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どうやら自称探偵さんは俺がボロ喫茶だと思っていたところのオーナーなようで、ボロ喫茶はバーだったよう。
「で、当ててみろよ」
「コーヒーかジュースどっちがいい?」
「きいてんのかよ」
「自分で決めるのは苦手だったね、ジュースにしようか」
「…」
「昔からコーラが大好きだ、母親に買ってもらえなくなってお小遣いを前借りしてまで買っていた」
「なにいってんだ」
「父親は放任主義、ギャンブルばかりやってわがままをきいてもらった覚えはない」
「だまれ」
「虐待を受けていた、躾と言われ学校も大人も全てを信じなくなった」
「だまれって!」
「おっと、話しすぎた」
「…」
「はいどうぞ君が好きな常温のコーラだ」
「はは、ストーカーかよ」
「言っているだろ?僕は探偵だ」
嫌な過去を思い出させてくれる野郎だ。
俺は変わった、大丈夫。
「さて、なんの話だったかな」
「俺が悩んでる原因当ててくれんだろ、当ててみろよ自称探偵、どうやら探偵じゃなくて俺のことが大好きなストーカーさんのようだが」
「君はいちいち一言多いな」
しまった、癖だ。
気分がのるといつもこうなる、なおさないと。
「その話は後にしないか」
「逃げんのか」
「違うさ、お客さんだよ」
その数秒後、はっ来ねぇじゃねぇかと嘲笑ってやろうかとした瞬間に戸は開いた。
「あの、私立探偵さんってここでしょうか?」