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「……すち……好き…」
その声はかすれて甘く、唇から漏れる吐息がやけに艶っぽい。
すちが動揺を隠しきれずにいると、みことは膝に手を置いて、ゆっくりと上半身を起こす。
潤んだ瞳でじっと見つめてくるその表情には、酔いだけじゃない熱が宿っていた。
みことの手が、すちのシャツの裾に触れる。
細い指がするすると滑り込んで、腹部にかすかな刺激が走った。
「……みこちゃん……っ」
思わず名前を呼ぶと、みことが喉を鳴らして笑う。
「ねえ、すち。俺、今すごく……触れてほしい。全部、俺のこと見て」
酔っているはずなのに、その瞳だけはやけに正気で、真剣で──すちは何も言えなくなった。
みことがゆっくりと膝に跨ってくる。細い身体が重なり、吐息が肌に触れるたび、すちの中に熱が募っていく。
「こうされるの……嫌?」
囁きながら、みことの手がすちの首筋から鎖骨をなぞる。その指先は意外なほど確かで、求める熱に満ちていた。
「……嫌じゃない。むしろ……」
言葉の続きは、重なった唇にかき消された。
みことはまるで、すちの反応を確かめるように、舌を滑らせて深くキスを重ねてくる。
その熱と湿度に、理性がじわりとほどけていく。シャツのボタンが一つ、また一つと外される音が響くたび、空気は濃密に変わっていった。
身体が触れ合うたびに、心が溶け合っていく。
「……もっと、欲しい」
囁いたみことの声に、すちは完全に抗えなくなっていた。
「……俺から、したい」
熱を帯びた視線を絡めながら、みことはすちの上にゆっくりと跨った。
その指先は震えていたが、意思は揺らいでいなかった。
「ずっと……こうしてみたかった。すちを、感じたくて……俺の中に欲しかった」
みことの頬は赤く染まり、吐息は甘く滲んでいる。
自らの手で導くように、すちの腰に触れ、そして──自分自身を重ねていく。
「……んっ……っ……」
結ばれた瞬間、みことの身体がびくりと跳ねた。
深く、強く、すちの存在を感じて──その熱に、みことは思わず身をすくませる。
「……すごい……すち、すちのが……入ってるの、全部……」
呟く声はかすれ、涙が滲むほどの快感と昂ぶりに満ちていた。
ゆっくりと腰を動かそうとするが──
「……っ、だめ……動けない、気持ちよすぎて……」
震える膝、力の入らない腰。
みことは自分の感覚に翻弄され、ただすちの胸に倒れ込むしかなかった。
「みこちゃん……無理はしなくていいんだよ」
すちが優しく背を撫でると、みことは小さく首を振った。
「ちがう……嫌じゃない……もっと、感じてたいの……すちに、溶かされるみたいで……全部、持っていかれるみたいで……」
みことの身体が、すちの上で小さく震えていた。
深く結ばれたまま、肩で息をして、熱に潤んだ瞳を向けてくる。
「……すち……だめ……動けないのに……こんな、すごくて……っ」
唇が震え、声が掠れる。
けれど──その瞳は、もっと深く触れてほしいと願っていた。
すちはその視線に抗えず、腰をゆっくりと動かし始めた。
「──っぁ、あ……っ!」
みことが小さく叫び、首を反らせる。
中で強く擦られ、深くまで満たされるたび、身体が震えていく。
「みこちゃん……気持ちいい?」
耳元で囁くと、みことはきつくすちの肩を掴んで、涙ぐむように頷いた。
「うん……だめ、すち……っ、そんなの……動かれたら……っ」
言葉の途中で、下から突き上げられる。
みことの腰が跳ね、快感に耐えるようにすちの名前を呼んだ。
「すち……すち……やぁっ、あっ……! 奥……だめ、そこ……っ、だめなのに……!」
すちはその反応に我慢が利かなくなり、みことの中を何度も、強く、深く──求めるように動いた。
みことの脚が震え、爪が背中に食い込む。
