テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
1,087
#ホラーゲーム
りと。@ねむねむ中(=o=;)
4,546
#STPRファミリー
第9話 宿敵
「――来るよ。」
のあちゃんが、前方を指さす。
茂みから、いくつもの魔物が姿を現した。
「うわ、結構な数……。」
俺は、思わず身構える。
少しだけ手が震えたけど、大丈夫。
「――任せて。」
えとちゃんが、一歩前に出た。
光の剣が、彼女の手に生まれる。
「はぁっ!!」
地面を蹴った瞬間――その姿が、ほとんど消えたように見えた。
「――え?」
瞬きの間に、えとちゃんは魔物の群れの真ん中にいた。
一閃。
二閃。
三閃。
振るうたびに、光の斬撃が魔物を切り裂いていく。
「速すぎるやろ……。」
俺は、口を開けたまま見ていることしかできなかった。
でも俺は少しだけ引っかかった。
えとちゃんのあの動きは、才能やセンスなんかじゃない、明らかに努力によって作られたものだ。
完璧な身体の動かし方、力加減、判断力。
センスだけであそこまで上達するとは思えないほどに強い。
「まだまだ!」
えとちゃんが、光の翼を一瞬だけ広げる。
空高く翔び上がり、上空から光の斬撃を雨のように降らせた。
その様子はとても綺麗だった。
「ぎゃっ……!」
魔物たちが、次々と光に呑まれていく。
残ったのは、たった数体。
「――終わり!」
最後の一体を斬り伏せると、えとちゃんは剣を消して、涼しい顔で戻ってきた。
「……つっよ。」
うりくんが、呆気にとられたように言う。
「私たち、いる意味あった?」
のあちゃんが、呟いた。
「いやほんまに。」
俺も、思わず頷いてしまう。
「あはは、大袈裟だよ〜。」
えとちゃんが、軽く笑った。
「私の光属性はこういう闇属性の魔物には特に相性いいからね。」
「相性とか関係なく強いと思う……。」
じゃぱぱが、若干顔を引きつらせながら言う。
「お前なんか余裕で倒せそう。」
えとちゃんがじゃぱぱを見る目は相変わらず冷たくて怖い。
魔族はこういう人が多いのか…?
「まあ、確かに……。」
じゃぱぱが、言葉に詰まった。
「なんだ、意外と弱腰じゃん。」
「ちょっと待って、相手が良くないだけだから!」
「じゃぱぱさん、往生際が悪いよ。」
のあちゃんが、容赦なく突っ込む。
みんなが、笑った。
えとちゃんだけがずっと冷たい表情だった。
*
それから、少し休憩を取ることにした。
川のほとりに座り込む。
「なぁ、えとちゃん。」
俺は、隣に座るえとちゃんに声をかけた。
「ん?」
「その戦い方、誰かに教わったん?」
「……。」
えとちゃんの手が、一瞬止まった。
「……まあ、色々あってね。」
その笑い方が、少しだけぎこちない気がした。
「……ごめん、変なこと聞いたなら。」
「ううん、大丈夫!」
えとちゃんは、すぐにいつもの調子に戻る。
「まあ…そのうち話すよ。今は――」
そこで、言葉が途切れた。
えとちゃんの表情が止まった。
「……えとちゃん?」
えとちゃんが、ガバっ、と急に立ち上がった。
「……嘘、でしょ。」
その顔から、血の気が引いていく。
「え、なに……?」
俺も、慌てて立ち上がる。
「この魔力……。」
空気が、変わっていた。
肌がぴりつくような、重い気配。
のあちゃん、うりくん、じゃぱぱも、同時にその方向を見た。
「……なんか、来る。やばいやつ…。」
じゃぱぱの声が、低くなる。
茂みの奥、木々の隙間から。
黒い影が、ゆっくりと姿を現した。
じゃぱぱとはまた違う、もっと禍々しい闇を纏った、大柄な男。左目にだけ片眼鏡をかけている。
「――あぁ、久しぶりだね、ヴァルキリー。」
男が、低い声で笑った。
「……プルート。」
えとちゃんの唇から、震える声で、その名前がこぼれ落ちた。
ここまで読んでくださりありがとうございます!
今回出てきたプルートは4周年記念の映画に出てきたキャラクターです!他のキャラクターも出てくる予定です!
次回予告
「黙れっ…!!」
「……また、同じ……。」
「……絶対に触れさせない。」
「そりゃ…どーもっ…!!」
「――やるしかない、か。」
赤く染まった右手をかざす。
…なんでそんなに……。
次回 第10話 足手まとい
コメント
2件
「プルート」は本家様の4周年記念映画に出てくるキャラクターです! ちなみに、プルートは冥王星の別名です。 冥王星はもともと太陽系第9惑星でしたが、現在では定義を満たさなかったので、準惑星になったそうです。
えとちゃん強すぎん??😳✨ しかもあの戦い方、才能だけじゃなくて努力で磨き上げたってタクトが気づいてるのエモいな…! そしてラストのプルート登場、えとちゃんが震える声で名前呼んだところで背筋ゾクッとしたよ…次回めっちゃ気になる! 続き楽しみにしてます🔥💕