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何もかもふたりで初めて。初心者マーク100枚以上のうぶな風見さんちに嫁ぐあなた
第1話 - 何もかもふたりで初めて。初心者マーク100枚以上のうぶな風見さんちに嫁ぐあなた
30
9,565文字
2026年08月16日
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2026年08月16日
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コメント
1件
あああああもう尊すぎて死ぬかと思った…!!😭💕💕 風見さんが箱入りすぎて降谷さんとの会話がめっちゃ面白いし、「月が綺麗ですね」からの流れがエモすぎて何回も読み返した…あんな初々しい2人の新婚生活ずっと見てたいよ〜!! お互い「何もわからない」って初心者同士なのに、一生懸命想い合ってるのが伝わってきて胸がぎゅーってなった🥺✨ 朝のあたふたしたやり取りも可愛すぎて悶絶したし、もう続きが気になって仕方ないよ!!この作品絶対推していいですか??🌸
「あ?まじ?」
と珍しくデスクに就いている降谷が振り向いた。
かあぁ…と赤くなった風見は少し頭を下げた。
拍手する降谷。だがすぐ目を細める。
「おめでとう~でも待って…僕ご祝儀いくら包めばいいの…」
お前んち、確かいわゆる【華族】だったよなーー
「降谷さんまでやめてください…それはもう70年以上前の話ですよ…」
「でも見合い相手、あ、奥さんもそうだろ?」
風見は微妙な顔をして目をそらした。
「そうやって日本を牛耳る一家は粛々と存在し続けるわけよ。都市伝説じゃなくて実際にね…」
華族制度は廃止されたものの、その権力は全盛期には国の資産を保有したほどだ。
それこそ都市伝説なんかでは未だに天皇家とつながっていて政権を動かしているとかいないとか…
風見は要は箱入り娘ならぬ箱入り息子なのだ。
「50万くらいで勘弁してくれない」
「えぇっ」
と驚く風見に、降谷は手をあげた。
「やめて。そのリアクション少ないのか多いのかわからないままにさせて…(たぶん100万単位だなこりゃ…)」
「式は親族のみで行いますので…ご報告だけでもと…」
「そりゃどうもね。お幸せに。で?奥さんどんな人?」
「ど、どんな人?」
何故か困った顔をする風見に、素直に首を傾げる降谷。
「さ、さぁ…」
「さあ?」
思わず前にのめる降谷。
「…3回お会いしたうち、挨拶と…仕事しか答えてませんから…」
「はあぁ?お前の見合いだよな?」
「もちろん」
一気にきょとんとする風見にどっと疲れる降谷。
「相手何してんの」
「学生です」
「あっ?」
もう降谷は耳を疑った。
「…今春に大学を卒業する…大学生の方です」
「大学どこ?」
「学習院です」
降谷は背もたれにはぁーっ!と寄りかかった。
いたわ、絵に書いたみたいな都市伝説男。
「じゃ何?家族構成とか…つか自分が生涯添い遂げる相手のこと知らなすぎじゃない?怖くない?」
「どちらにせよ私と彼女にその決定権はありませんので…」
「ちょちょ…お前よく刑事にさせてくれたな…ひとりっ子だもんな?」
風見はちら、と降谷を見つめる。
「…本来なら…」と咳払いする風見。「…わたしは降谷さんの椅子に就く為に…あの…それを許してもらったので…」
「なんかごめん…」
「いえ…」
気まず。と降谷は色んなところをぐるぐる見た。
「親族の間ではだめ息子ですので…私と結婚するのは恐らく遺産ですとか…」
「いやそんなことないよ!?うん!まじで頑張ってると思うわ!自信持ちな!?僕が言うんだからガチ!な!」
たまらずフォローを入れてしまう。だってどんな境遇なのか考えたらぞっとしてしまったから。
「ありがとうございます」
「名前くらいわかるよね?」
「当たり前ですよ」
