…!?」
「あー、捕まえた」
離して、と言いたかったけど怖くていえなかった。
「や、めて」
「ちょっと無理かなー?これで五条悟がここに来るでしょ?」
「真人。言ってしまっているよ。」
つまり私はお兄ちゃんを連れてくるための罠?
じわじわと涙が浮かんでポロポロとこぼれていく。
「あー、泣かないで?」
こんな状況で泣かない方がおかしい。
助けて、悟にい。助けて、皆
「…助け…て」
すると
「僕の大事な妹に何してくれてんの?」
どこから来たのか悟にいが現れた。
「悟…にい」
「るじゅっ!」
「悠仁…くん、」
「るじゅ!あんた…!?」
「のばら…ちゃん」
「今助ける!」
「め、ぐみ」
「「「るじゅっ!」」」
「先輩…」
「あっちゃー残念。」
「バイバイるじゅちゃん。またねー」
2人はここから出ていく。
「ッチ逃がすかよっ」
「ダメだ悠仁。」
「今やったらここにいるヤツら全員が死ぬ。」
「るじゅっ!」
私の腕と足を縛っている縄をのばらちゃんが解いてくれる。
「るじゅっ!」
悟にいが抱きついてくる。
その上からみんなが抱きついてくる。
「バカっ!何してたのよっ!」
「ごめ、なさい」
「知らない人にはついて行かない、何回言われてきたと思ってるんだ!?」
「ごめんなさい…」
「びっくりしたじゃねぇか。」
「ごめ、んなさい」
「バカだよ。ほんとに」
「無事なら良かったんだ。」
「シャケ、明太子、おかか!」
(うん。でも、ついてっちゃダメ!)
みんなの抱きしめる力が強くなる。
「お前が、いなくなってから、」
悟にいが静かに話し始めた。
「俺、心配でたまんなかった。」
珍しく悟にいの一人称が俺だった。
「死ぬんじゃねえかってくらい心臓が速くて、いなくなったことに焦って仕方なかった。」
「1人で行くな。これ以上遠くに行くな。」
行くな…と言って、ギュッと抱きしめられる。
私はそれで涙が頂点に達して、溢れ出してしまった。
「ひぐっ…ひっ…うっ、ご、ごめん、なさいっ、ごめんなさい!」
うわああああと泣き出した私を見てみんなも目が潤んでいた。
ごめんなさい皆。ごめんなさい。
みんなが本気でぶつかってきてくれたから私もちゃんと言うよ。
明日はみんな任務がなかったはずだから、その時にきちんと話す。
だから今はもう少しだけ泣かせてください。ずるくてごめんなさい。
泣き虫でごめんなさい。足引っ張ってごめんなさい。逃げてばっかりでごめんなさい。
でもこれからはもう逃げない。きちんと言うよ。
みんなの優しさに触れながら、泣き疲れて私はみんなの腕の中で寝てしまった。
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