テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
お久しぶりです。
冬休み中で時間が余るほどありましたので執筆しました。
少し長めになってしまったため、お時間のある時に見てくださると嬉しいです。
(このアプリに移して「よし投稿!」となった時謎のエラーで最初からやり直しになって泣きそうになりました…)
※n/m/m/nです。苦手な方はご自衛を。
※🐮未婚設定
一つの感情が昂り過ぎて、過剰に溢れ過ぎて、違う感情に成り果てる。
例えば、好意。その気持ちが高まると、愛しい。になり、更に高まると、憎い。になる。
感情の制御が出来なくなるほどのことがあったんだよ。だから、自分でもヤバいって気づいてるけど、どうにも出来ないんだよ。
まさか自分がこうなるとは思っていなかった。人より冷静で居れている自信があったし、真っ当に生きている自覚もあったから。
「なんで、こんなことしてんだよ」
自分に問いかける。掠れた声は直ぐに空気に解けてなくなる。
最初は憧れだった。年齢が上なだけあり周りより大人っぽくて、常に達観していて頼りがいがあって。憧れだったのに、いつしか好意に変わって、頭から離れなくて。
好きなんだよ。それは認めるしかない。
同性愛とか、今は多様性が謳われている時代だから咎められることはないだろうけど。
でも、よりによってその相手が既婚者なんだよ。
愛は足りているの。家庭もあるの。明るくて幸せで、過不足ない日々を送っているの。
それを、俺なんかが壊しちゃいけない。だからこの気持ちは無くさないといけない。
けどそんな簡単なことじゃないんだよ。黒い絵の具は白色になれない。
だからこの気持ちを大事に抱きしめてたら、余計苦しくなるから、救われようがない。
どうしようもなくて、でもどうにかなりたくて、逃げようとした。
別の人からの愛を受け取ることにした。
貴方風情の人。
何度も夜を過ごした。その瞬間は満たされた感覚と、自分が人に求められていることに安心感を覚えていた。
口付けを交わして、名前を呼ぶと気づく。あの人じゃないんだなって。
1度思うとずっと、呪いのように俺の心を沈ませる。愛を貰っても、それが見た目だけで中身がないように感じて、物足りなさが全身に広がりとてつもない孤独に襲われる。
あの人じゃないとダメなんだ。あの人からの愛じゃないと、意味が無いんだ。
分かっているのに他人に縋り付く俺は多分、誰よりも醜い人間だと思う。
起きたくなかった。今日は友人と予定がある。その中にあの人がいる。
まともに話せる自信が無い。勘づかれて気を遣われるのも、距離を置かれるのも嫌だ。
じゃあ行かなければいいと思うけれど、そんなことをするほど俺は子供じゃないから、というか…会いたいから。
我ながら矛盾していて気に食わない。
…いや、この際もう考えすぎるのも良くないし、面倒だ。
うだうだ言わずに行こう。
会ってみると特に恐れていたほど心は焦らなかったし、気持ちも落ち着いていた。
心配しすぎて心を病ませそうになるなんて、今までの経験では初めてで驚いている。
それもそうか。男を好きになること自体初めてなんだから、今までとは何もかもが違う。
夜が本格的に始まる頃、友人達は「これから予定がある」とのことで解散となった。
俺は予定という予定はないが、一人残るのもなんだし帰ろうかと思っていた時、あの人に声をかけられた。
「この後何かある?ないなら飲み直そうよ」
にこりと微笑んで言うこの人に、俺と同じような下心なんてないだろうな。
熱くなる顔。スマホを見るふりして誤魔化しつつ、二つ返事で着いて行った。
「二人で飲むのって何時ぶりだっけね」
「あー…かなり昔の記憶がある笑」
「だよね笑。嬉しいな、こうやってまた飲めて」
「…うん。俺も、嬉しい」
この人はもうお酒が回っているのかもしれない。さっきの店でもだいぶ飲んでたし。
だとしたらそれは本音ってことになるけど、でも、今くらいはいいよね…俺も本音で。
「あのさ、gtさんは…gtさんの初恋って覚えてる?」
「初恋?おっさん達が恋バナすんの?笑」
「まあまあイイじゃん…気になるし」
「気になるか〜?笑」
なんて言いつつも話してくれそうな雰囲気。「教えてよー」とねだってみる。
「じゃあusのも教えてね?」
「え、俺のも?…まあいいけど」
「じゃあ決まりー」
やはり酔っ払っている。好都合だけど。
gtさんはニコニコと楽しそうに話し始めた。
…そういう雰囲気にするために話を振ったんだけど、正直好きな人の初恋事情は、たとえ昔の話であっても楽しくはなかった。
話終わる頃には俺も気持ちが落ちていたのであまり相槌は打っていなくて、それが気になったのだろう。彼は俺の顔を覗き込んだ。
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「んぇ、ちょ…なに?」
思わず後退るが彼は距離を詰めてくる。なんだ、なんなんだ…?
