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アラスター「――興醒めですね」
そう聞こえたかと思えば、私にのしかかっていた重みがフッと消えた。
瓦礫に巻き付いた触手がそれを持ち上げ、そっと地面に降ろしている。
店主「〇〇ちゃん大丈夫!?助かったよ・・・!」
〇〇「私は大丈夫です、お店に当たらなくて良かった・・・」
じんじんと痛む手で腹部の傷を押さえながら、とりあえず胸を撫で下ろす。
傷を押さえる手に魔力を込めると、とりあえず血が止まる程度には傷を塞いだ。
痛みはまだあるけれど、これであとは自然に治癒していくだろう。
アラスター「とんだお人好しのようですねぇ、貴女は。相手はこの私ですよ?」
アラスター「あぁ、もう身構えなくて結構。戦う気はありません」
そう言って私の横を通り過ぎる彼。
先程までの殺気はすっかり消えており、私も手にしていた武器を納めた。
彼は仕立屋の店主と少し話すと、紙袋をひとつ受け取っている。
店主「〇〇ちゃんの分もできあがってるよ。待たせて悪かったね」
そう言って、私が仕立てをお願いしていたスーツの袋を手渡される。
“私の分も”ということは、彼もまた注文品の仕上がりを待っていたのだろうか。
その最中にこんな戦闘に巻き込んでしまったというのは、いささか申し訳なかった。
〇〇「ありがとうございます。もらっていきますね」
受け取った紙袋を鞄にしまっていると、店主は私の大荷物を見て不安そうに眉を顰めていた。