⚠1話にて
放課後の教室 窓際の席に座る彼の横顔を 僕はただ見つめていた
夕陽が差し込んで 彼の輪郭をオレンジに染める その姿があまりに綺麗で 息が詰まる
桃「なに見てんの~笑」
ふいに視線が合う 心臓が大きく跳ねて慌てて目を逸らす
青「…べッ、別に…」
拗ねたような声を出してしまう 彼はそんな俺を見て笑った からかうみたいに でも優しくて
その笑顔に どうしようもなく惹かれてしまうのに 口から出るのは曖昧な言葉だけだった
帰り道 コンビニの前で並んでアイスを食べる 夜風が冷たいのに 彼の隣にいると妙に落ち着く
桃「まろってさ」
彼がアイスをかじりながらぽつりと呟く
桃「俺のことどう思ってる?」
突然の言葉に喉が詰まる 答えられなくて 無理やり笑ってごまかす
青「なんやねんそれ 急に」
桃「別に 深い意味とかない けど」
そう言って彼はそっぽを向く でもその横顔はまたどこか寂しげで 胸が締め付けられた
本当は言いたい 好きだって でも言ってしまえば何かが壊れる気がして怖かった
週末 彼の部屋でゲームをしていた ソファに並んで座る距離がやけに近い
画面に集中しようとしても 意識は横の彼ばかりに向かってしまう
ふとゲームのコントローラーがぶつかり合い 彼の手が重なった
青「…っ」
慌てて引こうとしたのに 彼は逆に強く掴んだ そのまま視線が絡む 鼓動が苦しいほどに早くなる
桃「嫌?」
低い声が耳に落ちる 一瞬で空気が熱を帯びた
でも――俺は その手を振り払ってしまった
「ごめん…」
呟く声は震えていた 彼の目に一瞬 影が落ちる
「…そっか」
彼はそれ以上何も言わなかった ただゲームを再開する けれど画面の中の音は遠くて 彼との距離だけがやけに鮮明に感じられた
帰り道 夜の街灯の下 彼の背中を追いながら歩く ほんの少し前まで近かった距離が 今はやけに遠く感じられる
─好きなのに 言えない
曖昧なままを選んだ俺が 桃を遠ざけてしまったのかもしれない
でもそれでも 俺はまだ 彼の隣にいたかった─
あとがき
今回は桃さんがぐいっと攻めるような構図にしました
青さんは今までない桃さんに少し戸惑いを感じている
関係がどう変化するのか恐れている…
なんだか儚いような。
2人の曖昧なままの関係はいつまで続くのか、はたまた散ってしまうのか、、、
あとの解釈は読者さんにお任せしちゃいます!
[完]
コメント
1件
続きありがとう御座います!! いふくんはないこくんの攻め方に戸惑ってるけど、嬉しそうにでもこれからの関係に慎重になっていて避けてるのかなと思います!! これが学パロなのがエモいですよね......、 大人のすっごくドロドロな関係では無いのが最高です♡ コメ返ありがとう御座います!! めちゃくちゃ嬉しいです! 凄く長文失礼しましたm(_ _)m