次は三番目の皆様の選択です。
これで最期….。
沢山絶望してくださいな。
「…..後」
「五分…..」
命が尽きるカウントダウンを彼は言う。
もう、此の世に居座る事なんて無いだろうに…。
菊の瞳は全て諦めたかのような真っ黒く窶れた瞳をしていて、光が何処にも無い。
もう何も無い世界。
死ぬ世界。
朽ちる世界….。
もう少しだけ….優しさを感じたかった…
そう言っても….もう遅い
菊は計画したことは全てやり尽くす…
後戻りなど出来ない…
そう決心した。
無表情のままフェンスに立つ
立った途端、とんでもない音が鳴り響く….
_____ドンッ!!
屋上の扉が開く音だ。
「菊ッ!!」
「……」
「どうしました?」
ニコッとお得意様の偽りの笑顔を被る。
「な….何でッ….死のうとしてるのッ…..?」
怯えながらフェリシアーノは菊に問う。
その瞳はとても揺らいでいる。死んでほしくない様に。
「……」
「…..疲れたんです」
「何もかも……」
「生きる事….息をする事すらも疲れたんです…」
「だから…..」
「”死ぬ”のです」
息が詰まりそうになりながらも坦々と話を続ける….。
その声と瞳はとても黒く染まっていた….真っ黒く….。
「死ぬ何て言わないでよ….」
「菊…..それが菊のHappyEndなのかい….?」
「菊……考え直してくれよ….」
「また一緒に…..戻ろうある…」
それでも菊には届かない____
「……貴方達と過ごす時間はあっという間でとても楽しかったです….」
「だけど….その過ごした時間すらも…」
「此処で終わらせたいのです….」
「死ぬことを躊躇ったりもしました…..」
「でも….でも….」
「これが私の”幸せ”なのです」
もう二度と会えない皆さんに穏やかな顔を見せる
「菊ッッ!!」
______キーンコーンカーンコーン
それと同時に最期運命の鐘が鳴る____。
「それでは….皆さん」
と後ろを向く。
「嫌だッ….嫌だッ….菊ッッ!」
「戻ってきてよッッ!!」
(死にたい貴方は見たくない…..そういう事でしょうか….)
と思いながらも最期で最初の笑顔を見せる
「……ありがとう….ございました」
「死んでも大好きです….」
「……左様なら」
ニコッと笑みを見せてから菊は_____
______飛び降りた….。
受け入れられない現実と菊が死んだ現実……両方信じられなかった。
「あ……あ….」
「あ”ぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
と受け入れられない現実を目の前に泣き叫ぶ。
「菊ッ….菊ッ….嘘だよ…なぁ?」
今すぐにでも枯れてしまいそうな声を出す。
唯一、心地が好かった、優しかった、温かかった….
大好きな人が死んだ。
今すぐにでも、今すぐにでも….元に戻したかった….。
時間を….無理矢理にでも….
だけど、時計の針は止まらない….。
止めれないのだ….。
その日は警察沙汰になった。
絶望した彼らを上から見ていた….
魂だけの姿となった彼の姿が….
次の日の屋上….。
「皆…..」
「….やっぱり….」
「同じ考えなんだね…」
そう呟く。その瞳は黒く濁っていた。
絶望しかけの瞳….。
「もう、此の世に用はない….」
「そうやって…決意したんだろ?」
「まぁ….ね」
如何程のダメージが大きかったのだろう。
もう….二度と逢えないのだから。
二度と…..
そうやって彼らはフェンスの上に立つ
まるで一度見た光景だ。
何も言ってない。何も思ってないのに….
こうやって聞こえる。
「今….そっちに行くからね….」
と幻聴なのか….。
______キーンコーンカーンコーン
鐘が鳴り響く。
彼らは….もう、此の世に居ない存在となるだろう….
そう思って決意したことだった。
そして….彼らは….
________飛び降りた
その飛び降りて着地した彼らのは身体から血が飛び散っている。
幸せそうな顔で….死んで逝った….。
今頃….天で彼と再開しているだろう….
拝啓。
もう、二度と会う事が無いと思った君へ。
また….天国で会えたね。
これが俺達のHappyEnd…..“生きた幸せ”だったよ
これからも皆で暮らそうね。
いつまでも…..ね。