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「遅いぞ!」
ウェイトルームから雷のような怒声が響いた、私は思わずすくみ上った
中背の短髪の男性が、柚彦君を見て怒鳴った、柚彦君が言う
「試合まであと何分?」
試合?
「ユズ!!」
今度は中年の男性の隣にいた黒人の巨漢の男性が、嬉しそうに彼を抱きしめた、あまりにも強く抱きしめられた彼は、数センチ中に浮いた、にもかかわらず柚彦君はケラケラ笑っている
「やぁ!ブラック!久しぶりだな南米はどうだった? 」
「あんな所みんなビッチの集まりよ一発でのしてやったわ! 」
これほどの巨漢なのにお姉言葉?私は信じられない気持ちで彼らの会話を聞いていた
彼の周りにも、多くの男の人がこのウェイトルームにひしめきあっている
みんな「SBCE」と胸にロゴが入っている着心地の良さそうな黒のTシャツを着ている
そして不思議な事に、みんなが柚彦君を、なんだか憧れのまなざしで見つめているのに気づいた
そしてそんな彼に手を引かれて連れられて来た私も、さっきからいろんな人にジロジロ見つめられている、そしてここには女性は一人もいない完全に場違いだ
「ブラック!ユズ!感動的な再会に水を差したくないが、あと30分で試合だぞ!突然飛び出していきやがってなんだお前は!逃げ出したかと思ったぞ」
「ごめんね ケン兄」
短髪の男性が柚彦君の背中をバンバン叩く、とても痛そうと思ってみていたけど、相変わらず柚彦君はケラケラ笑っている
そうすると彼がいきなりTシャツを脱いで裸になった、私の存在など忘れているかのように、思わず私は回れ右をして部屋の隅っこに移動し、見ていないフリをしながらこっそり彼を盗み見る
それは・・・
信じられなかった・・・
初めて見る彼の上半身は、全身筋肉で出来ていた、まるで理科室にある標本のよう・・・・
私は瞬きもできずにその場に固まった