夜伽の後、俺は帝と共に湯殿へと向かった。彼は優雅な手つきで湯船に浸かり、続いて俺もその隣へと静かに身を沈めた。湯気と共に漂う香しい花弁が、二人の肌を優しく撫でる。静寂の中、湯の温かさが日中の疲れをゆっくりと溶かしていく。
ふと、俺が湯船の縁に手をかけ、立ち上がろうとしたその時、足元が濡れた大理石の上で滑る。
「あっ…」
短い声が漏れ、体勢を崩した俺は、近くにいた彼の方へと倒れそうになった。帝は咄嗟に腕を伸ばし、俺の体を支える。しかし、その反動で二人の顔が近づき、意図せず唇が軽く触れ合った。
一瞬の出来事に、二人の間に微かな動揺が走る。俺は顔を赤らめ、すぐに謝罪の言葉を口にした。
「申し訳ございません、沐宇様…床が滑りやすくてっ…//」
彼は穏やかな表情で、俺の肩に手を置き、大丈夫かと問いかけた。俺は頷き、再び湯船の縁に捕まって体を起こした。短いハプニングであったが、二人の間の空気は、ほんの少しだけ変わったように感じられた。
沐宇様は、俺が湯殿から上がると、自ら俺の体を拭いてくれた。
「…大丈夫ですっ/私、自分でできますから…//」
俺は戸惑いながらも、彼の優しさに甘えてしまう。
「いいのです。…貴方は、私にとって、大切な存在ですから」
そう言って、彼は俺の背中を優しく撫でる。その手つきは、俺を慈しむようで、俺の心は温かくなっていく。
そして、彼は俺の顔をゆっくりと持ち上げ、そっと口付けを落とす。今度は、夜伽の作法ではなく、心からの愛情がこもった口付けだった。
「…貴方のことを、愛しています」
「っ…/」
彼の言葉に、俺は涙を流す。男であることを知っていても、俺を愛してくれる。彼の深い愛情に、俺は心を奪われていく。
彼の温かい体温と、優しい匂いに包まれ、俺は幸せに満たされていた。
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コメント
4件
mf君のスパダリが最高過ぎます! 神ですね!! これからも頑張ってください! 応援してます!!
おそらく愛情不足だったdnさんの心が、真っ直ぐに愛を伝えてくれるmfくんのおかげで、少しずつ解れていく感じがすごく素敵です!
だからてぇてぇがすぎるんですよ😭 mfくんここでもスパダリ発揮しててえらい!(?)