今日はみんなの任務が休みの日。
昨日誘拐されてみんなに伝える決意をした。
だけど、
「じゃあ今日はー!少しお出かけするよー!」
「いえーい!」
「どこ行くのー!?」
「その辺で色々買ったり、買い食いしたりー、まあ、色々!」
お出かけをすることになってしまった。しかも、最後の最後には
「結局決まってないんじゃねえか」
って悟にいは真希先輩に突っ込まれてたし。
あまり後回しにはしたくない。けど、しょうがないか、
着いたところは最近できたショッピングモールで、大きかった。
「…わ」
「でけえ」
「何から行くー!?」
のばらちゃんはいつも通りはしゃいでいる。
その日はみんなの服を買ったり、パンケーキ食べた。
夜は温泉に行って、お寿司食べて高専に帰ってきた。
とっても楽しかった。
だから、壊したくない。今から言うことはこの日常を壊すことかもしれない。
だから怖い。でも、変わらなきゃ。変わりたい。
みんなは高専の共同スペースで話している。
「…みんな」
その瞬間みんながこちらをむく。
「話したいことが…あるの、」
「…聞いてくれる?」
私の話し方を見て軽い話ではないことを察する。
「…るじゅ、こっちにおいで、」
悟にいに呼ばれ、そっちへ歩く。ソファに座り、話し始める。
「…私、今までみんなに…隠してきたことが…あるの」
「隠してきたこと?」
のばらちゃんが聞き返してくる。
私はこくんと頷いて話し始める。
「私、『日月光』なの。」
「「「「「「!?」」」」」」
そこから私はつまりながら、昔から呪霊がよくよってきたことや、両親から生まれてこなかったことにされてたこと、そこから悟にいに拾われたこととか、恵のお家にお世話になっていたことを話した。
「い、今まで…みんなに隠していて、ごめんなさい。」
泣いちゃダメ、泣いちゃダメ。そう思いながら頭を下げた。
「…」
誰も何も言わなかった。
それに涙が込み上げて溢れそうになるのを何とかこらえてみんなが話してくれるのを待っていた。
何分ぐらいだったかな、長い時間がたってゆうじくんが口を開いた。
もしかしたら短い時間だったのかもしれない。けど、時が止まったくらい長い沈黙だった気がした。
「…だから、だから沢山呪霊がよってきたのか…」
続いてのばらちゃんも
「…だからあんなに怯えてたのね…」
「今までずっと我慢してたのか」
私は次に言われる言葉を待ちながらこくこくと頷いた。
その瞬間ギュッと抱きしめられる。
「今までよく頑張ったわね…」
「!?」
てっきり「隠してたなんて最低!」って言われると思っていたから驚いた。
「気づいてやれなくてごめんな?」
「いつでも私が守ってやるよ。」
「もう、安心しろ」
「シャケ」
「ちゃんとそばにいるから」
気づいたら頬が濡れていて、遠くから悟にいがにっこり笑ってくれていた。
「私、嫌われると思ってた」
「何言ってんの!そんなことで嫌うわけないでしょ!?」
そーだそーだと口々にみんな言う。
そっか、とっくの昔にみんなと心から繋がっていたんだね。
昔からあんたなんか生まれて来なければ良かったのよと言われてきた。
私は醜い自分が嫌いだった。
でも、今は違う。
生きててくれて、生まれてきてくれてありがとう。
そう言ってくれる仲間がいる。
私は今の自分が大好きだ。
私を好きでいてくれる、見守っていてくれるみんなが大好きだ。
まだまだ直したいところはいっぱいある。
だけど、みんなが私を好きでいてくれるのならそれも悪くないって思えるよ。
「「「「「「「るじゅ〜!」」」」」」」
「はーい!」
みんなに呼ばれて今日も私は生きていく。