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じゅうはちの恋する乙女っていうのが伝わってきて、ニヤニヤしちゃいました…
《ルート1:🗽🪴》
※🍈🗽メイン
無自覚両片思いと、それに気づいたまちこちゃんのお話。
〜💚side〜
💜「──よし! まちこ、私やったよ!!」
💚「さっすがじゅうはち! よかったぁぁぁ……」
何度も続いたあいこの末、最後に一人勝ちしたのはじゅうはちだった。
💙「くっそ…飛び入り参加の18号に奪られるなんて、何たる不覚……っ!」
💛「まあ男性陣じゃなかっただけマシか……」
🩷️「あーー勝ちたかったぁぁぁぁ!!!」
❤️「りぃちょくん、他のお客さんもいるから静かにしなきゃ」
心の底から安堵している私とは反対に、煩いくらいに悔しがってみせる男性陣。
唯一最初からこのじゃんけん大会に興味を示していなかったキャメさんが、声の大き過ぎるりぃちょを宥めてくれる。
──冗談だって、からかわれているだけだって分かってるけど。
こんなに盛り上がってくれるなら、素直に嬉しかった。
💜「じゃっ、まちこ、行こ!」
💚「うん!」
結局部屋割りは一人部屋の『桜の間』にキャメさん、二人部屋の『紅葉の間』にじゅうはちと私。そして三人部屋の『若葉の間』にニキしろりちょ。
一人部屋のキャメさんはともかく、男性陣三人の方は何か起きたりしないかなぁ、なんて。男子研究大学教授の血が騒ぐというものだ。
じゅうはちに手を引かれ、私はそのまま紅葉の間へと足を運んだ。
荷物を置いて、軽く整理して。
メンバー六人みんなでご飯を食べて、酔わない程度にお酒を飲んで。
あっという間に時間は過ぎていって、現在時刻はちょうど21:00。
💜「まちこー、お風呂いこー」
💚「うん、行こ行こ!」
一応それぞれの部屋にも小さなお風呂がついているのだが、なんといってもこの旅館の名物は源泉掛け流しの露天風呂。
特に、桜が見頃のこの季節には、脇に植えられた木から舞い散る桜が本当に幻想的なのだそうだ。
タオルと浴衣、お風呂セットを持って、二人並んで大浴場に向かう。
❤️「お、18号さんにまちこさん。二人も今からお風呂?」
見れば、彼もお風呂上がりなのか、少し上気した身体で浴衣に身を包んだキャメさんがいて。
💚「うん、そんなとこ。キャメさんはもう入ってきたの? 源泉なんだよね、楽しみー!」
うんうんと頷くキャメさんとは打って変わって、少し惚けた様子で俯く隣の女の子。
それに気づいたキャメさんが、ゆっくりと彼女を覗き込みながら優しく声をかける。
❤️「…18号さん? どうしたの、酔っちゃった?」
でも確か、お酒には弱いからと言って飲んでいなかった気がする。じゅうはちは、バッと顔を上げて横に振った。
💜「……っあ、いやいやいやいや、大丈夫大丈夫!! それにしてもめろちゃん浴衣似合ってるね、雰囲気変わってすごい良いと思う!」
まちこ、早く行こ!と早口で捲し立て、歩き出す彼女。その耳は、微かに赤く染まっていた。
配信者のくせに思考回路はリスナー側で、カプ厨の節がある私の脳に浮かんだ、ひとつの仮説。
──これは。
💚(もしかして……)
気づいてしまえば、自然と口元は緩んでいって。
「うん、ありがとう…?」と不思議そうにじゅうはちを見つめるキャメさんを尻目に、これから始まるであろう親友との楽しい会話に思いを馳せた。
【ルート1・完】