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#ホラーゲーム
りと。@ねむねむ中(=o=;)
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#STPRファミリー
第8話 ヒマワリのような
集落を出て、また旅を続ける中。
「――なんか、いい匂いしない?」
うりくんが、ふと鼻を鳴らした。
「いい匂い……?」
「甘いっていうか、なんかクラクラする感じの。」
「クラクラ?のあちゃんの胞子?」
「え?私は胞子出してないけど…」
「違うよ!もっと香水みたいな感じのさ!」
「……気をつけて。魔物…いや、魔族がいる。」
じゃぱぱが、警戒するように立ち止まる。
その時。
「――やあやあ、可愛いお嬢さん。」
どこからともなく、気取った声がした。
「……え?」
振り返ると、そこには黒い翼を生やした、妙に整った顔立ちの少年がいた。
目つきがやたら色っぽい。
「僕と、少しお茶でもどうかな?君の魂ごと、虜にしてあげるよ。」
男が、のあちゃんに向かってウインクする。
「……。」
のあちゃんの目が、一気に冷めた。
「気持ち悪い。」
「あはは!フラれてやんのー!」
うりが隣で爆笑している。
「インキュバスだね。よくナンパしてくるやつら。ってことはサキュバスも近くにいるはず。」
じゃぱぱが耳打ちしてくる。
「つ、冷たいなぁ!でも、そこがまたそそる……。」
「――もう一度言うね。気持ち悪い。」
のあちゃんが、ツタを一本、男に向かって伸ばす。
「わっ、暴力反対!」
インキュバスと呼ばれる種族らしい男が、慌てて距離を取る。
「可愛い坊や。」
今度は、艶っぽい声の女が、どこからともなく現れ、俺の顎にそっと手を添えてきた。
やたらと距離が近い。
「あれ?ニンゲン?」
女は少しだけ驚いたがすぐに甘い声に戻る。
「ね、私と一緒に、甘い夢を見ない……?」
「え!?あ、いや、その……。」
俺は、完全に固まってしまった。
じんわり耳が熱い。
なんやこの状況。
思春期男子にこれは無理!
「――おい。」
じゃぱぱの声が、急に低くなった。
「誰が、俺のたっつんに触っていいって言った?」
「じゃぱぱ……?」
振り返ると、じゃぱぱがこちらを見ていた。
刺すような鋭い目つき。
すごく冷たい。
影が、地面に広がっていく。
「あら、同族じゃない。仲良くしましょうよ、デーモンさん。」
「同族とか関係ない。」
じゃぱぱが、女――サキュバスと俺との間に割り込む。
「消えろ。二度と、たっつんに近づくな。」
「うわ、こっわ…デーモンがニンゲン守ってるんだけど…。」
サキュバスが、若干引き気味に後ずさる。
「あんたたち、二人とも、しつこいよ。」
うりくんが、爪を構えながら唸る。
「――待って、あそこ見て。」
のあちゃんが、空を指さす。
眩い光が、まっすぐこちらへ降りてくる。
光が地面に着地した。
光の中からオレンジ色の綺麗な髪がキラキラ反射しているのが見えた。
「――いい加減にして。」
凛とした声。
光の中から現れたのは、金色の装飾を纏った女の子だった。
手には、光り輝く剣。
「ま、また邪魔されるパターン……!?」
インキュバスが、悲鳴じみた声を上げる。
「逃げるよ!」
二人は、あっという間に姿を消した。
「……いつも口だけだなぁ。あいつら。」
女の子が、剣を消しながらこちらを見てくる。
「あ、あの……ありがとうございました…?」
俺は、慌てて頭を下げた。
「別に、たまたま通りかかっただけだから。気にしないで!それより…キミ、ニンゲンだよね?初めて見た!なんでこんなところにいるの?どこから来たの?何をしてるの?」