身体を委ねたまま、何度もすちの名を熱に浮かされた声で呼び続ける。
「すち……好き、すち……もっと、もっとして……っ」
音も、吐息も、肌の熱も──すべてが混じり合って、境界が曖昧になる。
「すち……っ、やぁ……そんなにしたら……っ……もう、無理、っ……!」
みことの声がかすれ、身体が跳ね上がる。
下から容赦なく突き上げるすちの動きに、体の奥まで貫かれて、膝が笑うほど快感が突き抜けていく。
「奥、また……来てる、そこ……っ、えぐられて……っあぁ、っ……!」
理性なんてもうとっくに手放していた。
お酒のせいか、それともすちの熱に溺れすぎたのか──みことの目から、ぽろりと涙がこぼれる。
それでも。
「すち……好き……好き……」
震える声で、何度もすちの名前を呼びながら、
みことは自ら身体を預け、首を傾けてすちの唇にキスを落とした。
深く、激しく、求めるように舌を絡める。
ちゅっ、と濡れた音が混じり、快感が全身を貫いたその瞬間──
「……あっ、ん、やぁっ……イく……っ、すち……一緒に……っ!」
きつく抱きつきながら、みことが高く声を上げて震える。
体が跳ね、奥で熱い波が弾けた。
その締めつけに、すちも堪えきれず──
「……みことっ……俺も、もう……っ!」
唇を塞いだまま、全身でみことを抱きしめ、深く、奥まで与えながら──
二人は同時に、熱の頂点に達した。
みことはまだ息が乱れ、体が熱を帯びているまま、すちの胸に顔をうずめた。
「ねぇ……すち、もう一回……お願い……
」
甘えるように囁く声は震えていて、どこか無邪気で、でも強い意志がこもっていた。
すちは驚きつつも、その瞳に映るみことの熱に抗えず、静かに頷く。
「……いいよ。みことが望むなら、俺も欲しい」
二人はゆっくりと体勢を整え直し、再び体を重ねる。
みことの手がすちの背中を撫で、すちの手はみことの髪を優しく掬い上げた。
「今度は俺が、みこちゃんを感じさせる番だ」
すちは低く囁きながら、ゆっくりと動き出す。
みことはその動きに身を任せながら、先ほどとは違う高まりに心が震えた。
「……すち、もっと……激しく……っ」
いつもは大胆で積極的なすちが、今夜はまるで別人のようにゆっくりと動く。
みことの体に密着し、奥をじっくりと味わうように、丁寧に前立腺を探るように、腰をそっと擦り付ける。
「すち……そんなにゆっくり……俺、じれったい……もっと、強くして……」
みことは息を詰め、焦れた声で甘く強請る。
すちは少しだけ微笑んで、ただ静かに応えるように、動きを緩める。
その指と腰の動きは絶妙に絡み合い、みことの中にじわじわと熱を溜めていった。
「……すち、どうしてそんなに……」
みことは息を乱しながら、潤んだ目ですちを見上げた。
ゆっくりと、深く、まるで一つひとつ確かめるように動くすちの愛し方に──彼の胸の奥が、熱く震えていた。
これまでのすちは、もっと大胆だった。強引に、衝動的に、愛をぶつけるように求めてくれた。
けれど今夜は、違った。
まるでみことという存在を、すちが掌にのせて、じっくりと、壊れないように味わっているようだった。
その奥を、焦らすように、だが確実に──
熱く、執拗に、触れてくる。
「……んっ……や、すち……そんな……」
みことは腰を逃がそうとするが、すちの腕に抱き止められる。
「逃げないで。……全部、俺に見せて」
優しいのに、絶対に抗えない声。
その言葉に心の奥までほどかれて、みことは静かに頷くしかなかった。
「だって……もう、俺……すちに、どうされても……いいって、思ってるから……」
自ら腰を動かし、すちに触れていく。
もっと感じたい、もっと深く繋がりたい──
みことは無意識に、すちに体を預けながら、自分から快感を追いかけていた。
「もっと……触れて……すち、俺、足りない……もっと欲しいの……」
