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「ええ!? ゴブリンの魔石も持ってきたんですか!?」
冒険者ギルドに戻ってきて薬草と魔石を見せた。クリスさんは驚いて僕と魔石に視線を反復させる。
「素手で倒したってことですか? (それも6匹も?)」
クリスさんは大きな声で話すのも憚られると思ったのか、小声で聞いてくる。僕はうなずいて答えると彼女が大きくため息をついた。
「ゴブリンは決して強い魔物ではないです。ですが初心者が素手で倒せるほど甘くもない。一瞬の油断で怪我をするものです。それなのにムラタさん、あなたは……」
クリスさんはゆっくりと僕だけに聞こえる声で話す。顔を近づけてきてキリッと見つめてくると、ニッコリと微笑む。
「天才ですね。有望株です」
「あ、ありがとうございます」
両手を握って褒めてくれるクリスさん。人に褒めてもらうのは久しぶりだからなんだか恥ずかしいな。
「詮索は致しません。詮索をしてどこかに行かれては困りますからね。これからもよろしくお願いいたします」
「こ、こちらこそよろしくお願いします」
深くお辞儀をして話すクリスさん。僕もお辞儀して話すと彼女はニッコリと微笑む。綺麗な人に微笑まれると恐縮してしまうな。
「では薬草の報酬とゴブリンの魔石の換金のお金です。少し色を付けておきましたので」
「あ、ありがとうございます!」
手渡された硬貨は銀貨が2枚。2000ラリってこと? 薬草が500ラリだったはず。ゴブリンは10匹分の魔石で1000ラリだったはずだ。ということは500ラリもおまけしてくれたってことか。クリスさんは天使かな?
「続けて依頼をしますか?」
「あ、はい! また薬草をやります!」
「そうですか! ありがとうございます!」
クリスさんの質問に答えると嬉しそうにお礼を言ってくれる。彼女の笑顔を見るために依頼をすることになりそうだな。
「よし! 薬草は集まった」
再度森に戻ってきて薬草を集める。今回はゴブリンとは会わなかった。ジャネットが倒したのでいなくなったのかもしれないな。
『村人からお願いが届いています』
「お!」
急に声が聞こえてきて期待に胸を躍らせる。人からのお願いを待ちに待っているのは僕くらいだろうな。
『村人も戦えるように武器や鎧を作りたい。鍛冶場が欲しいな~』
村人からのお願いが聞こえてくる。ジャネットとジャン以外も戦うことができるようになるってことか。それはいいことなのだろうか?
村人は強くないわけで、やられてしまったら村人が減って収入が減る。それは困るんだよな~。
『武器や鎧を売って収入にもできます。お願いします』
「むむ」
この村人は前回も声を上げていた人だ。なかなかできる人みたいだな。僕の考えていることも察してお願いして来てるぞ。
収入が増えるのならばありがたいな。しかし、畑とはかかるお金が違うだろう。
『500ラリかかります』
「むむむ!」
村スキルの中にお金は2000ラリ入ったから余裕がある。作るか……。
僕は考えながらも鍛冶場を作ることにした。選択肢を選ぶと村の一部に鍛冶場が出来上がる。村を覆う壁が大きく拡張される。
「鍛冶場の前に住宅を作った方がいいと思うんだけどな~」
人がこれから増えていくわけだからね。でも、人に頼らずに自分達でも魔物と戦おうとしてるのは凄いことだ。
僕も見習わないとな。ジャネットに頼りっきりじゃだめだよね。レベルも上がったんだから、僕も武器を買って自分で戦わないと。
「そうと決まれば鍛冶屋に行ってみよう。お金もそこそこ手に入ったし」
森の中で独り言を話しながら町に戻る。鍛冶屋か~、楽しみだな~。
「鍛冶屋さんはどこかな~」
クリスさんに薬草を届けて更にお金を確保。今回は報酬におまけがつくことはなかったので500ラリだ。
「ん? 客か?」
剣と盾の看板のお店に入ると、僕に気が付いて首を傾げるおじいさんが声をかけてくる。うなずいて答えると椅子から立ち上がって一本の剣を差し出してくる。
「新人の武器ならこれがいいだろう。なまくらだが安い。ゴブリンくらいなら余裕で倒せるぞ」
「銅の剣?」
おじいさんが差し出してきたのは茶色の剣。僕が思った通りの銅の剣だ。
「お代は500ラリだ。薬草採取の報酬で買える。新人にピッタリだろ?」
おじいさんはそういって笑う。新人の武器っていうのはそういうことだったのか。それじゃ、これをもらおうかな。
「これを下さい」
「あいよ。切れ味が悪くなったらすぐに持ってきな。200ラリで直すよ。おっと、そういえば、名前を名乗ってなかったな。儂はバンゲルじゃ」
「あ、僕はムラタと申します」
剣の代金を渡すとおじいさんは名前を教えてくれる。僕も自己紹介をして答える。
「革の鎧も着た方がいいぞ。こっちも500ラリでどうだ?」
「あ、じゃあお願いします」
「おう! 素直に年長者の意見を聞ける奴は出世する。期待してるよムラタ。サイズを合わせるから少し待っててくれ」
バンゲルさんに勧められるまま革の鎧を買うと彼は嬉しそうに採寸し始める。
結構カッコいい鎧だな~。これで僕も立派な冒険者だな。なんだか嬉しい。