グゥゥっと小川は腹を空かせた
ここに来てから何も食べていない
加藤は1つずつそれらを渡した
加藤は勢いよく、食べ始めた
「うっめぇ…!!」
加藤は心の本音を口にした
小川はそんな加藤を見て「ふふっ」っと笑った
が、柳はあんまり食欲が湧かなかった
バケツのこと…加藤の過去…そして、いつまで続くか分からない空間…
柳はそのことで食欲が湧かずにいた
小川はそんな柳を見た
「…食べないと、次へ進みませんよ
食欲がなくても、腹に入れなきゃ生きて行けませんよ」
少し大袈裟に言った小川
それが響いたのか、柳は食べ始めた
柳は勢いよく食べ始めた が、涙をこぼしてしまった
「…うま…」
柳はそう言い、食べ続けた
小川は柳の背中をさすり、加藤はそれを見ながらおにぎりを食べた
食べ終わり、紙パックのジュースを飲んでいた時だった
「今、何時なんだろうな〜」
加藤はそう言うと、小川は「たしかに…」っとこぼした
時間もないため、夜なのか朝なのか夕方なのかよく分からない
すると、加藤はなにかに気づいたように壁を見た
「…なんで扉現れないんだ?」
加藤はそう言うと、2人も壁を見た
確かに、今までだったら扉が現れたが、現れない
すると、小川は口を開いた
「もしかしたら、休憩…かもしれませんね」
小川はそう言った
「休憩?」
加藤は疑問形に聞いた
「今までならお題が出ましたが、今は出てない…
お題がない空間…」
小川はそう言うと、加藤はピコーンッと納得した
「もしかして、休憩タイム突入?」
加藤はそう言うと、小川は頷いた
「!休憩タイムだぁ!
よし、寝よ」
加藤はそう言い、切り替えた
小川は驚いたが、加藤は気にせず、瞬時に寝てしまった
「…すごい方ですね…」
小川は柳にそう言うが、柳は反応しない
小川は「?」を浮かび、柳の顔を覗いた
柳も寝てしまった
そりゃそうだ 色々あったため、疲れたのだろう
小川は察し、クスッと笑った
「…おやすみなさいおふたりとも」
小川はそう言い、柳と加藤の頭を撫でた
しばらく寝ていると、小川は2人の体をゆさぶった
「起きてください 扉、空いてますよ」
甘い声が彼らを起こした
ゆっくり起き上がり、加藤は背伸びをした
「ん〜…よく寝た…」
加藤は身体を動かし、眠っている身体を起こさせた
(…夢じゃないんだな…)
柳はまたそう感じた
いい加減、この空間から出たいと思っていた
あまり気持ちのいい朝とは言えなかった柳
だが、
「行きますよ」
っと、小川が柳に問いかけた
柳は虚ろな目をしていたが、袖で擦り、2つ返事した
「はい…」
柳は立ち上がり、小川と加藤の後を続くように歩き出した
次の空間に入り、扉は閉まる
次のお題が出された
【「ゆ」から始まる食べ物】
またこの問題だ
どうやら増えていく度にやるらしい
小川はホワイトボードとペンを取り、2人に渡した
颯爽と書き、答えを見せた
柳は「柚」
小川は「ゆでたまご」
加藤は「油淋鶏」っと答えた
3人の回答は違ったが、どこか納得いった
お題は消え、また出てきた
【「み」から始まる都道府県】
3人は先程の回答を消し、また新しい回答を出した
慣れた手つきで書き進め、回答が出揃った
柳は「三重県」
小川も「三重県」
加藤は「宮崎県」っと答えた
「え、三重?なんそれ、」
加藤はそう発する
「なんで分からねぇんだよ」
っと、柳が突っ込む
どうやら都道府県には弱い加藤
加藤は「?」を浮かべたが、次のお題が出てきた
【「に」から始まる動物】
加藤と柳は深く考えたが、思いつかない
小川は書き終わり、2人を待っていた
「うわぁん…分からない…」
加藤はそう言うと、柳はため息をついた
分からないため、2人は飛ばされ、小川は答えを見せた
「ニアラ…知ってますか?」
小川は2人に問いただすと、「?」浮かべ、小川は「あれ…」っとこぼしてしまった
お題は消え、また新しいお題が出てきた
【「し」から始まる嫌な言葉】
3人はピンッと来て、書き進めた
そして、回答を見せた
柳は「しね」
そして、小川も「しね」
加藤は「シマウマみたいな匂い」っと、回答した
逆にその発想が思い浮かばなかった柳と小川
「死ね??」
加藤は「?」を浮かべた
「逆に何があるんですか…」
っと、突っ込む小川
お題は消え、また新しいお題が出てきた
【「の」から始まる苗字】
3人はまた考え始め、回答を見せ合った
柳は「野々村」
小川も「野々村」
加藤も「野々村」
全員一致し、加藤は嬉しくなり、叫びまくった
「やったぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
空間中に加藤の声がいっぱいになった
小川は耳を塞ぎ、「ははっ…」っと、苦笑いをした
柳はうるさすぎて、加藤の口を手で挟んだ
「っるせぇ!!!」
加藤はなにか伝えたそうに口をモゴモゴしていたが、それを言わせない
お題は消え、扉が現れた
「ん…次へ行きますよ」
っと、小川はそう言い、柳は塞いでいた手を離した
「ぷは…!!なにするんだ!!」
加藤は怒りながらそう言うが、それを無視し、次の空間へ向かった
加藤は「ちょ…!」っと慌てながら、2人の後を追った
次はなんのお題はなんなのか 期待と不安を抱えながら歩き出した
コメント
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こんばんは!主です! 5話ができたので投稿します! よろしくお願いします!