その声は泣きそうで、でも甘く、火照った体から漏れた本音だった。
すちはみことを抱きしめ、低く息をつきながら耳元に囁く。
「……そんなに俺を欲しがってくれるなんて……ほんと、かわいすぎる」
みことの身体は、すちの優しくも執拗な愛撫にもう限界を迎えつつあった。
「すち……っ、ああ、もう……これ、耐えられない……っ」
腰が震え、指先がシーツを掴む。
体の奥が何度も擦られて、前立腺が甘く押し上げられるたび、白く霞んだ快感が視界を飲み込んでいく。
「すごいの……すちの、動き……どこにも逃げられない……っ」
みことは涙をにじませながら、言葉を紡いだ。
それは苦しみではなく、満たされていく歓びの声。
そんな彼の姿に、すちの中の理性がじわじわと崩れていく。
すちの指と腰の動きは、じわじわとみことの体の奥を愛撫し続けた。
ゆっくりと、確実に熱を溜めていくそのリズムに、みことの全身は甘く痺れていく。
「ああ……すち……もう……限界、かも……」
声はかすれ、言葉は途切れ途切れになりながらも、みことの瞳は必死にすちを捉えようとしていた。
すちはみことの反応を確かめるように目を見つめ、さらに深く、熱く動いた。
「あっ……ああっ……やだっ……イク、イクっ……!」
甘く切羽詰まった声が漏れ、みことの身体は波のように震えた。
目の前の世界がぼやけて、光の粒が踊り出す。
全身を駆け巡る快感に身を任せながら、みことはすちの胸に抱きついた。
「すち……好き……好き……っ」
震える声で名前を呼び、感情があふれ出た。
みことが絶頂の余韻に浸っているとき、すちの動きが突然、力強く変わった。
それまでのゆっくりと丁寧な愛撫が、一気に激しい突き上げへと豹変する。
「んっ……ああっ!?」
みことは思わず声を上げ、体が大きく揺さぶられた。
急激な快感の波が、全身を貫いていく。
「すち……っ、そんなに……急に……!」
涙が滲むほどの激しさに、みことの呼吸は乱れ、体は何度も反応を繰り返す。
すちはみことの反応を見逃さず、さらに強く、深く、激しく突き上げた。
「みこちゃんが俺を煽ったのが悪いんだよ」
みことの体はまるで波に揉まれるように揺れ、声は次第に甘く、切羽詰まったものになっていく。
みことは激しい快感に揺さぶられながら、震える声で必死にすちを求めた。
「すち……もっと……何も考えられなくなるくらいに、感じさせて……」
その言葉に、すちの目が鋭く光った。
彼の手はみことの奥を、まるで押し潰すように前立腺を探りながら、ゆっくりと、しかし力強く動いた。
「これでどう?」すちは低く囁く。
みことの体はそれに反応し、全身が火照り、熱が爆発寸前まで高まっていく。
「ああっ……すち……い、いくっ……!」
激しい波が押し寄せる直前、すちは突然動きをピタリと止めた。
みことはその寸止めに戸惑いながらも、焦れた吐息を漏らす。
「……まだだよ。これが終わったら、もっと深く……」
すちは静かにそう言い、みことの反応を確かめるように目を見つめていた。
みことはその瞬間、快感の頂点にありながらも、理性が溶けていくのを感じていた。
寸止めされたその場所に、さらに深い渇望が芽生えていった。
すちの動きはゆっくりと再開したかと思うと、みことが絶頂に触れそうになるたびに、ピタリと止まる。
そのたびにみことの体は熱く焦れ、甘い悲鳴を漏らす。
「ああっ……だめっ……すち、もう……!」
みことは抗えずに体を震わせ、声が切羽詰まっていく。
快感が腹の中をぐるぐると渦巻き、まるで身体の芯からじわじわと熱が染みわたるようだった。
すちは冷静に、しかし確実にみことの限界を見極めながら、寸止めを繰り返す。
「まだまだ。俺を煽ったんだから責任取ってよね」
低く囁く声に、みことの心は熱く揺さぶられた。
みことは唇を震わせ、もう理性がどこかへ消えそうになるのを必死に堪えた。
