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その瞬間、彼と目が合った気がした。
さっと下へ視線をずらし、いかにも見ていなかったように思わせるよう、わざと窓の縁を見つめる。
久しぶりに会った祖母と会ったときでさえ、こんなにも緊張していなかったのに。
…そうか。緊張、しているのか。
走行するバスの雑音の中で、
ただひとつ。
自分の心臓の音が、
静かに波打つのを覚えた。
__________
『…き…』
『ま…で……』
…?…何?
『…ま…、……ど…かで…』
________
はっとし、目を開ける。
さっきのバスの中とはとって変わり、
そこには白いコンクリートの天井と、
見慣れない部屋の窓用カーテンが、窓からふく風に揺られ、ふわりと自分の腕にかかるように触れていた。