コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
◆朝ごはん中——“あーん”の嵐と囲まれご飯◆
「はい、◯◯ちゃん、あーん♡」
「いやいや、まずは俺があーんでしょ」
「落ち着けって。俺が作ったスクランブルエッグ、食わせてから言え」
朝の食卓。私を囲んで、3人の男子がそれぞれスプーンとフォークを構えてる。
左から涼架くん、右に滉斗くん、そして正面に元貴くん。
私は……完全にお箸を持つタイミングを失っていた。
「はい、目をつぶって?これは特別。俺の一番得意なやつ」
涼架くんがにこにこしながらスプーンを差し出してくる。
「あーん……してくれないと、さみしいかも」
上目遣い、反則。
「その顔ずるすぎ……」
滉斗くんが嫉妬で眉をひそめる。
「おい、交代な」
滉斗くんがさっと割り込んで、自分の手に持ち替える。
「俺の焼いたベーコンのほうが好きだったろ?な? あーんして」
そして正面の元貴くんも、落ち着いた声で一言。
「◯◯が食べないなら、俺が食べさせる」
「噛むのも忘れそうなくらい甘いやつ、あげる」
「いやほんと、もう食べるから!一回落ち着いて!?!?」
必死にフォークを手に取る私を、3人が揃って見つめる。
「はい、◯◯がフォークを持ちました〜!でも俺たちの”あーん”も食べてね?」 「ひと口ずつ交代で♡」 「口元についたら、……俺が拭く」
「えっちょ、だから、それはもう自分で拭けるってば……!!」
結局、3人に囲まれて”あーん地獄”――いや、極楽
―― の朝ごはんが続いた。
◆その後――着替えで甘やかされすぎる◆
「◯◯、今日どんな服着る?」
涼架くんが私のクローゼットを開けながら、振り返ってニコッとする。
「俺的には、これとか可愛いと思うんだけどな〜♡」
ひらっとしたワンピース。完全に甘系。
「おい、それじゃスースーすんだろ」
滉斗くんがそれを取り上げて、代わりにパーカーとショートパンツを出してくる。
「朝は冷えるし、こっちがいい。俺の貸してやるから」
「ちょっと、それ俺のパーカーじゃん……!」
元貴くんが眉をひそめて近づいてくる。
「だったら、俺のシャツを着れば?」
さらっとボタンシャツを私の肩に羽織らせる。
「……サイズ感、好きなんでしょ?」
「いや、なにこれ!?ファッションショー!?私の服じゃないじゃん!!」
混乱する私をよそに、3人が勝手に“今日のコーデ”を決めていく。
「じゃあ、インナーはこれで、上にこのカーディガン」 「ヘアアレンジは俺がやるね〜」 「バッグも持ってあげる。ってか、全部コーディネートしてやる」
極めつけは涼架くん。
「……着替えるの、手伝おっか?」
「いらない!!!」
(心臓が持たない!!!)
完成したコーデはというと——
・ゆるニット×スカート(涼架くん選)
・オーバーサイズシャツ(元貴くん私物)
・くすみカラーのスニーカー(滉斗くんが靴紐結んでくれた)
三人が完全に納得するまで「これは俺の好み」「俺はこれ推し」と服を選んで、最終的にはトリプル監修コーデに。
「今日の◯◯、世界一可愛い」
「ねぇ、鏡見るより、俺らの顔見てよ」
「可愛すぎて、出かけさせたくない」
出発の時間になっても、3人は私から離れようとしなかった。