テラーノベル
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この後司がやることは一つしかない。
「咲希のために、ショーをしたい」
「え?」
「咲希を、心から笑わせたいんだ。咲希に、本当の楽しいって感情を思い出してほしいんだ」
「わかった!」
「咲希くんのためならそうだね!全力でやろう!」
「わ、私も頑張るよ」
「ありがとうな、お前たち、!」
咲希のためのショーの準備がスタートした。司は気が気じゃなかった。自分の思い通りにならなかったらすぐにストップ。その繰り返しだった。
「ダメだ!これじゃあ、咲希は笑顔になれない!」
「違う、そうじゃない、違うんだ、。なんだ、何が違うんだ?俺のイメージ通りのはずだ。それなのに、何が、何が違うんだ、?もう一回だ、もう一回、!」
司の演技は明らかに迷っていた。それは類たちから見ても明らかだった。えむたちが声をかけても声をかけないでくれの一点張り。その姿はまるで曲作りに没頭する咲希にそっくりだった。メロディ作りに苦戦する咲希のようだ。そしてえむは危機感を覚える。
“このままじゃあ咲希ちゃんみたいになっちゃう”
と。実際、司は咲希のようになりかけていた。必死に頑張ってるのに思い通りに行かない。状況は異なれど頑張っても報われていない。そのことに司は僅かながら絶望を覚えている。
“俺はこんなに無力なのか”
と。
“俺は咲希を笑顔にできないのか”
と。それでも司は必死に奮い立たせていた。
“いや、こんなんじゃダメだ。咲希のために全力を尽くそう”
と。それでも司の演技は司にとって納得のいくものができることはなかった。そして完全に下を向いた。
「俺に咲希を笑顔にする力なんかなかったんだ。本当に、俺は無力だな、」
「司くん!」
「えむ、?なんだ、なんか用か?お前たちは俺から見ても全体で見てもすごくいい。お前たちの演技は成功してる。だから俺なんかに構うな。俺に構ってたらせっかくやったものが衰えるぞ」
「何言ってるの、司くん!私たちの演技は4人揃って初めて完成するんだよ!3人だけじゃ不完全だよ!司くんが合わさって4人で演じるからこそ初めて成功するんだよ!」
「だが俺は!全然上手くいかないんだ!俺はお前たちと違ってセンスがない!今回は特に足を引っ張ってる!」
「そんなことないよ!」
「そんなことあるんだよ、えむ、!しばらくほっといてくれ。落ち着く時間が必要だ」
そう言って司はその場を離れた。そして悟った。
“咲希もこんな風にしてあんな状態になってしまったのだな”
と。
コメント
1件
うわあ、司くんの追い詰められ方が咲希と重なる…「俺は無力だ」って口にするシーン、すごく苦しかった。でもえむの「4人揃って初めて完成」って言葉に希望が見えた気がする。この話、すごく好きです。続きが気になる…!