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『都会の交差点で出会った君へ』 ②
蓮翔は、璃蓮と一緒に近くのコンビニに寄った。 彼女は迷いもなくスイーツコーナーに突っ込んでいき、
「うわ~! どれも美味しそうで選ばれへん! 蓮翔く んはどれが好き?」
「俺?んー… チョコ系かな。ガトーショコラと か。」
「おおー、しぶいチョイス! じゃあ、今日はそれに しよ!」
まるで何年も友達だったみたいな距離感。
人見知りな蓮翔も、なぜか自然と笑って話せてい た。
「なあ璃蓮。さっき、うちの学校の制服やったよ な?」
「うん、そうやで! たぶん学年違うかも? うち1年 やから!」
「俺も1年。見たことないなって思ってたけど…」
「ほんま!? 運命ってやつちゃう!?」
璃蓮がニカッと笑った瞬間、蓮翔の心がふっと跳ね た。
“この子と、もっと話したい。”
そんな気持ちが胸の奥から湧いてくるのを、彼は止 められなかった。
***
次の日、学校の昇降口。 蓮翔が靴を履き替えていると、背後から声がした。
「蓮翔く~ん!」
振り返ると、璃蓮が手を振っていた。 その声に気づいた周りの男子たちがざわつく。
「え、蓮翔と仲いいん…?」「マジで?」「俺、話し かけたこともないのに…」
蓮翔はちょっと照れながら、小さく手を振り返し た。
璃蓮はまるで気づいていない。 自分がどれだけ注目されてるのかも– 蓮翔が、ちょっとだけドキドキしてることも。
「今日も甘いもん買いにいこーや!」
璃蓮の天然な笑顔と、
胸が高鳴るような毎日が、蓮翔の中で少しずつ始ま っていた。
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