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恒は、顔を真っ赤にして目を伏せていた。
ペットボトルを抱えたまま、言葉も動きも止まっていた。
ひろは、何も言わずにその様子を見ていた。
そして、そのギャップに悶え、天井を見上げる。
蛍光灯の光が、少しだけ揺れていた。
「……ちょっと、外の空気吸ってくる。」
ひろはそう言って、ギアを置いたまま待機室を出た。
恒は、何も言わずにうなずいたような気がした。
外は、夜の気配が濃くなっていた。
潮風が少しだけ肌を撫でる。
ひろは、壁にもたれて空を見上げた。
——あんな顔、するんだ。
——あんな声、出すんだ。
胸の奥が、まだ少しざわついていた。
冷静でいたはずなのに、恒の照れた顔が頭から離れない。
——ずるいな。
あれは、ずるい。