テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
1話になります!
初長編なので、クオリティが保証できません!ですが楽しんで頂けると幸いです!
今回は🔞はございません!
伏字もありません!
ストーリーの都合上モブの登場がかなり多くなります!
苦手な方はUターン推奨です。
それではどうぞ👋
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
楽の音と人々の喧騒が入り交じる。
しゃら
しゃら
踊り子の衣装の飾りの擦れる音が、それらを潜り抜け、耳を擽る。
しゃらん
熱帯魚のように舞う美しい女たちの中で、
一際目立つ桃色の髪。
布がふわりと浮き上がり、蒼玉のような瞳と目が合う。
あぁ
なんて、
なんて
美しいんだろう。
手に入れたい。
俺のものにしたい。
そんなことを思ったのは、後にも先にもこの一度きりだった。
…
wn「ん…」
朝…?
??「お、起きたか?」
wn「あえっ!?な、えっ?!」
え。ここ…どこ?僕の隣には狼のような鋭い瞳で、冷たい空気を纏った男の人が横になっていた。
飛び上がって距離をとると、彼も体を起こして、口を開く。
??「…お前、自分が今どんな状況かはわかってる?」
wn「えっと…わ、わからない、です。」
??「それもそうだよな。っと、どこから説明するか…」
コンコン
??「殿下~、起きてますぅー?朝餉は召し上がらないんですか? 」
??「とりあえず飯か…。おいで」
手を引かれ、ふかふかのベッドから降りる。何もピンと来てはいないが、状況から察するに、僕はこの人に買われたんだろう。
部屋の広さや調度品を見るに、かなり裕福な家庭ではないだろうか。
お金がない家に買われるよりはマシだなぁ…なんて考えていると、中庭のような場所に着き、美味しそうな匂いがする。
きゅるるる…
wn「あ…///ご、ごめんなさい」
恥ずかしい。どうせ僕は奴隷だから、こんな美味しそうな食事を食べる権利はない。分かってるけど目の前に出されれば体は正直に空腹を主張する。
??「腹減ったよな。好きなの食べな」
wn「え…い、いいんですか…?」
??「いいって言ってるんだよ。大人しく食え。ショウ、皿。」
rb「まったく、人使いが荒いですねぇ。はい、こちらをお使い下さい。」
wn「あ、ありがとうございます…」
お皿を受け取るけど、人の家で無遠慮にがっつけるほど僕は図々しくない。躊躇っていると、目の前にずい、とスプーンを差し出される。
??「口、開けろ。」
逆らったらどうなるか分からないし、大人しく口を開ける。…毒とか入ってないよね?
wn「…あ、おいしい…!」
思わず声が出てしまう。恥ずかしくてちらりと彼を見やると、穏やかに微笑んでいた。
??「ふ、よかった。これも食え。ほら」
親鳥が雛に給餌するように、差し出されたものを食べ続ける。どれも美味しくて、久しぶりに空腹が満たされるのを感じる。
まだ名前も知らない彼は、僕をまるで宝物でも見るかのような、慈しむような、そんな目をしている。
rb「ん”ん”、殿下、そろそろイチャつきタイムは終わりにして彼に説明してあげてください?」
そうだ。ご飯を食べている場合では無い。ここはどこなのか、彼は誰なのか。疑問は山積みだ。
??「あ”ー、そうだな。えぇと、何から知りたい?」
wn「え?えぇと…貴方が、僕のご主人様ですか…?」
そう尋ねると、彼はなんとも言えない表情になった。
??「そうだけど、そうじゃない。俺はお前を買った。それは真実だけど別に奴隷としてじゃない。」
wn「…?」
??「上手く言えねえけど、俺の付き人…って表現が一番近いな。」
wn「つきびと…ですか?」
rb「もー!説明がヘッタクソすぎません!?俺が説明するんで殿下は黙ってて下さい!」
『ショウ』と呼ばれていたその人は、彼のことを殿下、と言った。殿下というのは、この国では王族に使う言葉だと聞いたことがある。なんだろう。とてもとても嫌な予感がしてきた。
rt「えー、コホン、まずは自己紹介からですよね。初めまして、私はショウと申します。しがない貴族です。そしてあちらが私がお仕えしているこの国の王子、ロウ様でございます。 」
wn「お、おうじ…」
rb「そして、殿下が貴方を手元に置いているのは、あなたに一目惚れしたからです。笑」
wn「ひとめ、ぼれ…?」
ru「おい、それは言うなって言ったよな?」
rb「そうでしたっけー?まぁ、俺が忘れっぽいのは殿下も理解してますよね?」
ru「…ショウ。お前は次の仕事楽しみにしてろ。」
rb「え〜!殿下の意地悪!!」
情報量が多すぎて処理しきれない。僕は、王子様に買われたってこと?しかも、そんな人が僕に、ひ、一目惚れ…?
な、なんで??
