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こんにちは、ものものです!
今回、3人の関係性が変化する話です!楽しみに下へスクロールしてください!
それでは、どうぞ!
それからゼノが空いている日はNASA見学(ほとんど議論してるだけ)、ゼノが仕事の日はスタンがアメリカの色々なところを案内してくれるようになった。
7日目の今日は、NASAがお休みなので、ゼノとスタンの海軍を見学することにした。
『ぅ、おぇ。ぎも”ぢわるい”』
『何故か、僕が運転すると皆が気持ち悪いというんだが…どうしてか分かるかい?』
それはテメェの運転が終わってるからだよ。
『おお、千空!あれが、海軍訓練所だよ!』
『流石天下のアメリカ様だな。敷地の面積どれくらいあるのか…』
『もうそろそうスタンが来ると思うけど、…』
『酷いじゃんよ、ここにいるのに』
『おわっ!』
『スタン、着いたら声をかけてくれないか。軍人でもスタンの気配は気づかないんだから。』
『はいはい』
…心臓飛び出るかと思った…いや、ほんとに。
『さあ、行こうか』プルルプルル
『?ゼノ、電話鳴ってんぜ?』
『誰からだろうか……はぁ』
その瞬間、ゼノの瞳から光が消える。何度か消えているところは見ていたが、その瞬間は初めてだった。何も映さない漆黒の瞳に思わず震える。
ピッ
『…何かな。………またかい、今日は休みだと伝えた筈だが。………分かった、もういい。すぐ行く。…………分かった。』
ピッ
静寂が3人を取り囲む。
『…すまない』
『またアイツら?』
『そうだよ。全く倫理や法律を押し付けてくる衆愚達が科学の何を分かっているというのか、僕には全く理解できないね。…すまないが千空、スタンと2人で海軍をみてきて貰えないか?』
『いや、俺はいいけど…大丈夫なのかよ』
『ああ、気にしないでくれ』
ゼノはいつものように完璧な笑顔を向けた。
『…』
『じゃあ行ってくるよ…千空?』
別にゼノを可哀想だと思ったわけでは無い。ゼノは自分でこの道を選んだのだから。…だけど、ゼノが全てを諦めたようなそんな目をしているのは…何だか許せなかった。
バチッ(両手でゼノの頬を挟む)
『へんくう?』
『…俺は先生の、ゼノの科学を信じてる。誰が何と言おうと俺はゼノの科学が好きだ。…だから、待ってる…からな////』
最後の方は恥ずかしくてボソボソと話してしまった。ゼノは目を見開いたまま俺の目を見つめる。俺は頬から手を離した。
『千空』
『…何だよ//』
ゼノの瞳に光が灯る。
その時のゼノの顔は忘れられない
『ありがとう、千空』
俺は目を見開いた。
久しぶりだった。ゼノのあんな表情を見たのは。…笑顔の仮面を外した、ゼノの本当の笑顔は。
最初はメールでやり取りをするよくわからないガキを憐んでいた。ゼノのことだ。すぐに飽きて捨てるだろう、と。しかし、ゼノがとても嬉しそうに、あの頃に戻ったように目を輝かせてやり取りをする姿に…正直良い感情は抱かなかった。
初めて会った時、綺麗な目だと思った。芯の強い強気な目。血のような色ではなく、もっと輝きを放つ、そう、ルビーのような目。それと同時に昏い感情を抱いた。どうしてこんなガキにゼノを奪われるのだろうか、と。タバコを顔に吹きかける意味も知らない幼いボーイに少し呆れもした。
ようやく、分かった気がした。コイツは千空は無意識にもゼノのことを支えていたのだ。俺でさえ、最後までゼノの味方でいることだけしかゼノを支えてやれなかったのに。
感嘆の心は口にも漏れてしまう。
『…やんじゃん』
これは自分の最大の褒め言葉であることを分かっている。
やんじゃん、千空。ゼノが気に入る理由がわかる気がする。