風見は少し憤慨したように見えて、降谷はそこで怒る意味わからんと思っていた。
「名字名前さんといいます…2年の頃には姉妹校のエール大へアメリカへ」
「ええエール大?まじ?」
世界ランキングトップの大学…と降谷はそのまままた前にのめった。
「ですから戻ったのは最近なんです。それからTOFULは満点で、Googleの内定ももらったそうです。1年のときにはミスコンで優勝したそうで見合いの写真はそれでした」
そのままでした…と何故か頭をさらに下げる風見に降谷は段々悲しくなってきてしまいちょっと黙った。首を振る。
「スペックたかっ…いや!」
すいらん
6,611
花梨
71,859
「?」
「だとしてもいい奥さんかは別の話じゃない!?悪いんだけど何もできないんじゃ…」
「いいんです」
「え?」
「わたしも何もしてません」
「…」
言葉をついになくす降谷。
「…今日はいている靴下すら自分で選んでいません」
「わかった!もういい!なんか今度僕が惨めになりそう!あ、でもじゃあお前んちに嫁いでくるわけだから嫁姑問題さえなければね!?ねぇ!」
と無理くり笑う降谷。
「…うちの敷地内に新居を建てている途中なので」
「はい?」
笑ったまま目をぱちくりするしかない。敷地内に新居??どんだけ土地あるの。
「…出来上がり次第、彼女が引っ越してきたら基本は私たちふたりだけですので…世間でよくある問題はないと思いますが…」
唸る風見に、降谷はぴんときた。
「…結婚したら言われるの、すぐ子供だもんなぁ…」
「…っ」
真っ赤になった風見に、降谷はしばらく見ていたがまさかと思って黙っていた。
当然向こうは生娘だろうし。
「まさかお前もじゃないだろうな!?」
たまらず立ち上がってクレッシェンドみたいに喋ってしまう。
「わ、わたしは降谷さんじゃありませんから…!」
わっ!と顔を覆う風見に目を細くしてゆっくり座り直す降谷。
「60人くらい経験数あると思ってんだろ…」
「違うんですか!?」
「なわけあるか!その半分くらいだよ…てか僕のこんなプライベートよくも暴露させてくれたな…オイ…」
「どうしたら…」
「どうもこうもさ…お前が激務なのは向こうも理解あると思うわけ。だから結婚には反対してないじゃん。だからすぐ子供子供はしないと思うけど…てかほんとに?ほんとに女抱いたことないの?」
「…ないですよ!そんなことしてる暇ありませんでした!!高校は部活いくつかけ持たされたと!?死ぬ気で警察学校も入ってまた死ぬ気で今日も仕事しっ…」
「じゃ今までどうしてたのよ、その…欲をさ…」
聞きたくねぇなオイ。と付け加えてしまう。
「…だ、だいたい朝トイレ行けばいいじゃないですか…」
「まぁぁあじで言ってんのぉお!!?お前自分でしたことな…」
「それはありますけど…」
「あぁビックリした…下半期イチ心臓発作起こしかけたわ…危な」
降谷は心臓を掴む。
「じゃいいじゃない。相手も処女ならこんなもんかって思ってくれると思うわ。お前からは言うなよ。間違っても」
「…もちろんです」
「…変に向こうが【知識】つけてなければ…いけると思うから…お前はつけろよ?」
し~ん。
「…失礼します」
と風見が静かに出て行くのを見て、降谷は何故か汗だくの自分を扇いだ。
「裕也さん?」
と階段の上から母親に呼ばれて風見は見上げる。
「はい」
「明日あなたが帰るのは、もうここではないのね」
母親は降りてきて、風見を見つめて頬に手をやった。
「母さん」
「わたしは18のときに嫁いできたわ。そのときもう、お腹にはあなたがいたの」
初耳に思わずびっくりしてしまう。
「え?」
「…わたしは他に嫁ぎたい人がいたの…」
でも、と母親はまつげを伏せる。
「…その人は子を持つことができなかった。病気だったの」
懐かしむように遠くを見る母親の横顔に、自分がよく似ているのがわかって切なくなった。
