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テオside
ミアレシティに旅行をして来て数年。
この街に来てから色んな事件に巻き込まれ忙しく過ごした。
そんな中セイカという女の子がMZ団に入団してきたらしい。
その子も旅行者らしく、来た時にはポケモンすら持っていなかったらしい。
女の子は本当に初めてポケモン勝負してるのかと思うくらい強くて逞しくて…、気付けばミアレの英雄となっていた。
俺は暇さえあれば街を歩きカフェで一息着くのが日課になっていた。
そんなある日
カラスバ「よォ、日々の巡回お疲れさん。」
俺の目の前にドカッと座りながら、俺もこいつと同じの頼んます、と相席をするのはサビ組のカラスバだ。
テオ『組長がこんな所で休んでていいのか?』
カラスバ「ええの、丁度休憩がてらコーヒー飲みたかったねん。それに、お前最近俺らんとこ来ぉへんくなったしなぁ?」
テオ『俺だって忙しいんだ、コレでも他地方のチャンピオン泣かしてるわけだ、連絡取り合ったりしてんの。』
カラスバ「人気者は大変やねぇ〜。」
そう、俺はコイツ。カラスバに片想いしている。
キッカケなんて無い、ただ、ひたすら前を向き組を引っ張り、街を守っているのに悪役を背負ってるコイツに……。
でも、カラスバはセイカの事を欲している、前に
カラスバ「セイカっちゅうごっつ強い女おんねん、良いよなぁ、欲しいわァ。」
と俺に話してきたから、だから事務所にも行かなくなったし、会いたくもなかった。
カラスバ「……で、忙しいっちゅうのは嘘やろ?俺は毎日見とんで?」
テオ『え?ストーカー?止めてもらっていい?』
カラスバ「ストーカーちゃうわ。気になる相手の事見たいやろ、聞きたいし、相手がどんな奴か知りたいやん、それに俺に会わんのも気に食わん。」
何だよそれ、お前が気になってんのはあの子だろ……。
俺の心は既にグチャグチャで、今すぐにでもぶちまけたい……が、こんな嫉妬する大人は醜くて嫌になる。
テオ『そーかいそーかい、そりゃスマンな。』
ヘラっと笑顔を作る、それが俺の精一杯やれる事。
カラスバはそんな俺の顔をジーッと見ながら溜息を吐き
カラスバ「まぁ、お互い忙しいのは知っとる。少しでもお前との時間取りたかってん、堪忍な、また連絡するさかい。」
カラスバはそのまま飲みかけのコーヒーを置いて帰ってしまった。
期待、なんてしない。
俺は男でセイカは女の子、どっちと付き合うかって聞かれたらそりゃ女の子でしょ。
だからこそ……淡い期待は止めた。
最後に、もし……、もし会えたら渡そうとある店に出向いた。
数日後
ミレアシティの駅内
俺はベンチに座り電車を待っていた。
因みにカラスバが入れていたアプリは数日前に消した。
バレても……まぁ、何とかなるだろうけど。
この街に来て色んな事があったがどれも忘れられない思い出になった……。
[間もなく電車が来ます、黄色い線までお下がりください。]
楽しかったよ、ミレアシティ……。そして、初恋の人…さようなら。
「どこ行く気や。」
バッと後ろを見ると汗をかき息を切らしながら立っていた最愛の人。
テオ『…どこって…旅行だよ、もうここではやる事ないから。』
カラスバ「やからって勝手に消えるのはちゃうやろッ!お前俺ん事好きやろ。」
テオ『……ははっ、何言ってんの?男の事好きになるわけないじゃん。』
あぁ、こうやってまた嘘のように言葉が出る。
カラスバ「知ってんで、お前が俺に対して好意持ってんの、なぁ、何で言ってくれへんの?」
あーあ、ヤダヤダ。
これ以上掻き乱すなよッ!!
俺はカラスバに早足で近付き持っていた花を渡して。
テオ『…、ロズレイド、ねむりごな。』
カラスバ「ッおい!!」
粉を被ったカラスバはそのまま駅のホームで眠った。
俺はベンチにカラスバを寝かせ、羽織ってた服を毛布替わりにしてからジプソさんに連絡を入れ……ミアレシティを立った。
カラスバside
目が覚めるとサビ組の事務所で隣には心配しているジプソが居た。
カラスバ「おい、テオはどこ行ってん!?」
ジプソ「すみません、私が来た時には既に居なくて……。」
頭が真っ白になった……何で俺の元から消えた?
ふと左手には強く握ってたせいか少ししおらしくなった黒いコスモス。
ははっ、勝手に終わらせてんなよ、地獄の果まで追い掛けんで、逃げんなよ……絶対逃がさん。
黒いコスモスの花言葉
チョコレートコスモス
「恋の終わり」
「移り変わらぬ気持ち」
「恋の思い出」