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nk side
俺はその日から彼に対する気持ちが変わった。
「スマイルっ!一緒に帰ろ?」
「…なかむ…、」
「うん、帰ろう、」
ニコッ…
あぁ、やっと、やっと笑ってくれた、
俺は、彼を笑顔にさせることができた、
これで俺も、少しはスマイルの役に立てたかな、
「……じゃあ行こっか!」
彼の手を少し強引に引っ張る。
でも、彼の顔は嬉しそうで、とても晴れやかだった。
夕焼けに照らされた帰り道、
その光は温かくて、眩しかった。
俺らは楽しく喋りながら、いつものように帰宅する。
家に着くまでの道が、その時間が、彼と一緒ならすごく短く感じられてーーー
俺は、彼のすべてを知ってしまった。
彼の過去。
それは決して許されていいことではない。
その傷は一生のものとして残る。
形にはならないものとして、形に残るものとして、
その傷は様々だ。
でもそこに、差し伸べられる手があれば、
その深い傷を洗浄するものがあれば、
少しずつでも、その傷は直していける。
跡が残ったとしても、たとえ底が見えないぐらいに深くても、
そんな傷は、隠してしまえばいい。
塗り替えてしまえばいいんだ。
俺らは家の前に着く。
そして、玄関の扉に手を掛けた。
ガチャ…
『…あら、おかえりなさい、』
『なかむ、スマイルーーー』
「…ただいまっ、!」