「でもあなたが日に日に大きくなる度に、わたしは正しかったと確信した。最初こそ…わたしは父さんを愛せるか不安だったけど、それもあなたがいたから全て…払拭されていった。わたしは父さんと添い遂げる覚悟ができたのよ」
だから…と母親は風見の頭を引き寄せ、額をつけて微笑んだ。
「どうか…名前さんを幸せにしてね。母親のわたしの、せめてもの見送りの言葉として、あなたに贈ります」
「母さん…」
はい…風見は涙が出そうになり、目を閉じた。
「お帰りなさい」
と名前は頭を軽く下げ、首を傾げて微笑んだ。
「【あなた】…」
「っ…」
「あ、靴に泥!」
名前はキョロキョロしたが胸元を押さえて何かに気づき、ほっとしたようにハンカチを出した。
はだしで玄関に降りてきて、風見はぎょっとする。
「なにやっ…」
「固まってしまうから!」と名前は屈んで靴を磨きだす。
「これで…」とにっこり笑って見上げる名前は、何故かはっとしたように目を見開いて赤くなっていった。
「あっ…」
「…あ」
ふたりして少し距離を取る。
「も、申し訳ありません…あ…まともにお顔を拝見したことがなかったから…」
わたしはすごい見た。とは言えなかった。あくまでも【写真】を。
「…そ、それよりハンカチを…」
「え?」
「クリーニングに…」
風見は咳き込んだ。
「い、いいえっ…洗濯すれば大丈夫です。お気遣い…ありがとうございます」
「きみがいいなら…いい」
「あっ!」
と名前はまた複雑な顔をする。
「すみません…お鞄もお持ちせず!何も出来なくて申し訳なっーー」
風見は一気に名前に近づいて唇に人差し指をやってしっ…と言った。
名前は目を見開いて固まる。
「…自分を卑下するな。2度と」
それはわたしだけで十分だ。
「…っは、い…」
名前は赤くなり小さく震える。
「家政婦たちはどうした?」
「あの…」
名前は風見の鞄を抱く。
「わたしが言ったんです…お部屋の掃除などはお願いして…その……」
名前はだんだん鞄に顔を埋めてく。
「……あなたに関することだけは…私にやらせてほしいと…」
がばっ!と名前は顔をあげるので風見はびくっとした。
「…少しずつ…ひとつずつ頑張ります…だ、だからその…大目に見て…いただけますか……」
「そんなのは…」
こっちの台詞だ……と風見も赤くなった。
しん…となった玄関に、いつまでこうしているんだという時間が流れる。
「…お食事されますか?それともお湯に…」
「…きみは?な…」
名前…と呟くと名前はハッとしたようにクロゼットから顔を出した。
くりん、とした目がさらに丸くなる。
風見は後悔して、片手で顔を覆った。
馴れない……そもそも自宅に女性がいるなんて母親と家政婦以外なかった風見にとってもう彼女は未知の存在と同じ。
何をどうしたらいいのかまったくわからない。
「わ、悪い…馴れ馴れしかった……」
「いいえ!」
名前はぶんぶん首を振って、やがてころん、と笑った。
「わたしも…裕也さんとお呼びしても…よろしいですか…?」
「…」
「どうかしましたか?」
ずらりと並んだ小鉢に風見は口を開けてしまっていた。
「…全て自分で?」
名前は盆を抱き締める。
「あ…味付けは手伝っていただきました…切り干し大根なんて特に…ただ、だし巻き玉子などは…大学時代にお弁当は自分で作っていたので…」
「自分で作ってた?食事を?」
風見はびっくりしておうむ返ししてしまう。名前はきょとんとする。
「あの…何か…?」
「いや…なんでもない…いただきます」
風見は食べながら思っていた。
…これは足りないぞ……白米がまだあればなんとかなりそうだがーー
「お口に合いますか…?」
風見はぶんぶん頷いて唸る。
「大丈夫だ…ありがとう……その、米はまだ残ってるか?」
「え?えぇ…はい?」
「…納豆があればそれも一緒に貰えるか…」
「納豆?ふふっ…」
「?」
風見は名前を見た。くすくすして口元を押さえて首を振る。
「…よかった…裕也さんでも…私達と同じ【庶民】の食べ物食べるんですね…」
風見は固まった。わたしをなんだと思っている?
