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それから数日、大森は相変わらず若井に仕事を押し付け、意地悪を繰り返していた。
しかし、その態度に反発しようとする若井は、どこかで自分の心情に矛盾を感じていた。
毎日、意地悪をされながらも、少しずつ――大森のことが気になっていった自分がいた。
「な、なんで……」
自分でもどうしてそう思うのか分からなかった。
心の中で「嫌だ」と叫びながらも、体が勝手に引き寄せられる。
それは、毎日続けてきた無理な仕事が、どこかで彼を求めているような感覚に変わってきたからかもしれない。
その日、また大森が若井のデスクにやってきた。
目を合わせるのが嫌で、視線を落としてしまう若井に、大森はいつものように冷たく微笑んだ。
「また、無駄に頑張ってるな」
「……あ、うるさいですよ」
若井はあえて強い言葉で返してみるが、その言葉の奥には、どこかで大森を求めている自分がいた。
大森の言葉に、ほんの少し期待をしている自分がいることに気づき、若井はますます複雑な気持ちになる。
「うるさい? それはお前が俺の指示通りにやらないからだろ?」
その一言が、若井を驚かせた。
普段は冷徹で厳しい大森が、少しだけ真剣な眼差しを見せたような気がしたからだ。
「……だから、何を言いたいんですか?」
若井は顔を赤くしながらも、大森を無視するように目をそらす。
だが、大森はその動きに気づかないふりをして、さらに近づいてきた。
「俺の言うことを聞け」
その声は低く、冷たく響いた。
そして、急に大森は若井の肩に手を置き、彼の顔をじっと見つめた。
「お前、もっと俺を求めろよ」
その言葉に、若井は一瞬言葉を失った。
求める……? そんなことを、大森に言われるなんて。
それでも、心のどこかで「求めたい」という思いが湧き上がってきた。
「……求める? 私が……」
若井の声は震えていたが、大森はさらにその手を強く握り、顔を近づけてきた。
「俺に従え、そうすれば楽になる」
その言葉を耳にしたとき、若井は今まで感じたことのない感情が胸の中で渦巻くのを感じた。
反発したい、逃げたい。
でも、どこかでその言葉が心地よく感じる自分がいることに、気づいてしまう。
「でも、私は……」
「俺に従うって言えば、全部楽になるんだよ」
その声が、若井をさらに引き寄せた。
そして、そのまま大森は若井の唇を奪う。
最初は力強く、そして徐々に優しくなるそのキスに、若井は完全に自分の意志を失っていた。
「お前が求めているのは、こういうことだろ?」
その一言が、若井の胸に突き刺さる。
依存