「やっほー!…あれ、どしたん、桜」
「うーん…。この前、角名君が絵を見つけてくれたの。それのお礼がしたくって。
でも、角名君の好きなもの知らないからさ、変なの渡しちゃったらどうしよう、と思って。」
「うち、角名君の好きな物しってんで!」
「え、本当!?」
「なんかな、前、治君たちが話してるん聞いてん。」
「何だったの?」
「それはね……」
「_____!」
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「どこに売ってるんだろう…」
「うーん…購買にあるといいんだけど…」
私が探しているもの。
それは___
あった!
「チューペット!」
よかったぁ…これでお礼ができる!
「春咲さん?」
「あ、宮侑君。」
「購買におるの珍しいな。どないしたん?」
「前にね、角名君が私が描いてた絵を拾ってくれたの。そのお礼がしたくて。」
「だからチューペット買ってんのか!」
「そう。」
「ところで、宮侑くんはどうしてここに?」
「昼。」
「あー。なるほど。」
「で、そのチューペットはどうするん?」
「教室に帰って渡そうと思って」
「はよ行き。予冷なるで!」
…キーンコーンカーンコーン…
「ほんとだ!なっちゃった!!」
「じゃあね、宮侑くん!」
「春咲さん、嵐みたいやな…」
「でしょ。面白いよね。」
「うわっ、角名!おったんか!」
「うん。っていうか、去り際の笑顔、かわいいよね。」
「え?は?」
「じゃあね、花崎さんがお礼渡してくれるみたいだし、俺も戻らなきゃ。じゃあ。」
「…角名、策士やなぁ」
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「あ、角名君きたで」
「ほんとだ。」
「角名君、これ、この前のお礼です。」
「え、いいのに。」
「あれ、見つからなかったら本当にヤバかったやつなんだ。」
「で、角名君がチューペット好きっていう情報を小耳に挟んだので…」
「ありがとう、春咲さん」
そう言って、角名君は笑った。
その笑顔に、なぜだかわからないけど急に体温が上がって、心臓が早鐘を打った。
あぁ、今絶対顔が赤い。
「どうしたの?体調悪い?」
「…ううん。大丈夫。」
「…どういたしまして、角名君!」
あぁ、また。そうやって角名君が笑顔になる時
心臓も鼓動が早くなる。
この感情は、恋であると知った。春。
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「…どういたしまして、角名君!」
ほら、そうやって。
そうやって、春咲さんが笑うたび、俺の心臓がうるさくなる。
いつもとは違う、心臓のはね方。
体温の上がり方。
俺は、春のような君に恋をした。
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to be continued