テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
ご本人には関係ありません
❄︎••┈┈┈┈••❄︎••┈┈┈┈••❄︎
ある桜並木で君を見つけた。
運命だと思った。
とても可愛くて、綺麗で、桜が良く似合う人だった。
最初、俺は君を女の人だと思った。
男の人だと思えないほど、綺麗な容姿をしていた。
「…あの、なんか付いてます?」
「へ?あ、付いてないです」
「なんだぁ、よかった、ずっとこっち見てたから、顔になんか着いてるのかとおもった」
「あ、いや、その」
「ふふっ、なにそれ。」
君は小さく笑った。
その笑顔に、また見惚れてしまった。
「……あの、名前、聞いてもいいですか?」
「俺ですか? 阿部亮平です。」
「あべ、りょうへい……」
「はい。あなたは?」
「…佐久間大介。」
「佐久間さん、ですね。」
そう言って、君はまた笑った。
「桜、好きなんですか?」
「え?」
「さっきからずっと桜見てたから。」
「あぁ、まぁ、好き、かな。」
本当は、桜なんてほとんど見ていなかった。
君に見惚れていた、なんて。
初対面の人に言えるわけない。
「俺も好きなんです。」
「そうなんだ。」
「はい。毎年この時期になると、ここに来るんですよ。」
そう言って、君は頭上を見上げた。
君の黒い髪に、淡いピンク色の花びらがひとつ落ちる。
それすらも、絵になる人だった。
「綺麗ですね…ずっと咲いてればいいのに。」
思わず、そんな言葉が口から出た。
すると君は、少しだけ不思議そうな顔をした。
「でも、ずっと咲いてたら、来年が楽しみじゃなくなっちゃいません?」
「……あ。」
「また来年、綺麗に咲いてくれるから、毎年見に来たくなるんじゃないかなって。」
そう言って、君は微笑んだ。
なるほど。
そんな考え方もあるのか。
「……阿部ちゃんって、なんかすごいね。」
「え、なんですか、急に(笑)」
「あ、いや! なんか、考え方が?」
1,503
yuka @男体化+幼児化
3,316
天嶺 雫玖
90
#あべさく
めかぶぷりん
7,685
「ふはっ、そこじゃなくて(笑)阿部ちゃん?」
君は楽しそうに笑った。
「あー、そっち?んー、なんか可愛くない?阿部ちゃんって」
「じゃあ、俺は佐久間って呼ぶね」
その声を、もう少し聞いていたいと思った。
それから、ずいぶん時間が経った。
それでも、まだ、もう少しだけ、話していたいと思った。
初めて会ったばかりの人にこんなこと思うのは初めてで、
不思議だった。
「あのさ…」
「ん?どしたの?」
「また、明日もここで会える?」
言ってから、少し後悔した。
急すぎたかな。
なんて、頭の中で言い訳を考え、並べていると。
「……ふふっ。」
君は、嬉しそうに笑った。
「会えますよ。」
「……ほんと?」
「はい。まだ、桜が咲いてるので」
その言葉に、胸が跳ねた。
明日も、君に会える。
そう思った。
この時の俺はまだ、知らなかった
君と過ごす時間が、こんなにも大切なものになるなんて。
そして。
何度も思い返すことになるなんて。
コメント
1件
第1話、とても素敵でした。桜並木で出会う二人の空気感が、花びらが舞うみたいにふわっと優しくて、自然と笑顔になりながら読みました。「運命だと思った」という出だしにぐっときて、佐久間さんの「また来年が楽しみじゃなくなっちゃいません?」という言葉にハッとさせられました。阿部ちゃん呼びになって距離が縮まる瞬間とか、明日も会える約束の嬉しそうな笑顔とか……もう、この一話で胸がいっぱいです。続きが気になります!