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178 - 第178話*坪井side③特別な夜に俺を想っていてほしい*6

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2025年06月03日

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人間って、本当に色んな種類が存在してるものだ。

殊更、真衣香を前にしていた直後だからか。汚らわしく感じる。


(まぁ、それ言っちゃうと、俺も汚れてる側なんだけど)


「ありがと」


そう答えると、厚みのある唇がニタリと嬉しそうな笑みを作った。


「……そういえば、咲山さんと立花さんて中身は全然違うけど、見た目はなんとなく共通点ありますよね?」


「は?」


「私も、あると思いません? 小さくて華奢で、黒目がちで。いかにも”可愛らしい女の子”好きですよね、坪井さん。だって小野原さんのことは眼中になかったみたいだし」


肩にするりと手が回って、いよいよ笹尾が本格的に抱きついてきた。


「噂どおり、咲山さんとも立花さんとも別れてるなら、私どうですか?」


(香水くさいって)


まだ香りがきつい。あんなふうに真衣香を困らせた後で、化粧直しをして香水をふって。


川口に怒鳴られて震えていた真衣香の肩が頭に浮かび、笹尾の密着する身体を見下ろして。それを交互に繰り返すと、沸々と明確な怒りが湧いてくる。


苛立ちを手に込めて、思い切り笹尾の身体を、引き離した。


「……坪井さん?」


「あのさ、人に聞かれない方がいいと思って入ったけど、これ以上ひっつくならフロア出て話そっか」


「え?」


「川口さんのことは悪いと思ってる、でもさ、あいつを巻き込んだことは許さない」


「巻き込んだって……」


笹尾が口籠もりながら、後ろに下がって坪井から距離を取った。


「川口さんは自業自得だよ、でも、立花は何の関係もない、何の落ち度もない。違う?」


「や、やだ。そんな怖い声出さないでくださいよぉ、坪井さんのキャラじゃないですってば」


「はは、何それ。笹尾さん俺の何知ってるっていうの?」


急に慌てた声に変化したけれど、それだって本当かどうかわからない。このまま下手に逃したら、きっとまた何かしら思いつくんだろうなと思う。これだけあからさまに真衣香の肩を持っているのだから、なおさら。


「どんな対応したら正解かなぁて、あいつの手前考えてたけど。笹尾さん、しぶとそうだしはっきり言ってよさそうだね」


「や、やだなぁ。しぶといって、そんなこと」


膝に体重をかけて、頬杖をつき、下から笹尾を睨みつけた。


「ふざけんなよ、お前」


笹尾が、横を向いてその視線から逃れようとするけれど。


「こっち、見ろって」

「な……!」


両頬を指で挟み込むように摘むと、怯えた瞳と視線が交わる。


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