コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
「疲れた…」
何とかお風呂に入って、ベッドで眠る亮平くんの隣に潜り込む。
窓から差し込む月明かりに照らされた亮平くんの寝顔は、信じられないほど美しくて。
「本当に綺麗な顔してるなー…」
つんつん、とほっぺをつついてみても、全く起きず健やかな寝息を立てている彼。愛おしいけれど、同時に寂しくもなる。
自他共に認める社畜の私は、ここ最近ずっと忙しくて、亮平くんとはすれ違い続きだ。
それでも起きて私を待っていてくれる優しい亮平くんを私と同じ酷い寝不足状態にしたくなくて「先に寝ていていいよ」と言ったのは、他でもない私自身なわけだけど…
正直、後悔している。
亮平くんの温かい微笑みが見れないのも、心地よい声が聴けないのも、今日も頑張ったねと優しく頭を撫でてくれることがないのも、そのすべてがどうしようもなく寂しい。
そして、何より…
「(…最近、全然えっちしてないな…)」
最後に亮平くんと体を重ねたのは、一体いつだっただろうか。
元々亮平くんはそういう欲が薄いらしく、以前からそこまで回数多くしていたわけではなかったけれど、ここまで長い間レスだったのは初めてだ。
今までは疲れが勝って私も全く意識していなかったけれど、何だか今日はこのままじゃ寝られないほどにまで欲求が高まっていて。
「(…静かにやれば、バレないよね…?)」
亮平くんを起こさないように、そっとそっと、既に濡れ出している自分の下着の中に手を差し入れる。
「…ぁ…」
亮平くんが触れてくれる時のことを思い出しながら、自分の気持ちいいところを探っていく…
けど。
「んっ…はぁ…りょうへい、くん…っ」
指の長さや動かし方の違いなのか、なかなか亮平くんとしている時のような快感が得られなくて、もどかしさのあまり涙が出てくる。
「ふ…んぅっ…イけないぃっ…」
亮平くんが欲しい。
もう私の体と心は、切なくなるくらい彼のことを求めていたけれど、彼を起こしてその気持ちをぶつけるなんてみっともないことはできなかった。
性欲の強い女なんて、嫌われてしまうかもしれない。
「はぁ…寝よ…」
虚しいことしちゃったな、なんて思いながら眠りに就こうとした時──寝ていたはずの亮平くんが、起き上がる気配がした。
単純に起こしちゃっただけかと思ったけれど、そのまま彼は私をベッドに押し倒すように私の上に跨り、両手首を掴んで拘束した。
「え…亮平くん…?」
『…手伝ってあげようか?』
なぜか愉しそうに笑っている亮平くんが言い放った言葉に、血の気が引いていく。
「え…っ、おきてた、の?いつから…?」
『んー、ほっぺつつかれた辺りかな?ちょっとしたいたずら心で寝たふりしてたんだけど、その後〇〇が一人でなんか始めちゃったから本格的に起きるタイミング失っちゃって』
「待って、じゃあずっと起きてたってこと…?」
『うん笑』
亮平くんはなぜか満面の笑みを浮かべているけれど、私の心は絶望に支配されていた。
終わった、こんなの絶対引かれた…
「やっ…やだ、忘れて…っ」
泣きそうになりながらも何とかそう言葉を絞り出すと、満面の笑みは困ったような笑顔に変わった。
『…それ、めちゃくちゃ酷いこと言ってるって自覚してる?』
「え…?」
『ほら、これ』
そう言って亮平くんは私の手を取り、ズボン越しに自分のものに触れさせた。
それは既に、大きく硬くなっていて…
「え、何で…?」
『大好きな子が自分の名前呼びながらあんなにえろいことしてるの隣で聞かされて、勃つなって方が無理だよ?』
散々煽っておいてこのまま忘れろなんて生殺しなんだけど?なんて耳元で囁くその声は、何だかいつもより色気を孕んでいて、欲求不満なままの私のお腹の奥はきゅんと疼いてしまう。
『ねえ、抱いていい?』
そんな言葉に思わずこくりと頷くと、亮平くんの手はすぐに私のそこに入ってきた。
「んぁっ…!」
即座に私の気持ちいいところを見つけ出した亮平くんの長い指は、容赦なくそこばかりを攻めてくる。
「ちょ…はぁっ、ん、だめ、止まってぇ…」
『ごめん、それは無理』
いつも通りの優しい微笑みで告げられたのは、何とも無慈悲な返答で。
「…亮平、くん…なんか今日めちゃくちゃ意地悪だ…」
『俺はいつもこうだよ?』
「う、嘘…」
『嘘じゃない。俺ずっと我慢してたんだよ?
〇〇のこと抱き潰したい、でも大事にしなきゃっていつも葛藤してた』
「え…?そう、だったの?」
欲が薄いんじゃなくて、私のために我慢してくれてたんだ…
「私も我慢してた…亮平くんに嫌われたくなくてずっと隠してたの…」
『じゃあ、もう我慢しなくていいよね?』
「あっ…!」
途端に手の動きが激しくなって、私は為す術なく喘ぎ狂った。
「ふ…ぁあ…!だめ…イっちゃうから…ぁ、」
『さっきイけなくて泣いてたじゃん笑 イっていいよ?』
「亮平くんのでイきたいの…も、挿れて?」
『…っ!だから、煽んなって…!』
少し荒い口調になった亮平くんは、手慣れた動作でゴムを装着すると、先端を私のそこに充てがった。
痛かったらちゃんと言って?なんて言いながら愛おしそうに頬を撫でてくれる亮平くんは、やっぱりものすごく優しい人。
小さく頷いて体の力を抜くと、ゆっくりと入ってくる亮平くんのもの。
それを感じ取った瞬間、幸福感と快感が一緒くたになって襲ってきて、私は…
「イくっ…!イっちゃうぅっ…!♡♡」
『え…っ!?』
あっさりとイってしまった。
「ずっとイってるぅ…イくの止まんなっ…ぁ♡
こ、こわいぃっ…!」
久しぶりに感じた絶頂の波はなかなか引いてくれなくて、恐怖すら覚える。
それでもようやく落ち着いてきて呼吸を整えていた時。
亮平くんが容赦なく奥を突いてきて、私は声も出せずまたイってしまった。
「〜〜〜っ!?♡♡♡
り、亮平、くん…っ!?♡♡♡」
『挿れただけでイくとか可愛すぎ…
ごめん、優しくできない』
「えっ、ちょ…ぁあ…っ!!♡♡」
耳元で聞こえる余裕のない声すらも、今の私には興奮材料でしかなくて…
短いようで長い2人の夜は、まだ始まったばかりみたいだ。