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ついてきて、とイブさんに言われおずおずと後ろにつく。
「あ、ろれと不破湊はついてくんなよ。」
「けちぃ」
「けちではないが?」
「じゃ、待ってるわ。」
「話早くて助かるわ。」
そんなこんなやり取りをしてイブさんが歩き出す。
向かう先は屋上らしかった。
「イブさん、鍵しまってるんじゃ…。」
「あー。大丈夫大丈夫…。」
階段を上って扉の前に立つ。
「確か、ここをこうして…。」
イブさんがカギをいじるとその扉は難なく開いた。
「よし。」
屋上に出るとさわやかな風が吹いていてふわりと頬を撫でる。
「さて、ひばは何が知りたいん?」
イブさんがにやりと笑う。
何から話そうかとかそんなことを考えられるような頭はないから単刀直入に聞く。
「イブさんは、あっちの世界の人ですか?」
「あっちってどっち?」
「ライバーですか?」
「あー。やっぱひばもそーいう系ね。」
やっぱりってことは。
「イブさんもですか?」
「そーいうこと。」
イブさんがまたにやりと笑った。
「この世界はなんか恋愛ゲームみたいだけど俺はおそらくモブとして登場させられてる。主人公はひばだよ。」
「うれしくな…。」
「まぁ、俺みたいに元の世界の記憶があるやつはいないよ。おそらく設定ミスかなんか。」
「俺、どうしたら。」
「誰かと付き合うしかないんじゃね?」
「男しかおらん…。」
「最低限の補助はできるけど…学年違うからむずいかも。」
「イブさんも誰かと付き合わないんすか?」
「んふふ無理。」
「ですよね。」
はははーと乾いた笑いが漏れる。
付き合わないと終わらんまじか…。
しかも知ってる顔やしな…。
「ま、好感度上げるの頑張んな。」
「そうなんすけど…。」
好感度ってどう上げるかわからん…。
あと、
「みんな違いすぎて脳バグっててぇ…。」
「www例えば?」
「奏斗は気遣いや?てか過保護やし、アキラはさらっとイケメンやし、せらおは怖いし。」
「wwwだずがー怖いんだ。KNTが過保護かぁ。www」
「むっちゃ笑うじゃないですか。」
「がんば。」
「うぅぅ…。イブさんも誰かと付き合えばいいのに。」
「無理すぎ。」
「その状態なんですってばぁ‼」
「とにかく、元の世界に戻るためにやってね?」
「急に圧すごいんよ…。」
「んふふwもどるか。」
「うす。…イブさん、あの。」
「どした?」
「これからも頼っていいっすか?」
「いいよ?」
「やった。あざぁっす!!」
「wwwうるさwww」
そんなことを話してお互い己の教室に戻った。