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もうどうでもいい。
今日もこうして来たくもない場所に来て、やりたくない作業をする。
早くttが待つ家に帰りたい。
ttと作ったこのグループ。
はじめはすごく楽しかった。
メンバーひとりひとり、本当に良い人達でいつも笑顔が絶えなかった。
全員で同じ目標を持ち、全員で苦しみを共有し、全員で乗り越えた。
俺の誇りだった。
グループが大きくになるにつれ、リーダーである俺は外部とのやりとりが中心になった。
ttは他のメンバーとの作業が主になり、俺と同じ仕事をする、という時間が減ってしまった。
寂しさが募っていく日々の中で俺を追い詰めるように届いていたのが、誹謗中傷の言葉達だった。
姿形がわからない誰かからの悪意に、心が削れていくのを感じた。
逃げるようにシェアハウスを飛び出し一人暮らしを始めてみたけど、広い広いこの部屋は俺の孤独と恐怖を浮き彫りにしただけだった。
そんな時、ttは俺にまっすぐ優しく寄り添ってくれた。
本当に心強かった。
一人じゃないって思えたんだ。
それなのに、ttが支えてくれたのに、却って俺は寂しさを募らせていった。
ttと二人で夢を見たあの部屋。
ttと二人で作り上げた作品達。
ttと二人で笑い、悔しさを分かち合い、乗り越えた日々…。
もう一度、あの日々に戻りたかった。
コンコン
「…jpさん」
「なに?」
「ttさん…大丈夫ですか?」
「皆さん心配しています。明らかに元気がないです…yaくんとか特に」
「…ttの事は心配しないで。naさんはメンバーをフォローしてあげてね」
「はい…早く戻って来れるといいですね」
ガチャ
「帰ったよーtt」
返事のない冷たく暗い家。
まっすぐ寝室に向かう。
扉を開けると部屋の隅に、膝を抱えて顔を伏せるttがいた。
「ttッ♡、ただいま!」
「…」
「どうしたの?昼ごはんも食べてないじゃん」
ベッドのサイドテーブルに置かれた昼食は朝出た時のままだ。
ttの横に膝をつく。
背に触れると、いつも通りビクリと体をこわばらせた。
「…」
「tt?」
「………たい」
「?」
「…死にたい」
「…え」
「……おまえがおらんうちに死のうと思って…」
「…試したんやけど怖くてだめやった」
「…」
ttが顔をあげて俺を見た。
久しぶりにttと目を合わせた気がする。
一日中泣いていたのだろう、目は真っ赤で、乾燥したくちびるは血が滲んでいた。
「なぁjp」
「俺の事殺してくれへんか?」
「死んでも俺はおまえのものなんやろ…?」
「…tt」
「お願いやjp、首吊ろうとしたんやけどできんかったんや」
「お願い、死にたい…」
手で顔を覆ったttは、そのまま静かに泣き出した。
震える身体を優しく抱きしめる。
細くなったな…
俺がttをこんな状態にしたんだ。
今度は俺がttを支えないと。
「ttそんな事言わないで…」
「……俺のせいだよね、ごめんね。お願いだから死ぬなんて言わないで」
「jp…」
ttがゆっくりと顔をあげる。
その瞳に、少し光が見えた気がしたけど。
「俺の愛し方が足りなかったんだよね?」
「だってttは俺と一緒なら幸せだもんね?」
光が消えた。
さぁ、絶望して。
俺から逃げられないって脳に刻み込んで。
「たくさん愛してあげる」
「死にたくなくなるくらい、ttを愛して愛して愛しまくって、幸せにしてあげるから」
「ちゃう、ちゃうねん」
「…もうええから…お願いやjp…」
ttは消え入りそうな声で言った。
「…もうええんや……」