テラーノベル
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「やっぱり凄い人だね」
「そうだな。あっちでソーセージ売ってるぞ」
「でも長い行列だよ?」
「先に雑貨でも見てみるか」
「うん。いっぱいお店出てるしね」
クリスマス当日
本当はクリスマス前に来る予定だった
でも互いの都合が付かず、結局当日になってしまった
段々と暗くなるクリスマスマーケット会場では、飾られたツリーの電飾が煌びやかに輝いている
「ねぇ見て!ロウ君」
返事が返ってこない
慌てて辺りを見渡す
やっぱり居ない
どこに行ったんだろう
早足で店の合間を確認する
スマホで連絡取ろう
立ち止まりズボンのポケットからスマホを取り出す
その時目の前の並んでいる列の光景に目が止まった
カップルで並んでいた男性から財布を抜き取る男
私は勝手に足が動いていた
その男を追い、腕を掴んだ
真深に帽子を被り、髭を蓄えている
コイツ‥‥
「‥‥返しなよ」
「っ離せ!‥‥ってお前ミラン?なんだよ焦らせるなよ」
「返せって、それ」
「うるせーな、そんなに金欲しいならくれてやるよ」
財布を抜き取った男
その人は私の昔の悪いことをしていた仲間だった
そして手に持った財布をポンと私に投げつけてきた
「お前さ、本当に白市民になったん?」
「そうだよ。仕事もしてる」
「そんな生活が嫌で俺らとつるんでたんじゃねーのかよ。あ、そう言えば俺達めっちゃオモロい事始めようと思ってんだよな。お前も戻ってくれば?」
「面白い事?何ですか?」
「仲間じゃねーと教えねーよ。やっぱ興味あるんだ」
「いいえ、私は行きません」
「ふーん‥‥ま、気が変わったら連絡しろよ。番号変わってねーから。お前にこっちの世界は合わないよ」
男が立ち去ると私は財布の持ち主に財布を返しに行った
そしてロウ君を探しにその先へ歩き出そうとする
「‥‥ミラン?」
「あ、ロウ君!」
「お前どこに行ってんだよ」
「ごめんなさい。ちょっと雑貨屋さんで見入ってしまって」
「ホットチョコとアップルパイ買ってきたけど、そこの席で食べようぜ」
「‥‥そうですね」
その後も雑貨屋でオーナメントなどを買い、まだ賑わうマーケットから帰宅した
帰宅後すぐに冷えた体を風呂で温めた
風呂から出ると買ってきたばかりのオーナメントの飾り付けをロウ君がし始める所だった
「ほら、ミランも手伝えよ」
「うん、分かった」
オーナメントは金、銀、水色と青
ツリーの先に糸を掛け、次々と飾り付けしていく
そして最後に電飾の灯りを付ける
「綺麗だな」
「‥‥そうですね」
「‥‥どうした?」
「何がですか?」
「髪も乾かさないで上がってくるし‥‥ちょっとこっち来い」
ドライヤーをコンセントに繋ぎ、ロウ君がソファーに座る
そしてその前に座れと促された
ロウ君の前にちょこんと座るとドライヤーの電源が入り、髪の毛を乾かしてくれる
「何かあったのか?」
「何もないですよ」
「俺には言えない?ならいいけど」
「‥‥‥‥」
乾いた髪の毛を櫛で梳かしてくれた
昔からロウ君に髪の毛を触られるのが大好きだ
「ねぇロウ君」
「ん?」
「私って‥‥白市民だとおかしい?」
なんと答えて欲しくて私はこんな質問したんだろう
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