「すぐお持ちしますね…」
出された茶碗には納豆の上に卵黄が乗っていた。
「お醤油少し垂らすと美味しいですよ」
「あぁ…」
と醤油瓶を渡す名前の指に、ちょん。とふれてしまい風見はがばっ!と手を離した。あまりの速さに名前は目の前の風にまばたきもしなかった。
ふわ、と彼女の揺れた毛先からシャンプーの匂い。
「…悪い」
「いいえ…あ、あの?」
「ありが、ありがとう…じぶ、自分でやるから…きみももう…」
「あの…」
名前は少しまた頬を染めた。
「わたしはお湯は…済ませていますので…」
「ごほっごほっ…!」
風呂の中で風見は咳き込んだ。蒸せ返るような檜の匂い。
「裕也さん」
とドアの向こうから聞こえて風見は風呂の中にぼちゃり!と滑った。
「ぷはっ…なん、なんだ?」
「大丈夫ですか?咳が聞こえたので…」
「なんでもない…」
「はい」
カラカラ、と引き戸が閉まってからようやく風見は天井を見た。
着工が遅れたのは檜のいいやつが見つからなかったせいだ。
1度ーーゲリラ豪雨にやられて降谷さんちのシャワーを借りたとき、床があまりにつるつるするからろくに立てなくて、座ってシャワーを浴びたら木ではないからからだが余計冷えたと言ったら目を細められた。
なんか納得いかないけど、謝っとく。と言われたのを思い出す。
「…というか」
風呂から出たら…
風見は首を振る。
「無理だ…わたしにはそんな……」
だが恐らく彼女のほうは……と思えば応えないわけにいかない。
翌朝出ていかれても困る。
ぐるぐるそんなことを考えていたら逆上せてきてしまって、また風見はぶくぶく風呂に沈んだ。
「…」
ベッドの寝室には名前はいなかった。寝室がいくつあるかまだきちんと見ていないから…と廊下を歩いていく。
ふと空を見上げた。
「…満月か」
だからこんなに明るいのか……。
和室を開けて風見は一気に現実に引き戻されて、誰もいないので思いきり腰を折って両手で顔を覆った。
「…最悪だ…」
待ってたよ。と言わんばかりの1枚の布団が、枕2つで敷かれている。
「くそ…」
がりがりと後頭部をかく。
「…る」
「?」
縁側に出て行って、風見は座って足をぶらつかせる名前を見つけた。
「お、空、の、ほし、よ…」
「…」
きらきら星を笑って呟く名前に風見は後ろから静かに出て行く。
「あ」
「…今夜は明るいな」
何気なしに隣に座り、風見は隣に置いてあった金平糖を口にして月を見上げていた。
「…月が綺麗だ」
「!」
名前はびっくりしたように風見を見たので、風見はそれを不思議そうに見つめた。
やがて名前はとろり、といった笑みを見せたので風見はその顔に明らかにからだが疼く。
「…裕也さん」
「っーー」
名前は風見の手にそっと手を置いた。そのまま肩に頭を預ける。
…死んでもいいわ……
「…名前」
「裕也さん…心臓の音すごい……」
「あ、当たり前だろ!」
「え?あぁ…そうですよね…お風呂上がったばかりですし…」
違う!と風見は叫びたかったが、初めて知った。
理性とはこんなに脆いものだなんて。
「あ、あの…わたし……」
「いい」
風見は思わず名前を抱き締めた。
「…何も言うな」
名前の頭がこくりと動く。
虫の声がする。月の高度は上がり続けて、影が伸びて細くなる。
風見は名前の肩をそっと掴んで、自分から離した。
黒いビー玉みたいな瞳が、くるくると月明かりに光を反射する。
名前は悟ったのか、ふと瞳を閉じた。
一気に近づいたが風見は名前が少し震えているのがわかり、1度躊躇ってからそっと口付けた。
「…あ」
「っ…」
ふたりで真っ赤になって、互いを見つめる。
「…そ、んなに見ないで…裕也さん…」
ぽす、と胸元に名前が顔を埋める。恥ずかしい…ともぞもぞ聞こえて、風見は行き場を失った両手をただ宙に浮かせていた。
「裕也さん…今夜から…よろしくお願い致します…立派な奥様になれるように」
「それはわたしも同じだ…」
一生……きみを守ると誓おう、名前…
名前は胸元から顔を上げ、また黙って笑みを浮かべ頷いた。
「…名前」
「はい」
「わたしは…今とても……」
す、と頬に手をやる。
「きみが…いとおしい……だから」
「…はい」
「今以上のことを…したい…しても…いい、か…」
名前はまた微笑んで、その手のひらに頬擦りした。
「きゃっ…」
名前はすぐ後ろの布団に風見に抱かれて行き降ろされる。
予想以上に明るくて、カーテンも何もないから、上にいる風見が少し汗ばんでいるのもよくわかった。
