テラーノベル
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『…なぁ、光』光「ん〜?どないしたん?」
『希望々山高出たらなっとするん?』
光「あんま考えとらんな」
「多分、じいさんの椎茸継ぐんとちゃうかな」
佳紀「──はどないするん?」
『私もあんま考えとらんのやんな』
光「──と佳紀は頭ええんやから、こんな村出て東京の大学へ行ったらええんに」
『んー………』
光「何、もしかして──、俺と離れたくないん?」
「プスプスー!可愛ええなぁ笑」
佳紀「そうなん?」
『…そんな訳ないやろ』
『そんな光くんも私と離れたくないんとちゃうん?笑』
光「そ…そんなんちゃうわ!」
『…せやけど、東京行くなら1人暮らしやな』
佳紀「…俺もそうやな」
光「ええな〜憧れる」
『佳紀、シェアハウスでもする?』
佳紀「……──とは嫌やな」
光「断られてやんの笑」
『は?冗談に決まっとるやろ』
光「1人暮らしすんなら、お前らの家にうんこしに行くわ」
「公衆便所嫌いやねん」
『はぁ?来んな、帰れ』
佳紀「他人の家にわざわざ来んなや、帰れよ」
光「笑笑」
「それとも──がかっこええ彼氏作っても連れ込めんくらい入り浸ったろけ?」
『彼氏作らんで』
光「なんなん、この話になると機嫌悪いよな」
「彼氏ぐらい出来るやろが!」
『…光は彼氏になってくれんの?』
光「……え、?なんて…」
『……なんでもない。じゃーな』
佳紀「光!」
「おい!」
『光?佳紀が呼んどるで』
光「……あ!どないしたん?」
佳紀「今度の週末なんやけどさー」
光「あー…その日はダメやねん。山行くから」
『山?なんでや』
光「………それはだなー」
「秘密ゥー笑」
───────────────︎︎────────
私は扇風機に顔を向けながら夢を見ていた。
光が”生きてる”時の。
最期に見た光の顔がハラセンの顔真似とか…
しょうもな…
『……ッ…はぁ……』
急に気持ち悪なって深呼吸をすると、お母さんの声がドアの向こうから聞こえてきた。
「──、光くん待っとるから早く行ってき?」
『あ…うん、行ってくるな』
軽う返事をしてヒカルが待っている庭先へと向かう。
ヒカルは私の姿を目に入れると、今までと変わらず、
ヒカル「あ、──。おはよぉ」
……と挨拶してきた。
『おはよ、はよ佳紀ん家行かんと遅んで』
ヒカル「……せやな、ハラセンに怒られたないしな」
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