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⑤こちらは連載作品となっておりますので1話から読むことをお勧めします。
前回更新12月らしいすみません!!!!
久しぶりなのでいいねもコメントもやまほどください!!(強欲)
てかなんか今AIコメントみたいなのあるらしいですね??
桃.side
病院という場所は嫌いだ。
別に俺が診察を受ける訳じゃない。
薬を飲むのも俺じゃない
名前を呼ばれるのも、
診断を受けるのも
全部まろだ
それでも嫌いだった
理由は簡単で
この場所に来る時のまろは、決まって少しだけ笑うから
昨日の夜、あにきがまろの家に行った。
それから一度、パニックらしきものを起こしてしまったと聞いた。
でも、朝会ったまろはいつも通りだった。
あにきも何も言わないままで。
「まろー」
自販機で買ったお茶を差し出す。
けれど案の定、
「……今はいらん」
と返ってきた。
予想通りすぎて、そっかと返事をしながらも少しだけ笑った。
ところで、最近分かったことがある。
まろは本当にしんどい時ほど感情を見せない。
怒らないのは当たり前で、
弱音を吐かない
助けを求めない
代わりに笑う。
それが一番厄介だった。
待合室の長椅子。
俺の隣に座るまろは、膝の上で指を組みながらモニターを見ている。
表情はいつも通り。
少なくとも他人から見れば。
でも、 組んだ指先がずっと震えていた。
「寒い?」
「別に」
「…そ、」
嘘だ。
寒さじゃない。
そんなことくらい分かる。
でも、それを指摘したところで、まろはきっと困ったように笑うだけだ。
「___さーん」
名前を呼ばれた その瞬間
膝の上で握られた指先に少しだけ力が入った。
気づいたのは多分俺だけだろう
一緒に行く気はなかったが、後を着いていくことにして診察室へ入る。
そして、俺も隣に座る。
先生がカルテを開く。
まろにとってはいつも通りの流れで
いつも通りの診察。
「その後いかがですか?」
「…前よりは」
「眠れてます?」
「少しは」
「食事は?」
「まぁ、食べれる時は食べてます」
普通の受け答え
穏やかな声
いつものまろ。
でも。
全部知っている。
眠れていない日があることも
ご飯を食べられない日があることも
朝起きられずにソファで丸くなっていたことも、 全部
「周囲のサポートはありますか?」
「…あります」
そこで少しだけこちらを見る。
「助けてもらってるんで」
先生は安心したように頷いた。
「それは良かったです」
「…はい」
そして
まろは笑った。
自然に、
何事もないように。
「大丈夫です」
その瞬間、 胸の奥が少しだけ重くなる。
まただ。
最近何回聞いただろう。
まろから出る、大丈夫の言葉。
本当は大丈夫じゃないのに。
診察が終わって
薬を受け取り、
会計を済ませる。
病院を出る。
たったそれだけ。
なのに
まろは少し疲れた顔をしていた。
帰り道、 並んで歩く。
会話はない。
車の音だけが聞こえる。
俺はずっと考えていた。
なんで、 この人はここまで頑張るんだろう。
頑張るのが取り柄だとは昔から何度も言っているけれど
「ねえ、まろ」
思わず声が出た。
「ん?」
前を歩いていたまろが振り向く。
少しだけ迷って、口を開いた
「なんでそんな普通に喋れんの」
まろが目を瞬かせる。
「……何が?」
「診察」
風が吹く。
髪が揺れる。
「入る前からしんどそうだったやん」
「手も震えてたし」
まろは何も答えなかったけれど、 目を逸らされた。
少しだけ笑って、
「普通にせんと」
とても小さな声で、たった一言。
「心配かけるやん」
それ。
最近何回聞いただろう。
心配かけたくない。
迷惑かけたくない。
そう言いながら、
一人で壊れかけてたくせに。
「それ、誰が決めたの」
気づけば口から出ていた。