ずる、と風見の眼鏡が落ちて、ふたりでそれを見た後顔を合わせてぷっ…と笑う。
「裕也さん…」
今度は名前が風見に手を伸ばす。びく、とした風見だったが恐る恐る名前を見た。
「…幸せ、です……」
「!」
胸がぎゅうとなる。掴まれたみたいに。
「…ありがとう」
風見はたまらず名前を抱き締めた。暖かくて、甘くて、ふわふわしている彼女を思いきり抱いてしまいたかったが、やり方がわからない。
そんなのはきっと、ひとときだけの快楽で続かないから。
だからできるだけ優しく。長く…こうしていたい。
「裕也さん…暑くないですか?」
「あぁ…悪い…」
風見はからだをあげると。名前はかぁ…と赤くなった。
「わ、わたし…あ、暑くて……」
しん。となり風見はようやくはっとした。
す、と名前のパジャマに手をかける。何回も失敗しながらボタンを外していくと、息も止めている自分に気づいてはあっ、と最後のボタンを外した。
ひら…と開くと綺麗な形をしたそれがあって、風見はごくりと唾を飲んだ。
「あ…恥ずかし…っ」
名前は目元を覆う。
「…さわっても…?」
名前は嘘でしょ、と言いたげに涙を溜めた瞳で風見を見つめた。
「んやっ…」
初めてふれたそれに、風見は夢中になる。なんて柔らかいんだーーこんなのどこにもない…ふにふにと力で形を変えて風見を誘惑しては離さない。
「あ、裕也さ…」
風見はぺろ…と先を舐めてみた。
「きゃうっ…」
びく!とからだを縮める名前を見て、明らかにふつふつと独占欲がわいてくる。
誰にもやらないーーわたしのだ。
「んっ…」
「ひゃあぁ…」
ちゅぱ、と吸い上げてはくりくりといじり続けると名前はどんどん乱れてく。
気持ちいい。からだがそう言っている。
「…」
はぁ…とふたりで息をして、風見は名前のズボンと下着に手をかける。
「あ、あ…」
ずり…と一気におろして膝を持った。
「だっだめ…!」
名前はそこをすぐ両手で隠すが、震えているからなのか払ったらすぐどかせた。
…色んな女性の裸だけは画面越しに見たが、まったく無毛ですっと1本線が入っているだけのそこに風見は正直困惑していた。
どうやってさわればいいのかわからない…だいぶ風見が見てきた形と違う。
「あ、あの…」
名前が不安そうに言う。
「なんか…変です、か…?」
「いや…」
見とれただけだ、と言えば名前はさらに顔を覆った。
「…」
舐めて…みれば…と舌を出してそこに吸い付いてみる。
ふわふわしている…胸とまた違って…左右に開いてみたら、よく見る女性器がようやく姿を表した。
確かここら辺に……と指で上下に擦り上げてみる。
「んやぁあ!あ、あ…」
だんだん指がぬるついてきた。それでたぶん…この下がーーそこからぴゅ、と溢れてきたそれに風見はぱちくりして凝視してしまう。
「そんなに見ちゃやだぁ…」
「名前…」
風見は名前にキスをねだるように口付ける。
「くち…」
「あ…」
と舌を出す名前に同じようにして舐め合ったら、頭がもわっとした。
「…痛かったら言え」
「んっ…」
名前は頷いて、風見はそこに指をゆっくり差し入れた。
濡れているってこんなに360度なのか…と思いながら動かす度きゅん、きゅん、となるのも指ですらわかる…
「ふぁあ…も…裕也さ…」
「…」
こちらももう限界はとうに越えていたが、タイミングもわからない。名前はそう言うがからだはどうなんだ…とちらと名前を見た。
「も、もうっ…」
かくかくしだした名前に、風見はぎゅうと唇を結ぶ。
「…ここ」
「も、もうちょっと下…」
「ここか…」
「はい…」
ゆっくりすればいいのか、速くすればいいのかもわからない。
とにかく何もわからない。でも、欲しいものは欲しいーー
「…いくぞ」
「んっ」
ぬりゅう…とある程度までいくと、名前が動いた。
「あ…」
待って、と言わんばかりにのけぞり風見の手を掴む。
「痛いか?痛いなら…」
「だ、大丈夫…そ、そこがたぶん1番痛い…」
「えっ」
「だから速くきてっ…痛がっても入れてくださいっ…」
お願いっ…と言う涙声の名前に、風見は迷ったが名前の腰に腕を回して少し上げた。
何かで見たのか読んだのか、そんな知識だったが、ゆっくり動いていくのがわかりやがてぬるり。と滑るように入った。
はぁ…はぁ…とふたりで荒れた呼吸をしたまま見つめる。
「えへっ…裕也さ…」
名前は笑っていたがやがて泣き出した。
「ひとつになれまし、た…」
「っ…名前」
