翌朝、目覚めると、隣には沐宇様がいた。すやすやと眠る彼の寝顔は、帝としての威厳とはかけ離れた、無防備なものだった。俺は思わず、その顔にそっと手を伸ばす。
「…ん…」
沐宇様は、俺の手に気づき、ゆっくりと目を開ける。
「…おはようございます、…dnqさん」
そう言って、彼は優しく微笑む。
「おはよう、ございます…//」
は、初めて名前を読んでくれたっ…//
俺は顔を赤らめ、目を逸らす。そして昨日までの出来事が、夢ではなかったのだと実感し、恥ずかしさでいっぱいになった。
「…顔を隠さなくてもいいですよ、貴方はとても美しいし可愛らしいのですから。」
彼はそう言って、俺の顔をそっと持ち上げる。そして、俺に、もう一度口付けを。
「…っ//」
俺は再び顔を赤らめる。
「…今日は、他の妃のところへ通わなくてはならず…夜遅くはなりますが帰ってきます。」
「む、無理はなさらないでくださいね…!」
「ありがとうございます。」
本当は、誰のところにもいかないで、俺のところにずっといてくれればいいのに。
「…一緒にいてあげられなくてごめんなさい。明日は必ず。」
まるで俺の心を読んでいるように彼はそう言って、俺の髪を優しく撫でた。
「…はい…」
俺は小さく頷く。彼の言葉は、俺の心を温かく満たしてくれた。
夕餉を取り、読書にふけっていたところ。急に感情が込み上げた。
いつもなら沐宇様が隣にいてくれるのに。
「…っ」
当たり前を変えてくれた彼。毎日会いに来てくれては可愛がって、大切にしてくれて。今日だってもう少し待てば来てくれるのに。
寂しい…な。
侍女が下がり、静かになった宮で俺は声を堪えて泣いた。
あれからどれだけ時間が経ったのだろう。安心する温かみを感じて目を開けると、俺を優しく抱いて、髪を愛おしそうに撫でる沐宇様。
「っ沐宇様…!」
「お待たせしてしまってごめんなさい。…一人は寂しかったですよね。」
「…凄く。沐宇様がッ、いつもいてくれるのッで…」
図星を突かれ、涙が溢れる。背中を優しくさすってくれる。余計に涙の勢いが増した。
「そうですよね、ごめんなさい。…実は言うと私も会いたかったです。」
「…沐宇様もッ?」
「っ、はい…その、夜伽もdnqさんじゃないと嫌と思ってしまうくらい…で」
「…//」
「もし、負担でなければ…やりませんか?/」
「っ…!もちろん//」
合意と同時にそっと口付けを落としてくれる帝。そっと目を閉じて、その瞬間を噛みしめるように。
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コメント
9件
dnちゃんがmf君不足になってるの可愛い! mf君dnちゃんのそばにずっといてあげて! 後宮のストーリー最高過ぎます!! これからも頑張ってください!
こういう帝&妃ものってものすごく難しいのに 繊細ですぐに壊れちゃいそうな人間関係を上手く 表現してるのがほんとすごい!dnちゃんしか、 愛したくなくても自分しか見てほしくなくても そうはいかないっていうのがお互い分かった上 での共依存、最高です!
まさかの共依存?! え、もうdnちゃん一筋になりません???