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『愛してる!』
その言葉だけ聞いて生きてきた。
なにかお願いされる時、誰かと約束する時、慰められる時、褒められる時。
全てにおいて『愛してる』が付き物
「お願いッ!頼めるの梨奈(リナ)しかいないんだ!」
『…わかった。今回だけね』
「ありがとー!!愛してる!」
『私も…。愛してるよ』
「ずっとずーっと約束ね!愛してるよ梨奈!!」
『っ、…うん、愛してるよ…約束ね』
「大丈夫大丈夫、愛してるよ梨奈。」
『…うん、ありがとう。愛してる』
「いやーまじ梨奈天才だわ!愛してる!」
『ぁ、りが…ッ…と、愛してる…。』
嬉しいはずなのに
そんなはずなのに、何故か心苦しくて
聞く度に愛の定義を考え出す
この愛してるは本当なのか?
この愛してるは嘘なのか?
本当の愛してるはなんなのか。
全部嘘な気がして鳥肌が立つ
精神安定剤を飲んでも落ち着かなくて
考える度に寝れない夜が続いて
嫌な考えが頭をうろちょろして止まらない
私、梨奈は生きてるはずなのに。
肌が冷たくて死んでるみたい
学校へ向かう1歩の度、家族の愛してるが耳を通る
私はそんなに軽いヤツだと思われてるの?
生きるの、苦しいな。
怖いな、愛してるって。
もしかして呪いの言葉?
勝手に藁人形にでも唱えとけよ
私は呪いの人形じゃないのに。
釘を打たれるために生きているんじゃないのに
「りーーっちゃん!おはよ!」
『あ、…おはよ。叶奏(カナデ)』
「今日も可愛いね〜!」
『…そ。』
「冷たぁ〜い…」
幼馴染の叶奏。
生まれた病院から今までずっと一緒
だけどいつの間にか叶奏すら恐れるようになった。
でも叶奏は愛してるって言ってこない。
大好きしか、聞いたことがない
でもどうせあいつらと一緒だ、おかしいな、私って。
「…んね、梨奈」
『なに?』
「今日…放課後、さ…ッ」
「屋上に…来て、ほしい」
『…何か用?それなら今言えば…』
「と、ッ…とにかく屋上!放課後!私先行くから!!」
『ぁえッ…あ、…ちょっと…』
ちょっと怖い。誰かと二人っきりは怖い
だけど叶奏なら大丈夫だと不意に思える
放課後…屋上か…
「愛してます!付き合ってください!」
『!…お願いしますっ…!』
『なんで…浮気してんの、?』
「お前、愛してるって言うだけで生きていけんじゃんw正直軽すぎてなんか嫌なんだわー」
「なら浮気しても仕方ないよな?」
『…』
…嫌なこと、思い出したな
中学2年生の夏の日に、好きだった人に告白されてすんなりOKした
でも毎日愛してるだけ言って私の傍を離れていく彼に違和感を覚えて、泊まった時に彼のスマホを見てしまった
女と浮気していた。
それがバレて捨てられた。
だからより愛してるって言葉は嫌いになった
叶奏の顔は少し赤くなっていた
だから告白の可能性は高い。
別に女の子に告白されることは変だと思ってないし、なにしろ叶奏はレズ。
仕方ないことだとは思うけど
私はこれが怖い
捨てられたくない
愛してるなんて聞きたくない
『ぁ…遅刻する…』
チャイムが鳴る前に学校へ急ごう
評価下げられちゃう
それから授業の間、叶奏の呼び出しが気になって内容が入ってこなかった
少し離れた席にいる叶奏を見れば澄まし顔で授業を受けている
…え?私だけ?