女の子が目をキラキラさせながら問い詰めてくる。
俺はその様子に困惑を隠せない。
「ヴ…ヴァルキリー………。」
じゃぱぱの顔が若干引きつっている。
「あ、ごめんごめん!急だったね。私はえと!」
「えと、ちゃん……。俺はたつやです。」
「たつや……へー。」
えとさんが、じっと俺を見る。
「言いにく!」
「え?言いにくい?えっと…じゃあたっつんで…?」
「たっつんねー!よろしくねー!」
――と。
その視線が、じゃぱぱに移った瞬間。
空気が、変わった。
目が冷めている。
「……あんた、デーモン?」
声のトーンが、明らかに冷たくなる。
「…そうだよ。」
じゃぱぱが、少し引きつった笑顔で答える。
「……。」
えとちゃんの目に、一瞬、暗い影がよぎった。
「――ふーん。」
えとちゃんは、それだけ言うと、くるりと背を向けた。
金色のヒマワリのネックレスが太陽にキラっと眩しく反射した。
「たっつん、それとアルラウネのお嬢さんとチャラそうなお前、この先に行くなら気をつけてね。あの手の連中はまだうじゃうじゃいるから。」
「うん、ありがとう!」
「分かりました。ありがとうございます!」
「チャラそう…??」
うりくんが不思議そうな顔をしている。
「俺は?」
「は?デーモンは黙っとけ。」
「…はい。」
なんかえとちゃん、じゃぱぱにだけあたり強い…?
「じゃ。」
えとちゃんは一歩踏み出す。
「あ、待って!」
俺は、思わず声をかけた。
「その、ヒマワリのネックレス……綺麗だね。」
「……。」
えとちゃんが、ビクッと、足を止める。
ネックレスに、そっと手を触れた。
「……ありがとう。これは、大事な人からもらったものなの。」
その声は、さっきまでとは少し違う響きだった。
どこか、寂しそうな。
「大事な、人……?」
「……もう、いない人だけどね。」
「…え…?」
えとちゃんが、少しだけ振り返り、初めて小さく笑った。
ヒマワリのような暖かい明るい笑顔。
「人間って、綺麗だね。」
「…へ?」
「よかったら、私もついて行っていい?」
「……う、うん…いいけど…」
「やった!ありがとー!」
じゃぱぱが、俺の肩に手を置く。
少し青ざめた顔で小さく首を横に振っている。
「え?なに?」
「無理…。」
「頑張れ。」
「たっつん酷い。」
「なんか、強そうな子だねー。」
うりくんが、のんびりと言う。
「……ミノル。」
えとさんが、小さく呟いた。
誰にも聞こえないくらいの、小さな声で。
その名前が、俺の耳にだけ、微かに届いた。
――ミノル?
誰のことだろう。
でも、なんとなく。
聞いてはいけない気がして、俺は黙っていた。
ここまで読んでくださりありがとう ございます!
今回はえとちゃんの登場回です!
強くて優しい女の子といえばヴァルキリーかなーと思ったのでえとちゃんはヴァルキリーです!
本家様の4周年記念の映画の登場キャラクターが出てきます。
(※デーモンは闇属性、ヴァルキリーは光属性のためもともと種族として対立しているためじゃっぴは顔をひきつらせています。でもえとちゃんのほうはそれだけではないようで……?)
次回予告
「――任せて。」
「……つっよ。」
「……嘘、でしょ。」
「――あぁ、久しぶりだね、ヴァルキリー。」
男が、低い声で笑った。
次回 第9話 宿敵 ♡100↑
コメント
1件
えとちゃん強くて可愛すぎる〜!!😭💕 インキュバスとサキュバスに並び立って一瞬で蹴散らすの最高にかっこよかった!ヒマワリのネックレスに込められた切ない過去が気になりすぎる…「もういない人」ってミノルって人のこと?じゃぱぱだけあたり強いのも種族対立だけじゃない何かありそうでドキドキする…続きめっちゃ気になる!次回も楽しみにしてるよ〜🌸✨