テラーノベル
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南国の高校に集合したメンバーたち。
初対面特有の少し気まずくてふわふわした空気が流れていた。
「よろしくお願いします…!」
それぞれがぎこちなく挨拶を交わす中、少し遅れてやって来たのが莉犬だった。
莉犬 「すみません、遅れました…! 」
明るく顔を下げた瞬間、何人かが「かわいい…」と小さく笑う。
その様子を少し離れたところから見ていたぷりっつは、なぜな目が離せなかった。
ぷりっつ「(なんか、気になる)」
理由は分からない。ただ、自然と視線を追いかけてしまう。
自己紹介タイム
円になって1人ずつ話していく。
「好きなタイプは優しい人です!」
「一緒にいて楽しい人かな〜」
順番が回ってきて、莉犬が少し照れながら話し始める。
莉犬「えっと…自分をちゃんと見てくれる人が好きです」
その言葉を聞いた瞬間。
ぷりっつは無意識に、「へぇ…」と小さく反応していた。
目が合う。
一瞬だけ。
なのに、なぜか2人とも先に逸らした。
午後、グループでビーチへ移動
自由行動になり、自然と小さなグループが出来ていく。
莉犬は少し人見知り気味で、波打ち際を歩きながら、貝殻を拾っていた。
そこに──
???「なにしてんの?」
後ろから声。
振り向くと、ぷりっつ。
莉犬「いや、なんか…落ち着くから 」
ぷりっつ「分かる、それ」
そう言って隣にしゃがみこむ。
まだ出会って数時間なのに、不思議と沈黙が気まずくない。
波の音だけが聞こえる。
ぷりっつ「莉犬くんってさ」
莉犬「な、なに?」
ぷりっつ「思ってたより静かだね」
莉犬「え、それってどういう意味!?」
慌てる姿にぷりっつが笑う。
ぷりっつ「いや、配信だともっと元気なイメージだったから」
莉犬「初対面だし…そりゃ緊張するよ」
少しむくれた顔。
それを見て、ぷりっつはふと優しい声になる。
ぷりっつ「そっか、じゃあ俺、早く慣れてもらうように頑張るわ」
莉犬「え?」
ぷりっつ「もっと話したいし」
莉犬の手が止まる。
顔が少し赤くなるのを、海風のせいにした。
夕方
1日目恒例の「第一印象発表」。
名前が呼ばれるたび、空気が揺れる。
莉犬は内心ずっと落ち着かなかった。
莉犬「(…まさか、ないよね)」
そして──
ぷりっつ「第一印象は、莉犬くんです」
ぷりっつの声。
一瞬
周りがザワつく。
莉犬くんは驚いて顔を上げる。
ぷりっつは少し照れながら笑っている。
ぷりっつ「なんか、一緒にいると素でいられそうだなって思って 」
心臓がドクンと鳴る。
カメラが回っているのに、視線を逸らせない。
そのあと、自分の番が来て。
莉犬はすこし迷ってから、小さく息を吸った。
莉犬「…俺も、ぷりちゃんです」
今度はぷりっつが固まる番だった。
ぷりっつ「え、ほんとに?」
莉犬「う、うん…なんか安心するから」
2人とも照れて笑えなくなる。
周りが冷やかしてもうまく返せない。
ただ、視線だけが、何度もぶつかった。
夜、宿に戻る帰り道。
みんなの後ろを歩きながら、ぷりっつが小さく言う。
ぷりっつ「今日さ」
莉犬「ん?」
ぷりっつ「選んでくれて、ありがと」
莉犬は一瞬止まって、それから小さく笑った。
莉犬「…こちらこそ」
沈黙
でも、朝とはちがう沈黙だった。
少しだけ距離が近い。
肩が触れそうで触れない。
コメント
1件
やだ青春!🫶🏻 ガチで好きすぎる