あぁ、なんでこんな考えてんだろ
所詮はただの “友達” なのにな
放課後。
ついにこの時間が来る。
私の足は一段一段と階段を上る
怖い。辛い。でも行きたい。
体が震えているのがわかる
怖くて震えてるのがわかる
屋上へ繋がるドアへ一直線に
ドアノブに手をかけ、ガチャッ…と回す
ものすごい突風と景色を見ている叶奏の姿が見えた
音に気づいてないのか、ぼーっとまだ景色を見ている。
私は勇気をだして
『かッ…叶奏、』
と呼びかける
そうすれば叶奏は
「あ、お疲れ様 梨奈。私結構待ったんだけど〜w」
と冗談かのように優しく笑う
『ご、ごめん、…ちょっと緊張…して』
「…ねぇ、もしかして察してる?」
『えッ、…?』
「ぁ、あ〜…いや!なんでもない」
「いやなんでもなくはないんだけどぉ…///」
また顔が赤く染まる
リンゴみたいに真っ赤になる。
『…ね、要件は?』
「…」
「あのね。」
『うん』
「私、梨奈のこと愛してる」
ズキッ…
心が痛む。
愛してるなんて聞きたくないのに
ねぇ、叶奏の方が察してよ
お願いだから愛してるって言わないで
「ずっと前から…愛してる!」
やめて。
「こんなんじゃ伝えきれないくらい愛してる…」
やめてよ…
「これからもずっと愛してる」
お願いだから
「愛して…ッ」
『やめて…!!』
「…へ?り、梨奈…?」
『分かってないでしょ、愛してるの意味 』
『分かってないから言ってんでしょ…!』
吹っ切れたかのように言う
あれ?こんなこと言いたいんじゃないのに
素直に受け取りたいのに
なんで私…
好きなのに…
あれ、…?好きって…?
『叶奏は気持ち悪いくらい愛してるって言われたことがないから分かるんでしょ』
ねぇ、やめてよ
情緒不安定だよ…?
『私の気持ちなんかわかんないくせに…』
お願い、お願いッ…
止まってよ、…!
『私の気持ちなんか…ッ!!!』
やだ…やだやだやだやだ…っ…
止まッ…て、…ってば…ぁッ…
『叶奏には1ミリたりも分かんないくせに!』
『勝手に好きにならないでよ…勝手に愛さないでよ!!!』
「…」
『っあ、…ち、ちが、ッ…!』
「そっか。」
『か、なで…?』
「これじゃ伝わんない?」
『へ…?』
「ずっと前から好きだった」
「梨奈の笑った顔に一目惚れした」
『ぇ、あ…?//』
「梨奈の泣いた顔が好きだった」
「梨奈と食べるご飯が今までで1番美味しいと感じた」
「梨奈とやる勉強は楽しく感じた」
「梨奈といる時間は幸せって思えた!」
「梨奈が好きって言ったものは嫌いでも好きになれる気がした!」
「梨奈に応援されると人一倍頑張れるような気がした!」
『叶奏ッ…』
「梨奈とやる受験勉強はいつにも増して本気になれた!」
「梨奈がいれば風邪も大丈夫だって思えた!」
「梨奈のためなら苦手なお菓子作りも頑張れた!」
「全部私は梨奈がいないとダメなんだ!! 」
「梨奈がいない世界は怖いし生きたくない、でも梨奈がいる世界ならどこへでも生きていたい!!」
「大嫌いな体育も梨奈の応援で成績優秀って言われるようになった!!」
「苦手な食べ物も梨奈が食べれてるなら気合いで食べれた!!」
「私が生きる理由、生きていた理由は全部梨奈にあるんだ!!」
「勝手でもいい!」
「わがままでもいい!」
「嫌いだっていい!」
「なんでもいい!」
「ただ私は…」
「ずっと、死んでも梨奈の傍で生きていたい!!」
「それくらい梨奈を!!!」
「愛してる…ッ!!!!」
『ッ、…!!ポロポロ』
「どう、?…はぁッ…はぁ……」
「これでも…足りない、ッ?」
『…ううん、十分伝わったよ…っ』
『私ね、ッ 愛してるが怖かった』
『愛してるって言葉が大嫌いで、ずっと聞けないように目を背けてた…』
『でもねっ…!』
『私 叶奏の愛してるは好きだよッ…』
「それっ…て、」
『叶奏、あいしてる…!ニコッ』
「っ〜〜ッ…!!////」
「一生幸せにする!!」
ギュッ……
皆の愛してるは嫌い
だけど叶奏の愛してるは好き
一生解けない呪いを骨の髄まで愛してね
『愛してるよ!』
へぇ〜い約2時間半クオリティ〜
大丈夫?久々の投稿これで大丈夫????
なんかね、めっちゃ純愛エンドにしたかったけど凄く謎になってしもうた
でも個人的にこのお話好きな方ではある
長ければいい短ければいいってもんじゃねーからなぁ小説は
わし将来の夢画家だけど副業で小説続けてたいな
百合小説家になったるぜグッヘッヘ
てかそろそろBLも書きたいなぁ
次辺り連載の方でBL書きますわ
連載進めてないやつ多いけど割と頑張ってるから暇だったら読んでくだせー🤟
それではここまで読んでくれてありがとう
おつにーだんっご!!!!