快感が腹の中を何度も駆け巡り、思考は霧の中に沈んでいく。
「……すち……もう……我慢できない……お願い……」
その言葉に、すちは静かに微笑みながら、再びみことの奥を強く押し潰すように動かした。
みことの身体は限界の淵で揺れ動き、喉から高い声がこぼれ落ちる。
しかし、すちはまたしても寸止め。
みことの心は快感に攪拌され、逃げ場のない幸福な苦しみに包まれていった。
みことの体はもう限界だった。
何度も寸止めされ、腹の奥でぐるぐると快感が渦巻く中、どうにも抑えきれずに自らのものへと手を伸ばす。
「すち……もう……だめっ……」
震える指が自分の熱く疼く先端をそっと撫でる。
熱に浮かされた瞳が、すちをじっと見つめた。
それを見逃さず、すちはすっと手を伸ばし、みことのものの根元を強く掴んだ。
「勝手に触らないで」
その手の圧にみことは息を呑み、動きを止められる。
「すち……っ、でも……っ」
必死に抗おうとするが、すちの掌は絶対だった。
「まだ、だよ。自分で感じることなんて許さない」
低く囁かれる声に、みことの体は反応し、震えが走る。
すちはまた寸止めしながら、ゆっくりと動きを再開した。
みことは根元を掴まれたまま、自分の熱い快感に翻弄され、喘ぎ声が止まらなかった。
すちの手はみことの根元をしっかりと掴み、その圧力が逃げ場のない快感を生み出す。
そのまま激しく腰を動かし続け、みことの体は揺さぶられていく。
「あっ……すち……やっ……だめっ、そんなに……!」
必死に声を抑えようとするも、快感に耐えきれず甘い喘ぎが漏れ出す。
さらにすちは指の腹をそっと、しかし確実にものの先端へと滑らせた。
みことの腰は無意識に浮き上がり、体が求めるままに反応する。
「んっ……ああっ……そこっ、そこが……!」
声が高まり、身体中の神経が震える。
すちはみことの反応を楽しむように、指の動きを強弱つけて繰り返す。
みことは快感の波に翻弄され、腰をくねらせながら声を押し殺せなくなっていった。
「すち……ああっ……やばい、もう、イクっ……!」
全身が熱に包まれ、体がビクビクと痙攣を始める。
みことの中は強く、深く締まりあげられた。
すちの激しい動きが一瞬止まり、その締まりの感覚だけがみことの全身を震わせる。
しかし、動きは止まったまま、すちはみことのものの先端に指の腹を押し当てて、強く擦り始めた。
その刺激は鋭く、耐え難い快感がみことの全身を貫く。
「ああっ……やっ……すちっ……!」
悲鳴に近い声が喉の奥から溢れ出る。
みことの腰はぴくりと震え、全身が快感の波に飲み込まれていく。
すちはその声に微笑みながら、寸止めのままじっと指を動かし続けた。
みことの体は快感と焦れったさで熱く揺れ、次第に耐えられなくなっていく。
すちはみことの瞳を見つめ、静かに問いかけた。
「イキたい?」
みことは身体の奥から溢れる欲望を抑えきれず、震える声で懇願する。
「うん……お願い、すち……イキたい……」
その言葉を聞くや否や、すちは一気に激しい動きに切り替えた。
深く、鋭く、前立腺を押し潰すように突き上げ、同時に奥まで何度もえぐり続ける。
みことの体は快感に飲み込まれ、全身が熱く震えた。
「んっ……ああっ……すちっ……やばいっ……!」
溜まりに溜まった熱と快感が、一気に解放されていく。
波のように押し寄せる絶頂の波動に抗えず、みことは声を上げて体を弓なりに反らせた。
「すち……ああっ……イクっ……イクっ……!」
甘く切羽詰まった絶叫が部屋に響き渡り、みことの体は痙攣しながらも、すちの腕に抱かれて意識を手放した。
すちはそんなみことをしっかりと支え、「お疲れ様」と呟き唇を軽く重ねた。
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