あたたかい。それになんてとろとろした意地悪な場所……名前が呼吸する度にきゅ、とたまにひくついてたまらない。
「…気持ちいい」
「ほんと?」
「あぁ…頭おかしくなりそうだ…」
「なら…」
と名前は風見の首に腕をまわす。
「う、動いてください…」
「痛くないのか」
名前は首を振る。
「裕也さんの…赤ちゃん欲しいよ…」
「っバカっ…」
「あう」
風見は腰を引いてみたが、なかに引かれる力が強くてある程度しか戻せない。
そのまままた腰を入れてを繰り返す。
「あ、や、裕也さ、んあぁあ」
「っ…くそ」
もう出そうになって、たまらず動きを止めればーー「やだあぁっやめちゃ…」と名前にしがみつかれて風見はもう訳がわからなくなる。
「ああっ、名前…で、る…っ」
「いいよっ…いいよ出して!赤ちゃんちょうだいぃっ…」
出した瞬間に奥に入りたくなるのは本能だと思った。
「っく…うぅっ…」
どく、どく、と自身が動く感覚も名前にはわかっているんだろう。動きに合わせて名前はからだを揺らした。
「っはあぁっ…」
ぐた…と名前の上で力尽きる。マラソンしたみたいな疲れに風見は初めて知った。知ってはいたが思った以上に強烈に眠いと。
「名前…すまない……」
隣に転がると名前は布団を引っぱって、風見は腕を名前の頭に敷いた。
「…眠い……少し…眠ったら起きる…だから…」
「いいんです…わたしも…ふわふわして眠い、です……」
裕也さん。という名前に、風見は虚ろに名前の頭を撫でた。
「裕也さんが…初めてでよかった……おやすみなさい」
ちゅ…と額に唇を感じて風見はそのままかくん、と魔法にかかったみたいに首を落とした。
「…ん」
暑い。と布団をはぐ。ちか、と照りつける太陽にはっ!と風見は起き上がった。
「…!」
隣に名前はいないし、しかも布団をはいでよく見てーーその黒い小さな点々としている血の跡をなぞった。
「…名前!」
慌てて適当に服を着てバタバタと走り出す風見に、家政婦たちがそれぞれ「裕也様?」「どうされたんですーー」「おはようござ…」
と掃除したり何かしらしながら、走って部屋をひとつずつ開ける風見を不思議そうに目で追った。
「奥様ならーー」
とある部屋を開ける瞬間に家政婦が叫んで手を伸ばしたが、風見が開けるほうが早かった。
「…きゃあぁ!?」
「わぁあ!?」
名前は下着姿で鏡の前で口紅を塗っていて、慌てて赤くなり肩を抱いた。
「奥様は学業のお支度中です…!裕也様…!」
ばたん!と家政婦にドアを閉じられて、風見はのけぞる。
む!という顔の家政婦は腰に手をやり、「裕也様。朝食をお召し上がりになってはーー」
「そんなことしてる場合じゃない!」
と風見は再びドアを開ける。今度はレースのワンピースを着た名前が鏡の中でまたびくっ!と肩を縮めた。
「裕也様!!」
ガチャン!と風見は鍵をかけて背中をドアにへばりつけた。開けてください!と叩かれるドアをちらと見ながらばくばくする心臓を押さえる。
「…お、おはようございます…ゆ、やさ…」
立ち上がる名前を鏡台に座るくらい勢いよく抱き締める。
「きゃ…」
「からだは?なんともないか?」
風見が名前の頬やら首やら色んな箇所をまさぐって鬼気迫るようすなので、名前はまた赤くなった。
「はい…なんとも……」
「出血してないか?布団に…」
「あ…」
と名前はだんだん下を向く。
「まさかわたしのせいでーー」
「だ、大丈夫です!ちょっと!ちょっとだけですし…!」
「血が出て大丈夫なわけがあるか!今日は休め!」
「ゆっ、裕也さん!?」
「医者を呼ぶ」
「えぇ!?待ってっ…!」
名前はドアに振り向いた風見に後ろから抱きついた。
「お、おお落ち着いてください!」
はっ!と風見は我に返る。
「本当に大丈夫です!そ、それにお医者様にだってなんて言えば!?」
「たしかに…」
ぼそ…と呟いて名前に振り向く。化粧をしたのか顔つきがなんとなく違い、風見は名前の頬に手をやった。
「…だ…」
「え?」
風見はかあっ、となったが困ったように笑った。
「綺麗だ…名前」
「っ!」
「ただ、心配だから今日は執事に同行させる。近くには寄らない。あくまで距離を持たせる。いいな」
名前はきょとんとしたまま、手にはブラシを持ったままだった。
「…裕也さん…わたし」
こんなに幸せで、いいんでしょうか…?
今度は風見がきょとんとしたが、すぐに名前のウエストを持ち上げてくるりと回った。名前は風見の肩に手をつく。
「ひゃあぁ!?あはっ、裕也さ…やめ、あはっ…あはは…!」
それはこちらの台詞だーー