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あの日の夜の事は今でも忘れない。
喫茶店から一旦帰り指定された時間に
喫茶店へ行く時には赫愧は赤い目に変わって
自己嫌悪でいっぱいだった赫愧とは
全く違う人格に変わっていた。
そして喫茶店に着くと
昼間とは全く違う雰囲気の店内になっていた。
「おっ!よく来たね〜。待ってたよ。」
そう言って奥から出てきたのがオーナーだった。
「ここはなんだ?喫茶店じゃなかったのか?」
赫愧はオーナーに向かって
そう言うと睨みつけた。
「うわぁお!人格が変わってる。
やっぱ君はそういう人種だったんだね。」
ニヤニヤ笑いながら昼間のオーナーとは
全く違う雰囲気で興味深そうに赫愧を見ていた。
「チッ!もう帰る。」
そう言い放って赫愧は帰ろうと
ドアノブを握った時、
「もう帰るの?今からいい話をするのに。
そして君はやっぱり何も知らないんだね。
教えてあげるからそう焦らずに座りなよ。」
と赫愧を促した。赫愧はイライラしながらも
自分の事を知りたかったのでドカッと
椅子に座った。
「ふふふ。お利口さん。
じゃ君が好きなコーヒーを入れて
飲みながら話そう。」
そう笑いながら歩いていく。
そしてコーヒーを入れ、
オーナーは赫愧の向かいの席に座った。
「まず私の事を話そうか。
私の名前は亜目 珠渚翔(あめ みなと)。
君も知っているだろうけど
昼間は喫茶店のオーナーをしている。
夜は君のような赤い目を持つ子達に
情報を渡す情報屋をしているんだ。」
と淡々と話を進める。
「君は夜になると赤い目に目が光るだろう?
それはKill EYESと言う。
日本語で言うと殺人の目。
そういう目を持った人種の人達の事を
NIGHTKINGと言う。NIGHTKINGの人種は
夜赤い目になると人を殺したくて
たまらなくなる。
それは仕方がないことなんだ。
だってそういう人種だから。
そして人を殺している事を覚えている人と
覚えていない人がいてね、
覚えている人の一部には君みたいに
不安と恐怖を持っている人達がいるんだ。
そして夜だけ人格が変わることもある。」
「そういう苦しむ人を何人も私は見てきた。
殺したいけど人を殺すと後から悩み苦しむ。
そんなものから解き放てるように
私から依頼された人を殺してもらう仕事を
ここに来た人達にはやってもらっている。
でもこういったお願いをするのには私だって
人を見て決めている。
人を物としか見てないやつもいるからね。
そういうNIGHTKINGを見ると
腹が立って仕方がない。
しかし君には惹かれていてね
是非ともお願いしたいがどうだい?」
赫愧はそんな話を聞いて笑いながら
「はははは!!!!!!!面白い。
人を殺せるのならその仕事受けよう。
ただし裏切ったら容赦なくお前を殺す。
でも昼間の俺はこんな事になって
驚くだろうがな。」
と笑いながらオーナーを睨みつけた。
「ふふふ、交渉成功だね。
ほんとに君には驚かされるばかりだ。
じゃあ情報が入ったらそいつらを殺すんだよ?
いいね?そして君の仲間になる子達を紹介しよう。
きっと助けてくれるはずさ。
さぁ入っておいで。」
オーナーがそう言うと奥から2人の男が出てきた。
この2人が赫愧と仲間になる珣羅と扇だった。
「チッ!俺1人じゃねぇのかよ!
なんでわざわざつるまなきゃなんだよ!!!」
と机を蹴り飛ばしながら赫愧は叫んだ。
「まぁまぁ落ち着いて。
君はまだ知らないことが多すぎる。
そしてまだ人を殺したことがないんだろう?
この2人と殺しながら学んでいき
いずれは1人でも殺すといい。
とりあえず仲良くするんだよ。」
「チッ!うぜぇ。」
赫愧は舌打ちをしながら2人に向かって歩き出す。
「俺は赫愧。俺は1人で殺せるから
後ろでお前たちは見ているだけで
いいからな??」
と睨みながら言い放った。
「俺は扇と言う。そして何ふざけたことを
言ってるんだ?俺達も色んな人の
殺し方を見て学んだことは沢山あるんだ。
イラつくのも分かるが、
少しは静かに座れねぇのか??」
そう怒りながらも呆れて扇は赫愧に向かって
ため息をついた。
「俺は珣羅!よろしくな!まぁ扇、俺たちで
こいつがどんなもんか見て決めようぜ!
俺達よりも素早く殺せたら認めてやるよ。」
珣羅は笑いながら扇の肩に手を置き
赫愧を見ながらそう言い放った。
「まぁとりあえず明日1つ殺ってみようぜ。
オーナー誰かいる??」
そうオーナーに聞くと、オーナーが
「丁度お願いしたい内容があったから
お願いしようかな。」
と微笑みながら珣羅に伝えた。
「よし!じゃそいつの依頼引き受ける。
扇はともかく赫愧も明日の夜
ここの喫茶店に集合な!」
そう言って珣羅は手を振りながら
喫茶店から出ていった。
扇はもう1つため息をつき、
「まぁとりあえず明日また来いよ?
力を見てどれだけまだまだなのか
分からせてやるよ!」
と赫愧に伝えオーナーに軽く一礼すると
喫茶店から出ていった。
「チッ!なんなんだアイツら
勝手に決めやがって。明日ぜってぇ許さねぇ。」
赫愧はイライラしながら赫愧も喫茶店から
乱暴にドアを開け出ていくのであった。
オーナーはそれを見届けた後、
「面白くなってきた」
と1人でウイスキー片手にクククッ笑って
夜を過ごすのであった。
そして夜が明け朝日が昇る頃、
黒い目に変わった赫愧が
夜の会話を思い出し、
なんという契約をしてしまったんだと
頭を抱えるのであった。
第4話に続く…