まろが黙る。
多分、本人も分かっていない。
いつから
しんどいを隠すようになったのか。
いつから
大丈夫が口癖になったのか。
だからこそ、 聞かずにはいられなかった。
「メンバーどころか、会社のみんなも忙しいし」
「うん」
「俺のことで会社の空気ごと悪くしたくないし」
「…うん」
「………言ったところでどうにもならんし」
淡々と話す声。
でも、 その全部が 自分に言い聞かせているようだった。
帰宅後。
ソファに座るまろを見ながら冷蔵庫に買った物をしまう。
あれから帰り道、まろの手を引いて買い物をした。好きな物買ってとか、夜ご飯作ろうとか。
本当はもっと色々聞きたかった。
診断書のこと。
怖いこと。
今何を考えてるのか。
でも、 今必要なのはそれじゃない気がした。
「まろ」
「ん」
少しだけ考えてから言う。
「大丈夫って言うの禁止な」
思わず振り向いたまろがきょとんとした顔をした。
思わず笑いそうになる。
「どう見ても大丈夫じゃないし」
「……」
「言われても信じられん」
しばらく沈黙。
時計の音だけが響く。
そういえば、まろが時計の音がうるさいから買い換えるなんて話をしていたような気がする。
やがて、 まろが俯いたのが空気で伝わった。
「……俺さ」
いつも誰よりも喉を気にする彼の、珍しく掠れた声。
「ほんまに無理になったらどうしようって」
言葉が止まる。
少し震えていた。
「怖いねん」
やっと出てきた本音。
その言葉を聞いて、 少しだけ安心した。
あぁ
ちゃんと怖かったんだなって。
ちゃんと苦しかったんだなって。
そう思えたから
だから俺は、まろが俯いているのを分かった上で 少しだけ笑って返した。
「知ってる」
それだけだった。
慰めでもなく、
励ましでもない。
ただ 知っているだけ。
一人で抱えていたことも。
ずっと無理していたことも。
全部は分からなくても
苦しいことくらいは知っている。
夕方の光がカーテンの隙間から差し込む。
いつも閉じたままのカーテン。
それでも、 隙間から入る光だけは消えない。
多分
今のまろも同じなんだと思った。
夜中、まろの風呂場を借りていた。
風呂から出て、髪をタオルでがしがしと拭きながらリビングへ戻ると、明かりの消えた部屋の机上に、髪とメモが置かれていた。
「んん、?」
『先に寝る。客室のベッド使え。
あとこれ俺がいない間に見といて』
「………通称、微笑みうつ病…ね。」
まろの言動と行動、表情。
ぽつんと置かれた診断書を見て。パズルのピースがはまったような感覚になった。
To be continued…
僕20日お誕生日だからみんなお祝いして!!
成人するので盛大なお祝いお待ちしております😘😘
コメント
4件
やっっばい…なりさん…!!!😭😭 本当に本当にこのお話ずっと待っていて、何度も何度も読んでいたのでもうめちゃめちゃ嬉しいです😭通知見た時3度見くらいしましたありがとうございます…本当にありがとうございます😭😭ほんとになりさんのお話の書き方とか物語の時間の流れ方とか大好きで…😭青さんがやっと桃さんに本音を言うシーンも凄く良すぎましたし、最後ただ診断書を渡すんじゃなくて⬇️
初コメ失礼します! アカウント作る前からずっと読んでました…😭 桃さんがちゃんと分かってて、でも分かってるからこそ言わなかったり、「知ってる」っていう踏み込み過ぎず、でも分かってるよっていう感じだったりして、ほんと大好きです!💖 これからも気長に投稿待ってます(*^^*)
もう第3話か…まろのしんどさを隠すクセと、それを見抜いてる桃の視点のバランスがめちゃくちゃ刺さったわ。「大丈夫って言うん禁止な」って台詞、優しさの裏にちゃんと覚悟があってグッときた。診断書出てきたラストも続き気になるし、今後の二人の距離感どう変わっていくのか楽しみ🔥 更新待ってる!