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翌日。六葉は、隷の研究室を訪れた。
扉を開けた瞬間、以前ほどの凍てつくような冷気は感じなかったが、隷の態度は以前にも増して冷淡だった。
「…貴様、何の用だ。私との関係は、全て終わりにすると言ったはずだ」
六葉は、彼の言葉を**「*照れ*」**だと受け取り、笑顔で言った。
「はい!終わりにするのなら、せめて最後に、コーヒーをどうぞ!徹夜明けには効きますよ!」
六葉はハーブティーではなく、苦味の強いコーヒーを置いた。
隷が「妹を殺した魔力」という自責の念から、甘いものを避けていることを知っていたからだ。
隷は、コーヒーを一瞥し、冷たく吐き捨てた。
「…不要だ。私に苦いものなど必要ない。甘えは許さん」
そして、六葉が立ち去ろうとした瞬間。
隷は、誰にも聞こえないように、微かな魔力で、窓を一つだけ小さく開けた。