テラーノベル
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──最後に壊したのは レトルトだった
その夜は いつもより静かだった
灯りも暗くて 部屋には甘い匂いと やけに丁寧に整えられたベッド
「うっしー…今日くらいはさ 俺に独り占めさせて、?」
普段の軽口は一切ない
レトルトの声は低く やけに真剣で
牛沢は 何も言えず ただ頷いてしまった
「ありがとう」
その一言だけで 首筋にやわらかくキスされて
服を脱がされるたびに まるで宝物みたいに優しく触れられる
「なに…急にそんな真面目な顔して…」
「ほんまはずっとこうしたかってん 俺だけの うっしーが欲しかってん」
太ももにキス 唇にキス 指先でなぞるように胸を撫でながら
レトルトはじっくり 牛沢を愛撫していく
「うっしーの奥 俺の形でいっぱいにしてあげるから」
指を入れるたびに 丁寧に広げて 熱をなじませて
痛くないようにって 何度も優しく口づけを落とす
「レトルト…やばい…こんなん…」
「俺だけに こんな顔見せてな うっしー」
甘いリズムで何度も打ちつけながら
レトルトは 牛沢の手をしっかりと握って離さなかった
「好きやって ずっと前から 好きで好きで どうしようもなかったんや」
「んっ…俺…も…ッ もうダメだ…ッ」
限界まで高められて 熱と愛情と快楽で
牛沢は声を上げて果てた
レトルトの胸に抱かれながら ぼんやりと目を伏せる
「…お前が 一番 優しかったかも」
「……せやろ?」
レトルトは満足げに笑って
牛沢の髪をそっと撫でながら 唇をそっと重ねた
──最後に壊した男は 誰より深く 牛沢を愛していた
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