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続き
翌朝リ「ヴィル~朝だよ~」
ヴ「んぅ~。」
目をこすりながらリクの声がする方へと顔を上げた
ヴ「おはようぅ~リク~」
リ「おはようヴィル。フハッよだれでてるよ」
ヴ「お菓子の夢見てたぁ」
リ「そっかおいしかったかい?」
ヴ「うん!」
リ「それはよかった」
たわいもない話をしていると、
ギィィ
重い鉄の扉が開く音がし、そちらに視線を向ける。
科「おはよう、被検体1、被検体2よく眠れたかい?」
リ&ヴ「「…」」
科「おや無視かい?まぁいい、今日は検査だけだ。」そう言い双子に手を伸ばす
パシッ
手を振り払い
ヴ「嫌だ!リクと離れたくない!!」
ギュッと抱きついた。
科「…。あまり乱暴はしたくないんだ。早くしてくれるかい?」
リ「!…ヴァル、今日は検査だけだって、ね?僕は大丈夫だから。」
科「被検体1は話が分かっていていいな。そういうことだ、被検体2。お前達も早く連れて行け。」
モ「はい」
リ「ちょっと待って。僕のヴァルに乱暴しないでね」
科「…被検体2の行動次第だな。まぁ貴重な被検体をこちらも手放したくはない。いいだろう。」
リ「よし、てことだからヴァル大丈夫、終わったらすぐに会える。」
ヴ「本当?本当に?」
リ「あぁ、本当さ。だって大人は嘘をつかないんだから」チラッ
科「…ハァ〜えぇ、嘘はつかない。少し体を調べるだけさ」
手を伸ばす
ヴ「…。」
ヴァルは大人しく他の科学者により別の部屋に連れて行かれ、同様にリクも別室へと運ばれる。色々と検査をし終えるとさっきの科学者が話しかけてくる。
科学者とリクしかいない空間。
科「頭の良い被検体1にだけ教えてやろう。我々が君たちを使って行っている実験を。」と笑って話しかける。
リ「…。」
科「痛覚リンクってわかるかい?」
リ「…痛覚を共有すること」
科「流石!!あの両親から生まれただけはある。」
クックックッと笑いリクを見る。
科「今君たちで行ってる実験、痛覚リンクはいわば失った体の1部を持ってる奴とリンクさせることで失っていてその空間にはないものの足があるようになるのかと言う実験さ。わかりやすく言うと一心同体。」
リ(つまりは俺とヴァルの体を1つにするつもりなのか…)
科「ちなみに今は腕と足を試している状態。第一段階の目は失敗してしまったがね。」
リ「!?」バッ!と科学者の方に顔を向ける。
科「あぁ、そうさ!君の弟のあの目。うまくいくと思ったんだがな〜、被検体2は君と違って運動神経が高い。だからかなり手間取ってしまってね。片目だけにしようとしたんだが暴れてね、両目になってしまった。あぁ!君が言っていた「ヴァルに乱暴しない」の前だから仕方がないよね。」
リ「…」
怒りを込めた目を向ける
科「おっと、話しすぎてしまったね。被検体1…数値には問題ないようだ。戻っていいぞ。」
無言で立ち去ろうとしたとき、
科「くれぐれも君の弟に言うんじゃないぞ。その賢い頭を使っていればわかるだろうがな。」
リ「!…チッ」
舌打ちをし、ヴァルが待っているであろう部屋に向かう。
部屋に近づくにつれヴァルの声が響く。
ヴ「リク!ねぇ!リクはどこ?!」
ガンッ!ガンッ!
扉を乱暴に叩く
無いはずの腕に痛みが走る。
リ(ッ!これが痛覚リンクか)
そう理解しヴァルをなだめてる科学者達を押しのけ、ヴァルに近づく。
リ「!ヴァルッ!」
声を上げると動きを止めぱっ!と明るい笑顔を見せ腕を伸ばす。
ヴ「リク!やっと来た!」
リ「うん、遅くなってごめんね」
こちらも笑顔で返し抱きやすいようにしゃがんだ。
ギューッと強く抱きしめあった。
リクは科学者たちに(もういいよ)と鋭い視線を送った。科学者達は渋々後へ下がりそそくさと戻っていった。
やっと2人きりの空間になったリクは再度ヴァルを足で抱きしめる。
リ「ひどいことされなかった?」
ヴ 「大丈夫だったよ。ただ、足がなくて動けないからって抱きあげられたんだよ!僕に触れていいのも抱っこしていいのもリクだけなのに…」
とふてくされた。
リ「ふふふ!だと思った。だからほら!消毒として」
ギューッとまた強く抱きしめた。
ヴ「リクも!消毒~!」
抱きしめ返した。
キャッキャッとじゃれつき始めた。