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ロボットは倒れたまま動かない。
その姿を見つけた瞬間女の子は走り出した。
「お母さん……!」
返事は無い
冷たくなった装甲に触れ、震える手で電池を差し込む。
カチッ
小さな音が鳴る。
次の瞬間、ロボットの手が僅かに震えた。
内部起動音
視覚センサーオン
戦闘モード、起動
ゆっくりとロボットが立ち上がる。
赤い光が女の子を捉えた。
ーー識別:人間型生命体
ーー排除対象
銃口が向けられる。
だが女の子は逃げずにロボットに抱きついている。ロボットの指が引き金にかかる。
撃て。
内部命令が繰り返される。
撃て。
撃て。
撃て。
だがエラー。
視界に不明なデータが走る。
ーー保護対象?
ーー不明
何故この個体を撃てない
理解不能。
それでもロボットは銃を下ろした。
代わりに両腕を伸ばす。
そして
女の子を包み込むように抱きしめた。
「おかえり….」
女の子は泣きながらそう言った。
ロボットは理解できない。
何故この行動をしたのか。
何故排除命令に逆らったのか。
だが
この個体を守る。
理由はわからない
だけれど
それで良かった。
END。