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ベルが、いない。
学校に入った時はいたはず。つまり、この学校のどこかにいる。
クリス「……ミア、手分けしてベルを探そう。私はこっちを探すからミアはあっちを探して。お願い…。」
ミア「分かったわ。任せて。」
クリス「……ありがとう。」
ここからは単独行動だ。ベルはいつも私の事を助けてくれたし、ベルは私の大切な親友。今度は私がベルを助ける番。
クリス「……?」
ふと、誰かの視線を感じて立ち止まる。振り返っても誰もいない。
気のせいかと前を向くと、人がいた。
クリス「わああああああああ!?」
???「そ、そんなに驚くな。お前は人間だな?名は何と言う?」
目の前には、紫色の怪しげな瞳で私を見下ろしている女の人がいた。
クリス「………ク、クリス。」
???「…………クリス…?……もしかして、アップルビー家の末娘か?」
驚くことに、彼女は私のことを知っているらしい。
クリス「う、うん?そう。私の名前はクリス・アップルビー。」
???「これは驚いた…。………まさか、またーーーー。」
何かを言っていたが、よく聞き取れなかった。
ジル「私の名前はジルだ。どうしてこんなところにいる?」
クリス「どうしてって言われても………」
また視線を感じ、振り返る。だが、誰もいない。
クリス「………………………。」
ジル「…誰かいるな。知り合いか?」
クリス「分かんない…。」
走る足音が聞こえてもう一度振り返ると、走り去る後ろ姿に見覚えがあった。
クリス「…………………ミア…?」
あのオレンジ色のボブカットはミアだ。だけど、ミアがここにいるのは変だ。
クリス「どうしてここにいるのかな?」
ジル「知らん」
そこで、ベルを探していることを思い出してジルに聞いてみた。
クリス「ジル、身長が高い女の子見てない?」
ジル「いや…誰も見ていないな。」
クリス「そっか……。」
振り出しに戻ってしまった。
私があからさまに落ち込んでいたからか、ジルが励ましてくれた。
ジル「ここで会ったのも何かの縁だ。探すの手伝ってやるよ。」
クリス「……ありがと」
これが、私とジルの出会いだった。