テラーノベル
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“大人の穢れ”を知らないフェンを、落とす事はあまりにも容易だった。
最初は、事故と”見せかけて”、キスをした。それだけで顔を赤らめ、慌てふためく様子は生娘のようで。この際だからと”たまたま起きた事故”を利用して想いを告げれば、フェンの許容範囲を超えたのか、はくはくと口を動かして、無言で走り去って言った。
不純な動機で寄ってくる女共より、純粋で純朴だろう。
フェンが俺を訪ねてくるのに、暫くはかかるだろうな、と予想して普段と変わらずに過ごした。優雅に過ごして居たある日、やはりフェンが俺の部屋に訪ねてきた。
「…付き合う。シラツチ、と」
唖然としたフリをした。そんな事を言われるとは思っていなかった、予想外だと言う反応をして見せた。
「その…き、キスされた時…そわそわ?したっつーかァ…」
だから…と続けるフェンを他所に、心の中でほくそ笑む。こんなに上手くいく物なのか。フェンは気付いていないだろうがもう既に、俺に好意を寄せている。無論、恋心だ。
「…それは受容する、という事か?」
「そっ、それは!それは、だなァ…えっとォ…………」
言葉を詰まらせて、その場に立ち尽くすフェン。髪の隙間から見えるオレンジの美しい瞳は、甘く揺れてる。
立ち上がりフェンの元へ近寄る。
「…無言は、肯定と捉えるが」
宝石を愛でるように、柔い頬へと手を滑らせる。
壊れぬように、怖がらせぬようにと、細心の注意を払う。やっと、その眼が合った。
お前は地獄に堕ちてきた時から、ずっと。悪魔に目を付けられていたとは思わないだろう?破壊神とレローゼに連れられて来たあの日から、あの時から、ずっと。目を光らせて、今か今かと待っていたとは、知らなかっただろう。
「…まだ、お前のこと、恋愛的に好き…?かは分かんねェけど…分かるまで、付き合っても良い…か?」
「…ありがとう」
「へっ、あ、お、おォ!」
ふわりと笑えば、フェンが赤く染まった頬を隠すように俯く。鈍感だな。それでもまだ分からないだなんて。
それから、フェンとお試しと称して交際する事になった。初めは前と大差無かったが、その中で少しずつだが違う事があった。手を重ねて見たり、たまに二人だけで出掛けたりと、着実に進んでいた。
「シラツチ…好きだ、」
あぁ、やっと。やっとだ。
非情に成りきれない悪魔が、俺の元へと堕ちてきた。
…フェンは、大人の穢れを知らない。だってそうだろう?今まで碌に俺やレローゼが教えてこなかったんだから。真っさらな新雪に、足跡を付けるような感覚に陥る。それでも、懸命に俺を受け入れようとするお前が愛おしい。
「っひ…、ぃ゙ッ…、、ん゙~っ、ぅ…!♡」
とんとん、とリズム良く。けれども激し過ぎず。優しく奥を突く。ぎゅう、とシーツを手繰り寄せて、快楽と羞恥に耐える様は唆られるものがある。小刻みに震えるフェンの丸い頭を撫でる。
「大丈夫だ、安心しろ」
かわいい、可愛い。お前を見ているとどろどろに、無償に甘やかしたくなってしまって困る。そろり、と俺を見て安堵したように笑う。その姿はあどけなく、妖艶だった。
ごくりと喉が鳴る。嗚呼。何も知らない無垢な少年を、こんな風にしてしまえるのは俺だけだなのだと。
何も分からず俺の下で乱れる、狼の皮を被った可愛い犬。真の獣に、己の身を委ねているとは露知らず。
「ん…」
俺の、こんな醜い感情に、ドロドロしたどす黒い感情に気づかないお前は馬鹿だな。愚かだと思うと同時に、そんなお前が可愛くて、愛おしくてたまらない。お前の身近に居る男が一番危険だなんて夢にも思っていないんだろう?
「気持ち良いか?」
「っ……お、ぉ…」
何も知らないお前に、手取り足取り、教えてやりたい。嗚呼…心底哀れだ。こんな男に捕まって。だが、逃げたいと言っても逃さない。もう逃してやれないんだ。
フェン、フェン。こんな俺の、こんな気持ちに気付かないまま、純粋なままで居てくれ。
コメント
1件
どうも!染白です✨やっと、書きたかったシラフェンが書けました!いや初が微Rて!!!本当は日常系を書いてから〜と思ってたんですけど…えへ() 私これ…確かにシラツチくんの愛の話を書きたくて…あれ…??何かよく分かんなくなりました(((おい
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