だって、僕奴隷だよ?当然学なんてないし、踊ることしか出来ないのに?
rb「混乱している中申し訳ないんですけど、ご飯も食べてくださいね。貴方はあまりにも細すぎますから。」
そういって柔く微笑んだ。
さらさらと揺れる紫の髪は、まるで夜空を眺めているような気分にさせた。
wn「きれい…」
口から言葉がこぼれ落ちてしまった。
wn「…あっ、えと…す、すみません」
rb「ふふ、ありがとうございます。どうして謝るんですか?貴方は悪いことをした訳では無いのに。」
ru「おい、そんなの褒めなくていい。ほら、口開けろ」
rb「男の嫉妬は見苦しいですよ殿下♡ 」
ru「はあ”?」
??「はーい2人ともストップ」
ru「あ”?あぁ、ライか」
rb「おはようございます。ライ様。」
ri「ん、おはよ、ロウ、ショウ」
ライ、と呼ばれたその人は 黒がベースの髪に、橄欖石のようなメッシュが入った可愛らしい男の人だった。
赤みの強い黄玉のような大きな瞳は可愛らしさの中に気品を感じさせる。
ri「ん?あー!その子がロウが一目惚れしたっていうあの子!?」
僕の方にずいっと近づいてそう言われる。
wn「!」ペコリ
頭を下げると「かしこまらなくていいよ!顔上げて?」と優しく言われる
wn「ありがとうございます…」
顔を上げるとじっと見つめられる。目線を逸らすのと失礼かと思うと逸らせない。
ri「…めっちゃ綺麗な目してんね!瑠璃とか、藍玉の飾りが映えそ〜…つーかロウにも好みのタイプとかあったんだね、笑」
ru「…るせ」
rb「あれ?照れてませんか?珍し〜!」
ri「ガチじゃん、俺の知ってるロウじゃないんだけど!?」
ru「お前らどっか行け!」
怒鳴り声を聞いた2人がにやにやしながら中庭を後にして、僕と王子様だけのふたりきりになる。
途端に訪れた静寂を破ったのは相手だった。
ru「…名前を聞いてもいいか?」
そういえば互いに名乗っていなかったということに今更気づく。
wn「ウェン、と言います。お好きにお呼びください」
ru「ウェン…な、よろしく?でいいのか?」
wn「ふふ、よろしくお願いします、殿下」
よろしくって言葉が何だか変な感じがして、思わず笑みがこぼれた。
ru「殿下、じゃなくてロウって呼んでよ」
wn「え、でも」
ru「俺が呼んでって言ってるの」
wn「…ロウ様?」
ru「様もいらねぇけど…まぁいいか」
頬に手が触れる。ちょっとくすぐったくて、でもあったかくて。ロウ様をじっと見つめてると、整った顔がだんだん近づいてきて
ちゅ
wn「は、にゃ…?」
ru「はっ、かわい…」
ちゅ
角度を変えてもう一度、触れるようなキスをされる。
wn「あぇ、ろ、ロウしゃま」
そのまま抱きしめられるように背中に手を回され、またキスをされる。
ちゅ、ちゅ、ちゅぅ
心臓がバクバクして、彼の胸に手を置いて軽く押してみるが知らないふりをされる。
する…
wn「!?///」
服の中に手が入ってくる。抵抗できなくてぷるぷる震えながらどうにか距離をとろうと力を込めるけれど、抱きしめる力が強くなって逃げられない。
wn「あ、ぅ…///」
バゴッッッ
ru「ッッッて!!?」
rb「ロウ様?彼はまだ貴方の正式な側室ではありませんよ?それに彼に許可を得ましたか?こんな人目に付く場所でそういった行為をすることについてどうお考えですか?」
髪の毛が触手のようになったショウさんがロウ様の頭を持っていた書類でぶん殴った。
ロウ様は何が悪いという顔で僕を苦しいくらいに抱きしめて離さない。
rb「一旦彼のこと離してあげて下さい…。苦しそうなんで…」
頭を抱えながら溜息をつく。ロウ様は渋々僕のことを離して横にぴったりと座る。
rb「はぁ…、そもそもウェン様が貴方の側室になるということについて説明はしたのですか?」
ru「…してねぇ」
rb「じゃあキスや体に触れることについての許可は?」
ru「とってねぇ」
rb「…ウェン様、もしよければこんな方の側室なんて辞めて私のもとで働きません?」
ru「は、やんねぇよ」
rb「じゃあきちんと説明しやがれ!!!!っとと、失礼」
ru「なぁ、ウェン。俺の側室になってくれないか?大切にするし、欲しいものはなんでも与えてやるから。」
額にキスをされる。ショウさんがまた怒ったように見えたけれど、きっと気のせいだろう。
wn「…嬉しいです。でも…僕は学もないし、美しい訳でもないです。それに奴隷身分なのでロウ様とはあまりにも不釣り合いだと思います…。」
ru「学なんてお前が必要とするなら国一番の博士を呼ぶ。身分は俺の側室になれば全く関係ない。それに、お前は綺麗だよ。」
頬を優しく撫でられる。
rb「ロウ様は側室の数がかなり少なくていらっしゃるので、こちらとしても貴方がこのお願いを受けてくださるのは大変ありがたいのですが、どうでしょうか?ちょっと変態で横暴で口が悪いですが悪い方ではございませんよ?」
ru「三言くらい余計だな、ショウ。」
wn「じゃ、じゃあ、僕でよければ…///」
ru「!!」
ぎゅっ
wn「ひゃ…」
ちゅっ
rb「あ”」
ru「ぜってぇ離さない」
どきどきしたけど、抱きしめてきた体に応えるように抱きしめ返した。
rb「では、正式な手続きをしてウェン様のお部屋を決めましょうか。」
ru「いや、俺の部屋でいい」
rb「いや仮にそれで良かったとしても部屋は決めますので!!そもそもウェン様にもプライバシーってもんがありますので」
ru「あ”ーわかったわかった。でもウェンは寝る時俺の部屋でいいよな?」
wn「えあ、…えっと…///」
rb「ほらウェン様だって嫌がるでしょうが!! 」
ru「知らん。俺のだし」ぎゅうっ
そうして半ば無理やり僕はロウ様とおんなじベッドで夜を過ごすことになった。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
1話終わりです!
口調等に大幅な改変を行っております!苦手な方はUターンを!(激遅)
だいぶ遅くなって申し訳ないです💦
お許しください!!
閲覧ありがとうございました!
それではまた👋
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