お互い無言のまま見つめ合うこと数秒。彼が口を開いた。
「us眠たい?」
「…え?」
「口数少ないし、まあ俺が喋ってたのもあるけど…なんか元気ないじゃん?」
酔っていても案外周りを見ている人のようで、ズバズバと指摘され図星を隠せない。
「あ、ああ…うん、俺から話振っといてアレだけど、眠くなってきて…」
貴方の初恋事情に嫉妬した。なんて言えるはずなく、勘違いを利用した。
「そっかあ。じゃあもう解散にする?」
彼の提案に心臓がチクリと痛んだ。
でも向こうはなんとも思ってないんだろうな。寂しいのは俺だけなんだろうな…
「…俺としてはまだ、帰りたくないけど…」
つい我儘を言ってしまった。でも本心だ。全く眠くないし元気だからまだ一緒に居たい。
「うーん。usが大丈夫ならいいんだけどさ」
「じゃあさっきの約束。usの初恋も教えてー」
切り替えの早い人だなと思いつつ、そういえばそんな約束もしてたなと思い出す。
「そうだったね。えっと…」
俺の初恋って誰だっけ…
今貴方に夢中だから、過去の人間なんて覚えてないや…
「…これありかわかんないけど」
「うん」
「…覚えてないですね」
「ええーっ!」
それはずるいよーと楽しそうに笑う彼が可愛く見える。ああもう、こんなに好きなんだな。
「じゃあ今好きな人は?」
「い、今好きな人…?」
「うん。us結婚まだでしょ?いないの?いい感じの人」
「あぁ…いや、えっと…」
まずい、お酒のせいか頭が回らない。うまい誤魔化し方が出てこない。
「いるんでしょ?」
ぐいっと体を近づけて楽しげに問い詰めてくる。体が熱い。目が回りそうだ。
「い、るけど…」
「やっぱり!俺の知ってる人?」
「まって…恥ずかしい、から…」
なんとかして誤魔化さないと。この場を切り抜けないと…
「照れなくていいよー。別にからかわないからさ」
そうだろうね。俺が本当を言ってしまえば、絶対にからかうことなんてできないもんね…
「それともあれ?言ったらまずい感じの人?」
「…うん。そう。だから、内緒…」
よかった。誤魔化せた…
そこで冗談でも「俺?」なんて言ってくれたら、少しは楽になれたのに。
…別にgtさんは悪くないよ。俺の勝手な気持ちだもん。
「あ、分かった」
突然彼が口を開いた。
「俺とか?」
心臓が一瞬だけ止まった気がする。
なんの悪意も計算もない純粋な笑顔。
まさか俺の心を読んだ?いくらgtさんでもそんなこと…
途端に激しくなる鼓動が怖かった。
なんて返せばいい?早く反応しないと、気まずくなる。でも言葉が出ない。迷っている。
「そうだよ」
と言ってしまいたい。
けど言ったら今まで隠し通してきたことが無駄になる。
…だから。
「…あはは。何言ってんのgtさん。いくらなんでも酔いすぎたよ」
「酔ってないよー」
「それ酔ってる人のセリフだから笑」
…これが正解だよな?
「まあそうだよねー。usにはもっといい人がいるよ」
「ありがと笑」
…もっといい人ね。
否定とか、拒絶しないで「もし俺がgtさんのことを好きだとしても」受け入れてくれてることが苦しいんだよ。
「飲み直すとか言って、だいぶ飲んだね」
「us付き合ってくれてありがとー」
「いいよ笑」
冬の寒さが体に堪える。東京はまだ暖かい方らしいけど、生まれも育ちも東京の俺からしたら耐えられない。
「タクシー呼ぶね」
「ああ、ありがとう」
この人は酔っているのかいないのか分かりづらい。さっきまで酔っ払いムーブしてたのに、こういうスマートなところはちゃんとあるんだから。
…多分そんなところも好きなんだよ。
「俺はこの近くのホテル泊まるからさ、us気をつけて帰ってね」
そう言って立ち去ろうとする彼を、俺は咄嗟に呼び止めてしまった。
まだ居たいとか、そんなこと言うつもりは無い。
「…またね、gtさん」
「うん。またね」
にこりと微笑むその姿は、本当に好きだと思った。
背中を向けないでほしい。「やっぱりまだ飲もうか」とか言って、二人で夜を過ごそうよ。
叶うはずもない小さな望み。吐いた息は白く染まった。
遠ざかりかけた時、「あ、そうだ」と言って彼は駆け寄ると、俺の耳元に囁いた。
「俺、実は全く酔ってないからね」
それじゃあ、と告げ彼は行ってしまった。
俺はしばらく動けなかった。
全く酔っていないということは、俺が「酔っていると思っていた言動」は全て彼が意図して行なったことになる。
俺の好きな人に対して彼が「俺とか?」と言ったのも、彼が意図して発言したこと。
…なんで今、教えるんだか。
せめて諦めさせてくれればいいのに。
狡い人。
少し切なくなってしまった…
gtusはいつもそう…
次こそは甘く…!!
これからfjkyも執筆する予定です。
まだ内容決まってないから、皆さんの目に届くのがいつになるか分かりませんが…
やる気があるうちにマッハで取り掛かろうと思います…🔥
コメント
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コメント失礼します。主様のノベルは本当に語彙力があって心動かされる小説で何度も読み返してしまいます この切なさがたまらない…
最 & 高の高ですよこれ 切ないけどいい…地雷ないからタヒネタとか全部見れる これが地雷無しの強み