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恵
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朝の通学路。
車が走り、コンビニの自動ドアが開き、駅へ向かう人々が足早に歩いている。
電柱の上では、数羽のカラスがゴミ袋をつついていた。
誰も気に留めない。
一人の男性がカラスを追い払うように手を振る。
カラスは少し飛び退くものの、男性が離れるとすぐに戻ってくる。
ありふれた光景だった。
大学へ向かう青年も、その光景を見ていた。
彼はオカルト研究会に所属する、ごく普通の大学生だった。
幽霊や都市伝説、未解決事件の話が好きで、ネット上の奇妙な噂を見つけては仲間と話す。
特別な能力も、優れた推理力もない。
ただ、人が見過ごすようなものを、少しだけ気にする性格だった。
その朝、彼は歩きながら空を見上げた。
電線に並ぶカラス。
ゴミ置き場に集まるカラス。
街路樹の枝に止まるカラス。
「……なんか、カラス多くない?」
独り言だった。
そのときは、それ以上考えなかった。
彼はスマートフォンを取り出し、SNSに短く投稿した。
最近カラス多くない?
数件の反応がついた。
「いつもだろ」
「ゴミの日だからじゃね?」
青年も、そうかもしれないと思った。
このときはまだ、誰も知らなかった。
その何気ない投稿が、後に彼自身の人生を大きく変えることになるとは。
コメント
1件
読ませてもらいました〜!🐦⬛✨ いきなりカラスの描写から始まって、妙にリアルでゾワッとしました…。「なんかカラス多くない?」っていう何気ない独り言が、静かに不穏でめちゃくちゃ好きです。何気ないSNS投稿が人生を変える伏線も気になりすぎます!!続きが待ちきれない…!次の話も楽しみにしてますね🌸