熱下がらないかな…。
そう願ってぐっすり眠った。
次の日
夜の高熱が嘘かのように平熱まで下がっていた。
何も無かったかのようにいつもの通学路を歩いていると、さっきーを見つけた。
「あ!さっきー発見!!」
私はさっきーに気づかれないように背後を歩いた。
横に並んだところで周りの人が私のことをジロジロ見てくるのがわかった。
その瞬間。
さっきーが私の方を向き一瞬目があった。
気まずい空気が流れる。
歩行者信号が赤なのに気づき私は止まって、隣を見たらさっきーが居ない。
前を向くと信号が変わってるのに気づかずに歩くさっきー。
「日向くん!!」
私は何度も呼んだ。
「日向くん危ない!!」
さっきーは気づいたが、手遅れだった。
私はその場で、泣き崩れ。
周りの人が病院に連絡し、すぐさま救急車が駆けつけた。
私は何も出来なかったことに悔しさで涙が止まらないまま、時間だけが過ぎ、私はさっきーが運ばれた病院に向かった。
(どうしよう…つい来ちゃった)
複雑な気持ちで胸がいっぱいだった。
会いたいけど、私がもっと大きな声を出してればこんなことにならなかった。
頭を抱えていると…
「ママ、パパ!お兄ちゃんと同じ制服の人いるよ」
小さい女の子が私を指さした。
(家族連れ?)
「お姉ちゃん、お兄ちゃんの彼氏?」
女の子に聞かれると私は頬を赤くして首を横に振った。
「違うよ、咲兎くんと同じクラスだから心配で。」
私は気づかれていないと信じた。
「あ!はじめまして、咲兎くんと同じクラスの星宮ももです」
初めてさっきーのご両親の顔を見た私は慌てて自己紹介をした。
「ももちゃんも一緒に病室入る?」
「はい!」
さっきーのお母さんにお誘いいただき、一緒にさっきーのいる病室へ。
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