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テラーノベルの小説コンテスト 第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで
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俺が覚えた結界魔法はシロと何度も発動することによりレベルを2まで上げることができた。


そして、箱型結界 (はこがた) を空中に展開することができるようになったのだ。


そこにあると強くイメージすることで実現できるようである。


ただ、動かすことは今のところできないようだ。


それから、作り出した結界は自然に消えたりはしない。


正確にはMPが無くなれば結界も消失するのであるが。


なので多重に作り出す際はどの結界を維持し、どの結界を消すのか明確に意識していないと、どんどんMPが減ってしまうのだ。


これからもいろいろと修練を重ねていかなくてはな。


小腹がすいたので干し肉をかじりながら街道を歩いていく。


シロは俺の3歩先を軽やかに歩いている。


夕方頃マギ村に到着した。


まずは八百屋のタミねーさんに会いにいく。


「こんにちはー!」


「はーい、いらっしゃい。おや、あんた町に行ったんじゃなかったのかい?」


「そうです。今はモンソロの町で冒険者をやっています。今回は依頼で隣村まで来ましたので」


「そーかい、そりゃまた律儀なことで。まぁせっかく来たんだ、安くしとくからたんと買っていきなっ!」


相変わらずのきっぷの良さだ。






野菜と果物を大量に買い込んだあと、俺はそのままガンツ工房までやってきた。


「おーい! ガンツ居るかー」


「おお、なんだぁ? ゲンじゃねーか、押し売りが来たのかと思ったぞ」


タミねーさんのところで買わされた野菜やくだものを両手いっぱい抱えていたのだ。


それにしたって、押し売りとはごあいさつである。


「いや、それがタミねーさんのところに寄ったら安くしとくからって、あれもこれも……」


「がはははははっ! そうか、そうか、タミさんのところへ行ったのじゃな。さもありなんじゃ」


そう言って豪快に笑われてしまった。


ついでとばかりに剣を見てもらうが、こちらは『まだ問題なし』と返された。


そこで俺は剣を受け取りつつ、


「今日はこの村に泊るから一緒に飲まないか?」


と徐に聞いてみた。


「朝までになるぞ」


そう一言。ガンツはニヤリと笑うのだった。


………………


まずは村の食堂で飯を食いながら呑む。呑む。


続いては飲み屋に移り、バカ話をしながら店が閉まるまで呑む。呑む。


店がはねてからはガンツの家にてじっくりと呑み明かした。


まぁ、途中途中でシロに回復かけてもらいながら呑みあかした。


ガンツは喋ることも好きなようで、それはいろんな話しを聞かせてくれた。


まぁ、自慢話も結構多かったのだが。


いやぁ楽しかったぁー。


少し寝たあと昼前には起きだした俺たちは、『またな!』とお互いに手をあげて別れた。


それにしても、ドワーフ飲みっぷりはやはり凄かった。


まさに蟒蛇だよな。


そして、俺たちはまだ日が高いうちにモンソロの門をくぐった。


冒険者ギルドにて依頼完了の報告と報酬を受け取り、そのまま家路についた。









なんのかんので、あれから30日が過ぎた。


マジックバッグもナナの魔道具屋でしっかり受け取った。


その折にだが、前から探していたマジックベルトが王都にあることが分かった。


マジックベルトは魔力を流すと長さの調整ができるのだ。


ただし、ベルトの幅は変わらないので微妙ではあるが、脱着の手間がはぶける分これで良しとしておこう。


こちらは受注生産になるということだ。


価格は1本30,000バースから。


ベルトの材質のほか、長さ・太さ・色を決め金貨を3枚を前金で渡して注文を入れてもらった。


納入までは40日~50日かかるそうなので、こちらもゆっくり待つことにした。


そして、今日も元気に冒険者ギルドへ顔をだす。


以前のように毎日とはいかないがアーツの指導もたまに受けている。


最近では剣の指導が半分、組み打ち (格闘術) が半分といった構成でやってもらっている。


そのおかげか剣術レベルが3に上がり、新しく格闘術のスキルも覚えることができた。


まぁ、訓練でぶっ倒れることは少なくなったが、未だに追いつける気がしない。


アーツ (龍人族) 恐るべし。


本当に半端ないから。






つづいて魔法の方なのだが、魔力操作のレベルが7にあがった。


変化としては何といっても魔力効率が格段に良くなったのだ。


MPの消費が激しかった『トラベル!』や『感覚共有』は、かなり使いやすくなったといえる。


結界魔法のレベルが3に上がってからは足場になる直方体なら5個まで同時展開できるようになった。


風魔法のエアハンマーも習得まであと少しのところまできている。


あとは女神さまが言っていた『瞬間移動』。


これについては、まだ見当もつかない状態だ。


その他でいえば、パラライズ (麻痺) なんかがあると便利そうだけど。


あと、空を自由に飛んでみたい。


タケコプターはないので、重力魔法などがあるといけそうなんだが。


教会? ……まったく行けてない。


ていうか、もう逆に行くのが怖いまである。


それから例の村をまわっていく行商なのだが、8日後に出発することが決まっている。


こちらは、あらかじめ予定を開けておくようにと言うことだ。






なんでも、冒険者ギルドに護衛依頼として出してくれるというのだ。


お世話になっているし報酬は要らないと断っていたのだが、


「ゲンちゃ~ん、それはそれ これはこれよ~。それに荷物もお願いしちゃうから~」


と、カイアさん。その辺はちゃんとするらしい。


マジックバッグを購入したことは伝えている。


行商のあいだは共に行動するのだし、おおいに活用してほしいところだ。


普段は使ってないしな……。


また、みんなとまわっていく行商の旅は楽しみでもあるんだ。


一緒にいる時間が長いので、町のことや商売のことなどいろんな話が聞けるからね。


お金の方は……、ぜんぜん貯まってない。


冒険者活動は雨の日以外はほとんど毎日やっている。報酬もそれなりにあるんだけど。


やっぱり、ほら、何と申しましょうか……。


バインバインのボヨヨ~ンでして……。 (てへっ)


ホントたま~になんです。ごめんなさい!


そ、その内がんばって貯めようとは思っているのでふ。


――お金大事、すごーく大事!






話が横道に逸れてしまったが……。


今日は何か依頼を受けようと、シロを連れて冒険者ギルドに来ている。


そして依頼ボードを見ていた時である。


ちょうど今しがた貼りだされたC級の依頼に目が止まった。


俺はD級の冒険者であるが1ランク上の依頼までは受けられるのだ。


依頼票をはがし取って受付カウンターへ持っていく。


今回受けた依頼は『オーガ1体の討伐』である。


場所はモンソロより東にでて、街道を進んだ奥の国境付近になる。


東の街道は国境付近にて止っており、その先には道らしい道はなく丘陵地帯が続いている。


そして、そのあたりは猪や鹿といった獣がよく狩れるため、ハンターにとっては人気のスポットになっているということだ。


ただ、ハンターといえども武器は弓もしくは鉈である。


オークやオーガなどの魔獣が出没すれば全く歯が立たず逃げるほかないのである。


今回のオーガ (魔獣) に関する情報もここで狩りをするハンターから寄せられたものなのだ。

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