──────ひなさん視点──────
みんなが住んでいるという家に招待され、久しぶりにみんなとの共同生活が始まった。前までと同じように雑談したり、遊んだり出来ると思うと胸は軽くなり、自然と舞い上がってしまい、ウキウキとした感情になってくる。
…しかし、1人、例外を除いて。
何故か、当たり前のようにめめ村に所属している人間。いい人なのかもしれない。しかし、うわべっつらだけ仲良くなってから本性を表すかもしれない。人間というものは表と裏がある。表向きは善い人でも、裏にすればどうだろうか?人外に復讐を誓ったヤツかもしれないし、快楽殺人鬼の可能性もある。いくら心が読めるれいまりさんがいるからって深層心理が読めるのかは私には知らないし、分からない。それに、れいまりさんは嘘つきだ。あまり信用しては行けない気がする。
(人間をいれるなんてどうかしてる…)
それを認めてしまっているみんなも皆だ。忘れたとは言わせない。この村の人達は人間と何かしらの縁があるのだ。いい意味の人もいれば悪い意味の人もいる。私は知ってしまったのだ。人間の醜さを、愚かさを。侮蔑、堕落、不実、叛逆、背信、横暴、怠惰、報復、傲慢、恐根、憤怒、自棄、強欲、狡猾、不義、利己、嫉妬…数え切れないほどの罪を一種族だけで犯し、それでもなお、争いを求め、下を見下し続ける。一方でそんなやつは1部だ、なんて言うやつもいるだろう。しかしそれは違う、なぜなら1部はいるのだ。そして、この世のルールすら守れないやつもいるのだ。ルールを守っているやつは偉い。…それも違う、それは臆病と正義を履き違えてはいけない。ルールを守るのは当たり前なのだ。なぜもうしき終わっているレールの上だけを走るの?自分の道を歩もうとしないの?私には分からない。
もちろん、人間のあいつが絶対にそんなクズな人間だ、なんて言わない。ただ、重なってしまう。あの表情、普段は冷静そうに真面目そうに振舞ってくるくせに偉い人がいなくなった瞬間に本性を出し始める。そんな光景を数百回、数千回、もしかしたら数万回は見てきてしまっている。それは私の脳に焼き付き、一種のトラウマとかした。トラウマを思い出さないように、自己防衛のために私は人間を避け続けるだろう。結局は私も人間を見下してしまっているし、変われないんだろう、私は。
なんて、最初は楽しい気持ちで考え始めたことが段々と思っていることが暗くなってきてしまった。切り替えよう、そう思い、顔を上げる。
──────目の前のドアがぐにゃりと溶けだしており、中からはわずかだが、声が聞こえた。
「え?」
最初の第一声はあっけらかんな、すっとんきょんな声を口に出す。次に思考を放棄し行動に移す。持ち前の蹴り技でドアを無理やり破壊しようとするが、私の足をも呑み込むような勢いでそのドアは溶け始める。その黒い液体のようなものは見た目の数倍以上は重く、足を抜くだけで精一杯だった。救援を呼ぼうにも多分だが、この部屋内も溶けてきていると思う、つまりは今すぐドアを壊さなければ中にいる人は沈んでしまうということは容易に想像できた。
誰だか知らないが、仕方がない、助けてあげよう。そう思い、すぐに行動を再度開始する。私は翼を広げ、銃を取り出す。銃と言っても弾は光属性で出来ていて、こういう闇には強い。まあ、逆も然りだけど…。今はそんなことはどうでもいい。
最大限その銃に光を込める。キュイィィィィィンとチャージ音が辺りに響き同時に暴風が吹き始める。この音に気づき始めたのが、ドタドタと足音を立ててこちらに向かってくる音がする。
「バァーン☆!」
バコォォォォォンッッジュワァァァァ
私の声と共に、その銃を発砲する。瞬く間に光が辺りを包み込む。誰かが目がーーッッ!!っと叫んでいたけど気にしない。
その銃を至近距離で受けた謎の闇は蒸発したように跡形もなく消える。素早く、その闇の中へと侵入する。そこには意識をほぼ失いかけた人間が闇に呑まれかけていた。
一瞬助けるか迷ったが、助けないと、この銃を無駄に発砲してしまったことになる。理由がなければ絶対にるか兄やめめさん達に怒られるだろう。なんなら今助ければ褒められるに違いない。まあ、仕方なく、人間の腕を掴みあげ、その部屋から脱出する。私達が出終わったあと、その空間は完全に消えてなくなり、ただの壁に戻っていた。
全く…面倒くさい人間だ。なんて思いつつも、あとから駆けつけてきた村長達にどう説明しようかを考えるために人間に関しての思考は放棄された。
──────いえもん視点──────
誰かの話し声が聞こえる。しかし、はっきりとは聞こえない。俺はゆっくりとまぶたを開く。眩しい光が、目覚めを告げるように視界に飛び込んでくる。なれない光も数度瞬きすればだいぶマシになった。
「あ、いえもんさん大丈夫そ?」
「大丈夫でしたか?」
俺の視界に映ったのは、光輪をキラリと輝かせ、天使の羽根を悠々と伸ばしているメテヲさん、その隣には群青色の深海を彷彿とさせる美しい髪をなびかせためめさん達が俺の数十cm程上の高さから見下ろしていた。
めめさんがみんなに知らせてきます、と言って部屋から出ていく。辺りを見回すとこの部屋は大体は白一色で統一されていて辺りに薬品などが置いてあるが、清潔感が保たれていた。
「ここ…は…?」
ここで切ります!今回はひなさんをメインに置いて話を作りました。助けに行くなら誰だろう…と思いまして、で、意外性のある人がいいとするとひなさんが適任のような気がしました!ひなさんならなんだかんだ助けそうだな〜って思いまして!勝手な妄想です、はい、すみません。一応暫くは日常パートにしようと思ってたんですが…これは日常にカウントしていいんですかね…?まあ、作者が言えば日常なんで!(暴論)うん!
てことでおつはる〜
コメント
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ひなさん一応多少の理解と理性はあるようで安心したわ