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眠れない夜
深夜。すっかり暗くなった空に、聞こえるのは時計の秒針の、ちっ、ちっ、という音と、風の音と…
隣ですやすやと眠る名探偵の寝息。
元々童顔なのに、寝ているともっと幼く見えて愛おしい。
撫でたいのをぐっとこらえて目を瞑る。
今日はなんだか寝つきが悪くて、眠れない。
喉が乾いているのだろうか、深夜特有の胃の中がからっぽになったような感覚。
水でも飲んでこようかな。とリビングに向かった。
夜の廊下は薄暗くて、床もひんやりとしている。
リビングにつき、ひとまず冷蔵庫を開けた。
….あの名探偵の備蓄している駄菓子コーナーの所が妙に主張が激しい。
硝子のコップにつめたい麦茶の入ったピッチャーを傾けた。
冷蔵庫の光が当たって黄金色に輝いている。
それをごく、ごく、と一気に口に流し込む。
喉が潤される感覚が心地いい。
ぷはっ、とコップを口から離して、唇に着いた水滴を袖で拭った。
「….飲んでもまだなんか寝たくないな。」
なんて思っていたら、がたん、と寝室の方から物音がして間もなく、ぺたぺたという足音と共に。
乱「ゆめちゃん、どこっ…?ゆめちゃ….」
リビングに入ってきたらんぽさんの顔は、寝起きのぽやっとした顔。そこに不安げな表情が浮かんでいて、私と目が合うと、じわ、と目に涙を浮かべた。
乱「ゆめちゃん、!」
一目散に走ってきて、ぎゅ、と抱きついてきた。
乱「もう、なんでベッドからいなくなってるのさ。いなくなっちゃったかと思って心配したんだからね!」
ただ喉の乾きを潤しに来ただけなのだが…この名探偵はずっとくっついてないと起きてくるほどのくっつき虫らしい。
「ご、ごめん、?喉乾いたから….」
困惑気味に謝る。
乱「もう、お茶飲みに行くんだったらぼくも起こしてよ。不安になるでしょーが。」
たぶん無理やり起こしたらこの名探偵は不機嫌になる。
乱「ね、のんだでしょ。もどろ?」
顔を上げたと思ったら、半強制的にベッドまで腕を引っ張られ、戻らされた。
ベッドに着くなりらんぽさんは私をぎゅうと抱きしめて、布団に潜り込んだ。
もう行かないようになのか、抱きしめる力が結構強い。
乱「もう勝手にいなくなんないでよね。ほら、こうしたら寝れるでしょ?」
乱「ゆめちゃんが寝るまでぼくも起きとくから。」
まあ、暖かい体温に包まれて眠るのも、悪くない。
コメント
1件
ののさん、第2話読了しました! 深夜の麦茶を飲むシーンから、らんぽさんが「いなくなっちゃったかと思って」と不安そうに駆け寄ってくるところが、もう愛おしさの塊みたいでじんわりしました。ゆめちゃんも「悪くない」って素直に受け入れるのがほっこり。駄菓子コーナーの主張が激しいところとか、細かい生活感も好きです。続きが楽しみ!