ゼノが仕事に戻った後、ふと視線を感じて振り向くとスタンがこちらを見つめていた。元々眼力が強いので思わず気圧されて目を逸らしてしまう。するとスタンはニヤリと笑ってクイッっと俺の顎を上げる。
『アンタ、やるね』
『?よくわからねぇが、それはやめろ』
手を振り払うとスタンは目を見開いて綺麗に笑う。あ、コイツ、自分の顔の使い方分かってるな。
『ふーん。まあいいや。』
『海軍の見学行こうぜ、早くしないとゼノが帰ってきちまう』
『オーライ』
『スタン、ここは?』
『ここは海軍特殊部隊の練習場だ。あそこには60キロの荷物があってあれを持って走ったり、銃の射撃場で銃の試し撃ちができる。勿論、一般人は普段立ち入り禁止だから出来ないけどな。』
『どれもできる気がしねぇ…』
流石軍のエリート達の施設だ。誰も一級品であることが窺える。勿論見ているのは機械の部品や内部構造だが。
『お、スタンリーじゃねぇか!』
『ああ、ブロディか。』
『どうしたんだ?お子様連れて見学会か?珍しいモンだな、ガハハ!』
『うるせぇよ。さっさと訓練に戻りな。』
『はいよ。ところでそこのおチビちゃんの名前は?』
『千空だ。先生の弟子だよ』
『おいおい、嘘つくなよ。あのマッドサイエンティストが子供と仲良くするなんざ、実験体としか考えられねぇよ。』
『ククッ、違ぇねぇ』
『おっ、英語喋れるのか?まぁ、これからも2人を頼むぜ!』
『頼まれた』
『もういいだろ?、行くよ』
スタンリーが呆れたように話す。
そんなスタンリーにブロディはニカッと笑ってみせた。
『おい、スタンリー!このボーイに銃の腕前見せてやれよ!』
『え、いいのか!見てみてぇ!スタンの射撃! 』
千空の輝く瞳にうっ、となったスタンは諦めたような表情を浮かべた。
『…オーライ。ちょっと待ってな。』
そう言うと、スタンは射撃場に入り、銃の組み立てを始めた。
『千空、スタンリーの銃の腕前はな、そんじゃそこらの奴とは格が違うぜ。』
『どういうことだ?』
『アイツの専門はスナイプだが、どんな銃でもアイツに敵う奴は見たことねぇ。アイツができると言ったことは必ずできるんだ。』
部下にもこんなに慕われてるんだな。やっぱ凄いな、スタンは。
『もういいか、準備出来たぞ』
『スタンリー!1番当てにくい的に当ててみろよ!』
まさか、当てにくい的ってあの障害物だらけの奥にある直径5センチの的か!?あんなの当たんねぇだろ!
『出来んだろ?スタンリー』
スタンは的を見つめて言った。
『ああ、出来るね』
パシュッ
『…マジか』
本当に当てちまった。
『凄いじゃねぇか!あれはココでも当てれる奴居なかったはずだろ!?』
は!?じゃあ、一発ってことかよ!?
『スナイプだったからね。』
プルプル(震)
『?どしたよ、千空』
『す…』
『?』
『スゲェな!スタン!!百億点満点くれてやるよ!どうやってやったらあんな小さい的に当てられんだよ!?銃の性能だけじゃあそこまでの正確性は出ない筈だ!どうやって狙ってるんだ?自分の感覚か?…いや、そうだな、あれは何か物理的法則性を分かったような撃ち方だったな。そうだろ!?スタン!』
言いたいことを全て言い切ってゼェゼェ息をついた。
スタンは驚いたような顔をしてこちらを見ていた。
『当たってんよ。ゼノの実験手伝ってたら自然と掴めるようになってきたんよ。』
ポスッ
『やんじゃん』
ドキッ『?』
なんか妙に鼓動が激しいような…病気か?
すみません!ここで切らせてもらいます!
後ちょっとで3000字突入しちゃう!(というか、多分突入してる…)あまり長すぎると読むの飽きちゃうよね…?
もし良かったら長さについてもコメントで教えてくださると嬉しいです!
では、また次回!